最終的には、半年間も乗り続けて、価値の下落が一切無いということは考えられません が、解決方法を以下の5点に分けて検討してください。(1)相手のことは気にしない。(2)過失割合が、本当に10対90で良いのか?(3)車両の価値 が、本当に113万円で良いのか?(4)買い替えに伴う諸費用を請求する。(5)代車費用を請求する。(1)言うまでもありませんが、賠償金が増えたとこ ろで、事故の相手が負担するわけではありません。賠償金を負担するのは相手が契約している保険会社になりますので、まったく気にすることはありません。保 険会社が言う「いい人」とは、「保険会社にとっていい人」という意味です。法律で認められる費用は、1円たりとも取りこぼすことなく、全額請求してくださ い。(2)過失割合の基本的な考え方は、自分に事故の原因となるような道路交通法違反の事実があったか、事故の予見は可能であったか、事故を回避すること は可能であったかということがポイントとなります。保険会社は、交差点の事故で過失無しは有り得ない言いますが、これは常套句です。必ずしも、過失無しが 有り得ないわけではありません。まずは、基本となる過失割合を算出し、そこに速度超過であった等の補正要素があれば、それを加味して最終的な過失割合を確 定します。事故の過失割合の判例は多数あり、過去の判例に照らし合わせれば、事故が起こった瞬間に過失割合は決まっています。過失割合の見直しに繋がる事 実を見落としていないかどうか、再確認してください。(3)保険会社が提示した車両価格は、年式やグレードをもとに、「オートガイド価格月報(いわゆる レッドブックと呼ばれている本)」から拾った金額であると思われます。この金額は、実際の市場価格よりも低い場合が多いので、自分で市場価格を調べてみて ください。これは、自動車オークションの落札履歴や中古車情報誌から調べることが出来ます。保険会社は113万円と言っていますが、実際はもっと高く評価 されているという場合もあります。中古車を取り扱うディーラーの中古車査定士に依頼し、大よその金額を見積もってもらうことも出来ます。注意しなければな らないのは、時間が経てば経つほど車両価値は下落するので、事故を起こした月のデータから調べるということです。(4)全損(経済全損?)ということであ れば、買い替えに伴う諸費用のうち、廃車費用、自動車取得税、登録費用、車庫証明費用、納車費用と、これらの手続きに要する代行手数料を請求することが出 来ます。なお、自動車税、自賠責保険料は、還付請求が可能なので、買い替え費用として請求することは出来ません。(5)自動車が不可欠で、他に代用する手 段(もう1台クルマを所有している等)が無ければ、代替者が納入するまでの必要な期間で、代車費用を請求することも可能です。以上の点を総合的に考えて、 再交渉してみてください。このケースであれば、過失割合の確定はそれほど難しくありません。訴訟を視野に入れながら、ぎりぎりのところまで交渉してみてく ださい。訴訟になれば、あとは損害額の確定だけが争点なので、第1回公判時から和解勧告になるものと思われます。