2015/09/28
バッテリーは、低温下での性能が大幅に低下する性質を持っています。そのため、寒冷地仕様車においては、一般車に比べて1回りか2回りほど大きめの容量のバッテリーを搭載するのが一般的です。
オルタネーターとは、発電機のことです。エンジンの動力を使ってオルタネーターを回し、走行装置や灯火類、エアコンやカーオーディオなどを作動させるための電力を起こします。寒冷地においては、前述のように低温下でのバッテリー性能が低下することに加え、ヒーターやワイパーの使用頻度が寒冷地以外のエリアと比べると高めであることから、発電量を増やすことのできる高容量のオルタネーターを搭載している例が多く見られます。
エアコンの暖房機能は、エンジンから発生した熱を放熱冷却するためのラジエタークーラント(冷却液)を、車内に配管で引き込むことにより、熱源としています。ただ、エアコンからの温風は車内の上方に溜まり、冷気は下方に溜まる傾向があることに加え、前席が温風を遮ってしまうため、後部座席の足元には温風が届きにくい傾向があります。そこで、寒冷地仕様車では、後部座席の足元に温風を届けられるように、温風ダクトを設置する例が多くなっています。また、エアコンはデフロスター(窓の曇り取り)の役割も兼ねていることから、車内に引き込むラジエタークーラントの量を多めにすることで、取り出せる熱量を増やしたり、ラジエタークーラントが暖まっていないエンジン始動直後の段階でも温風が出せるよう、電気熱源によるヒーター(PTCヒーター)を設置したりする例も見られます。
低温下においては、エンジンの冷え過ぎによる燃費の悪化や、暖房性能の低下といった弊害が生じます。それを回避するため、エンジン作動時の排気ガスの熱を回収して再利用し、エンジンを適温に保つことで、性能改善を図る例が見られます。
降雪量の多い地域では、冬季に通常の雨用ワイパーではなく雪用ワイパーを用い、雪をかき取りながら走行する場合もあります。通常のワイパーモーターでは力不足となり、故障しやすくなったりもします。そのため、よりパワーが強く、耐久性に優れたモーターを使用する場合が多くなっています。
降雪地においては、凍結防止剤として塩化カルシウムが路面に大量に撒かれるため、車体に錆が生じやすくなります。寒冷地仕様車では車体各部の防錆処理を一般車よりも強化することで、錆の発生をできるだけ抑えるように努めています。このほかにも、電気式のシートヒーターの設置や、ラジエタークーラントの高濃度化など、さまざまな対策が寒冷地仕様車には施されています。なお、これらの装備は、すべての寒冷地仕様車に一律に装備されているのではなく、車種や年式等によって、内容が異なる場合があります。
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