2015/06/26
「車検がない国がある!?」というタイトルを見て、「へぇ~、そんな国があるんだ?」と思われた方もいらっしゃるのではないでしょうか。なぜならば、日本国内を走る自動車には「車検」を受けることが義務づけられており、それが日本では「当たり前」となっているからです。車検は、正式には「継続検査」という名称で、車検に合格した自動車には自動車検査証(車検証)が発行されます。自動車検査証に「有効期間の満了する日」という項目があることからも分かるように、車検証とは「有効期間の満了する日までは、現在の車検証が有効です」という証明書です。車検証の有効期限は、普通乗用車は2年(新車は3年)、普通貨物車の場合は1年、軽自動車(乗用も貨物も)は2年、レンタカーは1年(新車は2年)といった具合に、あらかじめ決められています。有効期間満了後も引き続き自動車を使用するためには、車検を受ける必要があります。
日本では当たり前となっている車検ですが、諸外国を見回しますと、実は車検制度がある国のほうが少数派です。車検制度のある国は、アメリカ(ニューヨーク州などの一部の州)、ドイツ、イギリス、フランス、スウェーデン、ベルギー、スイス、スペイン、イタリア、シンガポール、韓国、タイ、メキシコ、ケニア、ロシアなどです。車検制度がある国においても、それぞれの国によってシステムが異なります。たとえばイタリアの場合、車検の有効期限は2年(新車は4年。いずれも乗用車の場合)となっているほか、車検切れで事故を起こした場合は保険適用外となるそうです。また、イギリスでは、車検のことをMOTテスト(Ministry of Transport =運輸省)と呼び、有効期限は1年(新車は4年)となっているほか、車検証には自動車の所有者の情報が記載されないなどの違いがあります。このほか、国によっては、車検制度は存在するものの、実際にはほとんど機能していなかったり、検査項目が排ガス検査などの一部の項目のみに限定されていたりもします。
日本の車検は、よく「過剰メニューだ」と批判されます。確かに、まだ使えるパーツもどんどん新品に交換する整備工場もあり、結果として「車検=高い」というイメージを生んでいます。一方、車検制度を設けている海外の国々の特徴として、検査する項目が日本のように多くないため、車検の際に掛かる整備点検費用が抑えられ、割安であることが挙げられます。たとえばイギリスでは、オーナーが自動車を整備工場に持ち込み、数千円を払えば点検が受けられ、すぐに車検証が発行されます。また、車検制度がない国においても、車検がないからといって点検整備が免除されているということではなく、オーナー自身の責任において、日頃から自主的な点検整備を実施することが求められます。中身が過剰すぎる車検制度も困りますが、点検整備を手抜きすると、故障や事故を招く「走る凶器」ともなりうるのが自動車ですから、定期的かつ適度な点検整備をユーザーに自覚させる意味で、車検制度は有用だと言えるでしょう。現在、車検制度を設けていない国々、とりわけ発展著しい新興国において、モータリゼーション(自動車社会)の進展とともに、車検制度を新設する国々が増えるものと予想されます。
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