2016/02/23
自車位置を割り出すために、位置情報を把握したり計算したりする一連の工程を測位と呼びます。現在、カーナビの測位方式として最も一般的に用いられているのが、GPS(全地球測位システム)方式です。GPSは、アメリカが軍事目的で打ち上げた人工衛星を活用する位置測位システムで、高度2万kmの上空を周回する24個のGPS衛星から発せられる電波を受信することで、現在地を割り出すことが可能です。GPS衛星からの電波には、衛星の位置情報に加え、原子時計による時刻情報がミックスされており、少なくとも3個のGPS衛星からの電波を受信することにより、距離や時間の微妙な差異に基づいて、いわゆる三角測量の要領で現在地を割り出すことができます。但し、GPS衛星自身が把握している自衛星の位置情報や、内蔵している原子時計にもわずかながら誤差があるため、より多くのGPS衛星から電波を同時に受信したほうが、より誤差の少ない正確な自車位置を算出することが可能となります。
GPSは、もともと軍事目的に開発したシステムですが、民間利用にも開放されています。但し、軍事上の理由で、意図的に測位精度を悪化させることがあり、その場合でも正確な位置情報を利用できるようにするためのシステムとして、D-GPS(デファレンシャルGPS)が考案されました。これは、地上の複数の地点で受信したGPSデータの誤差を解析し、誤差を補正する情報をFM多重放送の電波を使ってカーナビに届けるシステムです。誤差をわずか1メートル程度に抑えることができる画期的なシステムとして広く普及しましたが、アメリカがGPSの測位精度の意図的な悪化を行わない方針に転換したことや、カーナビ自体の受信性能が飛躍的に向上し、より多くのGPS衛星からの微弱電波を高感度に受信できるようになったことから、現在はその役割を終えています。一方、D-GPSと似た役割を果たす新しいサービスとして、A-GPS(アシステッドGPS)が広く利用されています。これは、携帯電話基地局から位置情報に関する補助データを受信するシステムで、たとえば、カーナビ専用機と比べると大型のアンテナが搭載しにくい携帯電話やスマートフォンにも、測位精度の向上や測位時間の短縮といった効果をもたらすことができます。
GPSは、宇宙からやってくる微弱な電波を捉えて自車位置を把握するため、トンネルや地下道、あるいは超高層ビルが密集する都心部などを走行しているときには、正確な位置情報を得られない場合があります。そのため、カーナビによっては、GPSからの情報だけではなく、自車の挙動を認識するジャイロセンサーや車速信号を併用して、より正確な自車位置把握を行うようになっています。
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