2015/10/13
経済産業省の資料によると、平成6年度末には約5万8000店あった店舗数は、平成26年度末には約3万3000店にまで減っています。理由としては、燃費性能が飛躍的に向上した自動車の普及が挙げられます。特にハイブリッドカーは、1997年にプリウスを発売したトヨタを筆頭に、ホンダや日産などメーカー各社がラインナップを拡充しており、2013年度の国内保有台数は約380万台となっています。加えて、新車販売に占める軽自動車のウェイトが年々増しており、近年では新車販売の約4割を占めるまでになっています。これらの事象により、ガソリンを給油する頻度や量が減り、売上も減少していきました。加えて、設置から40年が経過した地下燃料タンクの改修義務化も、店舗数の減少に拍車をかけました。とりわけ、零細な個人商店の多い地方のガソリンスタンドは、少なくとも数百万円以上が必要となるタンク改修費が捻出できず、法律改正のタイミングで廃業を選択せざえるをえない状況となったわけです。
都市部ではたいていの場合、30分も車を走らせればガソリンスタンドは見つかるものです。しかし、地方の山間部などでは、町内や村内で唯一営業していたガソリンスタンドが廃業になると、給油のために山を越えて隣の町まで片道50km以上も走らないとたどり着けないといった問題が起こります。また、ガソリンスタンドは灯油や重油も販売しており、暖房や事業に欠かせないものです。そのため、ガソリンスタンドの廃業は自動車だけの問題にとどまらず、ただでさえ過疎化に悩む町や村での生活が、もうこれ以上は不可能となる、いわば「最後通牒」にすらなってしまうのです。
このようなさまざまな問題点の顕在化を受け、経済産業省はタンクローリーを使った出張給油(現在は消防法により規制されています)の実現の可能性を探っていますし、石油連盟は地上設置型タンクを許可するように消防庁に求めるといった動きも出ています。加えて、高速道路における給油空白地帯の問題を解消するべく、給油のために一般道に降り、再び高速道路に戻ることを条件とした社会実験を、中国自動車道の一部区間で実施しています。ガソリンスタンドは、燃費性能がいくら良くなろうとも、必要不可欠な存在です。国や行政機関は問題点をもっと深く認識し、これ以上の店舗数減少を何としてでも食い止めてもらいたいものです。
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