車はどのようにリサイクルされるの?環境に優しい廃車活用とは

車のリサイクル方法 廃車のコラム

自動車リサイクル促進センター(JARC)の公表によると、2022年の年間国内使用済自動車発生台数は、約276万9千台となっていました。新車の供給不足により、前年に比べると廃車された車の数は約13%減少しているものの、決して少ない台数ではありません。

近年はリサイクル技術も進化し廃車された車両重量のうち約99%がリサイクルされ、回収したシュレッダーダストもエネルギーとして再活用できています。長く大切に乗った愛車であっても、いつかは手離す時が来ます。

こちらでは、廃車することになった車のリサイクルについて、詳しく解説します。

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自動車のリサイクルとは

自動車リサイクル法について

現在は、車を適切にリサイクルするための仕組みがありますが、2005年に自動車リサイクル法が施行されるまでは、廃車の不法投棄や不適切な解体処理などによる環境汚染等が社会問題となっていました。こちらでは、車の適切なリサイクルのための仕組みについて解説します。

車のリサイクルの仕組みができた理由

車の解体処理や破砕工程には、最新の技術や設備、高額な費用がかかったため、不適切処理や不法投棄が横行し社会問題となっていました。車の不法投棄や不適切処理による環境汚染は、地球温暖化にも影響を及ぼす可能性があり、適切な車のリサイクルによってゴミを減らし、資源を無駄遣いしない循環型社会をつくるために「自動車リサイクル法」が制定されたのです。

自動車リサイクル法によって、車の所有者、車の引取り業者、フロン類回収業者、解体業者、破砕業者、自動車メーカー、車の輸入業者には車のリサイクルにおいてのそれぞれの役割が決められました。

例えば、使用済自動車の引取りから破砕工程までのリサイクル処理を行うことができる業者には自治体の登録・許可が必要となりました。また、以前まではすべて業者負担となっていたリサイクルにかかる費用も、車のユーザーがリサイクル料金として車の購入時に支払うことが決められました。

自動車リサイクル法ができて変わったこと

自動車リサイクル法によって車を適切にリサイクルする仕組みができたことで、適切な解体や破砕の処理が行われ、リサイクルできない廃棄物を減らし、環境に優しい循環型社会につなげる仕組みができています。

特に環境問題について影響が大きいとされている、車のエアコン等に冷媒として充填されているフロンガスは、回収し無害化しないまま処理してしまうと、オゾン層の破壊や地球温暖化問題に影響を及ぼす可能性が高くなります。

また、車の乗員の安全のために車に取り付けられているエアバッグは、解体作業中に誤って破裂等が起こると、作業する人が大けがをしてします可能性があり大変危険なため、車の解体には技術と設備さらに費用が必要となっています。

フロン類の回収やエアバッグの適切な処理にかかる費用も、リサイクル法によって車の最終所有者がリサイクル料金として支払って負担すると決められたことで、不適正処理を減らすことができました。

リサイクル料金とは?

リサイクル料金とは自動車リサイクル法によって、車の最終所有者であるユーザーが支払うことを義務づけられている、車の適正なリサイクル処理をするための費用です。

リサイクル料金は車種一台ごとに異なり、料金は自動車メーカー(輸入車の場合は輸入業者)が「車の解体時に発生するシュレッダーダスト量・フロン類の充填量・エアバッグ類の個数や取り外しやすさ」などから設定しています。

リサイクル料金の平均水準は、軽自動車やコンパクトカーの場合は7,000円~16,000円程度、普通乗用車は10,000円~18,000円程度、中型大型トラック10,000円~16,000円程度、大型バス40,000円~65,000円程度となっています。

リサイクル料金の支払いが完了しているかどうかは、支払後に受け取ることができるリサイクル券が手元にあれば証明になります。元々に2005年以降は新車購入時に支払うことが多くなっていますが、それ以前の車は中には未払いの車種もあります。

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自動車はどのようにリサイクルされるのか

自動車リサイクル工場

不要になったからといって車を駐車場に放置したり、粗大ごみに出してはいけません。まずは、自動車販売店やディーラー、廃車買取業者など車の処理を業者へ依頼し、引取業者に引き渡します。引き渡した車が劣化してボロボロになっていたり、事故や水没などにより故障して動かなくなっても、リサイクル処理は可能です。

引き渡した車は、まずリサイクル業者によってフロンガスが回収されて、高温で燃やし無害化されます。その後解体処理に移るのですが、解体前に爆発の危険があるエアバッグは前もって膨らませて破裂処理する必要があります。その後、解体処理が行われ、それぞれリサイクル部品やリサイクル素材、シュレッダーダストと分別されます。

こちらでは、分別された部品や素材などのリサイクル内容について解説します。

鉄部品(ボディなど)のリサイクル

鉄部品は鉄・スクラップの資源として生まれ変わります。鉄は「資源の王様」と呼ばれるほど、現在あらゆる目的で利用されています。自動車をはじめ、飛行機、鉄道、船舶といった乗り物からビルや住宅などの建造物、テレビや冷蔵庫などの電化製品から鍋、包丁など日用雑貨まで利用され、私達の生活に欠かせないものばかりです。

アルミ部品(アルミホイール、エンジン部品)のリサイクル

アルミ部品はアルミ(金属)という金属素材として再利用されます。アルミは、1円玉から、台所で使用するアルミ箔、自動車のパーツ、窓ガラスのサッシなど、さまざまな用途に再利用されています。アルミニウムは、軽くてさびにくい、加工しやすいなど、すぐれた特徴をもった金属です。また、マグネシウムや銅などの他の金属をまぜたアルミ合金にすると非常に強くなりますので、さまざまな物に再利用することができます。アルミは少ないエネルギーで簡単に再生できますので、地球にやさしい金属といえます。

ゴム(タイヤ)のリサイクル

タイヤのリサイクル

タイヤのリサイクル方法は、大きく分けて3つあります。

リユース・リサイクル

再生タイヤとして蘇らせることによって再び利用(リユース)するというリサイクル方法です。状態の良い物などは国内や海外でそのまま使われることもありますし、バスやトラックに使われている大型のタイヤなどは再生タイヤとして、タイヤの表面を張り替えるなどの再加工することで新品と同じ扱いで使用されています。

サーマルリサイクル

熱エネルギーとして回収・利用するリサイクル方法です。タイヤを形成している主原料は石油で作られた合成ゴムです。これは燃料として使用した際に安定して高い温度を保つことができるため、使用済みになったタイヤを切断加工することで、石炭などの代替燃料としてセメント工場や製紙工場などの様々な工場で再利用されています。

マテリアル・リサイクル

加工して別の製品に生まれ変わらせる方法です。道路で見かける歩道舗装材やスポーツ施設にあるすべり止めマット、または新幹線のレールに敷いてある路床材なんかにもリサイクルされています。

バッテリーのリサイクル

解体時取り出した古いバッテリーは、車両向けには十分な性能を発揮できないとしても、蓄電などの用途では利用可能です。また状態が良好であればバッテリーとして再販することもできます。

プラスチック部品(バンパーなど)のリサイクル

プラスチック部品は溶かし、プラスチックの原材料となるペレットという粒子状のものにし、そのペレットを原料に各種プラスチック製の自動車部品を作ります。古いバンパーが再び新しいバンパーに生まれ変わることもあります。

窓ガラスのリサイクル

使用済みガラスは一度溶かして固まらせれば新しいガラスができます。例をあげるとビンやタイルの強化剤、アスファルトの材料や住宅の断熱材等があげられます。ガラスは幅広くの用途で再利用することができますので、使用済みガラスでも十分に価値があります。

最後に残ったシュレッダーダストのリサイクル

シュレッダーダストとは、リサイクルの最終工程を終えて処理できなかったプラスチックやゴミなどの廃棄物(クズ)のことです。シュレッダーダストのリサイクルは難しく、最近までは残り少ない最終処分場で埋立処理が行われていました。しかし、現在はシュレッダーダストのリサイクル技術も進んでいて、焼却処理時の熱資源エネルギーや土木工事の原材料等に再利用ができています。このシュレッダーダストの処分時にかかった費用に、車のユーザーが支払ったリサイクル料金が使用されています。

廃車の概念がかわります。無駄を省いた方法教えます。

まとめ

今回ご紹介したように、自動車リサイクル法が制定されたことで、車は適正なリサイクル処理が行われるようになり、リサイクル技術が進化したことで車の車両重量のほとんどが再利用できるようになっています。車の部品や素材は、さまざまな物やエネルギーに再利用できます。価値が無いと思われていたお車も、私たちが生活していく中で必要とする、とても身近な物に生まれ変わっているのです。

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