軽油取引税は、公道走行する場合に課税されるべき目 的税ですので、公道走行をしない、産業用エンジンの燃料は、灯油でも、軽油でも構わないのですが…灯油を使用しても、脱税行為には該当しません。灯油使用 について。ピストンを交換する必要はありません。ピストンを交換しても、圧縮比は変わりません。圧縮比を変えても、灯油が軽油と同じようになることはあり ません。音と黒煙は、灯油と軽油の違い程度では、まずかわりません。そもそも、軽油は、灯油と重油の中間にある、混合物です。市販されている軽油は、季節 に応じて、5種類の軽油が使い分けられています。夏場に使われる、特1号、1号は、A重油に近い組成のもの。冬場に寒冷地で使われる、特3号、3号は、灯 油に近いもの。特3号なんか、7割が灯油と同等の成分です。ですので、灯油でディーゼルエンジンをまわしても、軽油と、ほぼ同じような動きをします。ただ し、エンジンは回っても、灯油100%だと、弊害が起きるわけ。エンジンではなく、エンジンに燃料を供給している、燃料噴射ポンプや、インジェクションノ ズルが、潤滑不良を引き起こし、最悪の場合は壊れてしまいます。灯油で、ディーゼルエンジンを動かす場合は、潤滑性を改善するために、何らかの添加剤を併 用する必要が生じます。こうしたものは、実際に市販されていますが、脱税目的で、公道で使用される恐れがありますので、ここでは、製品の紹介は避けたいと 思います。軽油の代わりに、灯油を使うと、黒煙が増えるというのは… 半分当たっていますが、半分嘘です。確かに、セタン価が軽油よりも低いため、着火性に劣るのは確かです。ですから、自動車に使用して、パワーダウンした 分、アクセルを踏み込むような使い方をすれば、供給される空気の量が変わらないのに、燃料の噴射量だけが増えて、結果的には、完全燃焼できない、不完全燃 焼が起きるために、黒煙が増大します。しかし、発電目的のように、燃料噴射量一定で、一定の負荷で回転させる場合、完全燃焼できる空燃比で調整できれば、 不完全燃焼は起こりませんから、黒煙増大の心配はありません。ディーゼルなんて、空燃比は、結構アバウトでも回ります。燃料に対して、空気量が不足するか ら、不完全燃焼を引き起こすのであって、少しくらい、酸素がリッチになるくらいの調整をすれば、灯油だから、黒煙が増えるなどというような話にはなりませ ん。但し、軽油でも黒煙が出るような状態のエンジンでは、灯油でも、黒煙は吐きます。仕事柄、大小さまざまな発電機を取り扱います。小型のものはガソリン エンジンですが、大型のものは、ディーゼルです。夜間の工事でも、ディーゼル発電機を回し続けております。エンジンがどうのこうの、燃料がどうの、という ような問題ではなく、防音型に作ることができるかどうかです。産業用発電機のエンジンと、自動車(4WDの乗用車)のディーゼルエンジンで、過給機や、燃 料噴射装置の違いはあれど、同じ型番のエンジンを使用しているものもあります。特に、珍しい発電機でもなんでもないのですが、エコではないです。エネル ギー効率からいうと、電力会社から電機を買うほうが、安いし、クリーンだし、環境負荷も少ない。化石燃料で、エンジン(内燃機関)をまわして、それでエコ であるなら、企業は皆、真似をします。わざわざ、発電機を回して電気を得るのは、そこに、電気が引けない理由があるから。短期間のために、電柱を立てて、 電線を引っ張るよりも、手っ取り早いから。尚、公道走行しないディーゼルエンジン用に、軽油を非課税で購入する方法もあります。但し、一定の条件が必要で して。個人はおろか、ちょっとやそこらの企業が湯水のように使うくらいの、微々たる使用量では、非課税軽油は供給できないので、一般的には、あまり知られ ていないだけです。公道走行をしない、船舶のディーゼルエンジンは、非課税軽油を購入できない、小規模事業者でも、非課税で利用できるよう、重油で動くよ うに作られています。重油と軽油を混ぜたら… それこそ、偽造軽油が出来上がりますが、脱税目的で、トラックなどに使われる手段ですので、詳細は、遠慮させていただきます。