2015/09/01
鉄道は旅客輸送だけではなく、貨物輸送も重要な役割を担っています。鉄道による貨物輸送は高度経済成長によって急激に取扱量が増え、ピークとなった1970年頃には、全国各地の工場や倉庫などに、線路が網の目のように張り巡らされていました。しかし、その後は高速道路網や幹線道路網の発達や、荷主ニーズの多様化などによってトラック輸送が急速に発達し、鉄道による貨物輸送の取扱量は減少しました。そのため、貨物線の廃止・撤去が相次ぎました。たとえば、大阪にはかつて、大阪環状線から分岐し、大阪港までつながる大阪臨港線という貨物線がありました。しかし、貨物取扱量の減少により2006年までに段階的に廃止されました。また、阪和線の杉本町駅から関西線(大和路線)の八尾駅までを結ぶ阪和貨物線という貨物線もありましたが、2009年までに廃止されました。これらの路線が廃止されるまでの過程においては、輸送すべき貨物が発生したときだけ臨時に運行するといった運用がなされました。とりわけ、阪和貨物線の末期では、レールや架線の錆び取りを目的とした電車が1日1往復だけ運転されるのみとなり、踏切を電車が通る光景をほとんど見かけない状態となりました。
工場によっては、構内に専用線が敷設されている場合があります。たとえば、製鉄プラントや化学プラントでは、工場設備が複数の建物や敷地に分散し、設備同士をまたいで原材料や製品を運搬する必要がある場合に、専用線が設置される場合があります。また、工場の敷地の間に公道が貫いているケースも見受けられ、専用線と公道が交わる箇所には、踏切が設置されている場合があります。これらの専用線では、工場の稼働状況に応じて運搬列車を走らせるため、稼働率が高いときには頻繁に列車を走らせますが、稼働率が落ちているときには、踏切を列車がほとんど通らなくなります。
台風による水害によって鉄橋が流されるなどし、鉄道路線が甚大な被害を受ける例があとを絶ちません。このような場合、鉄道路線の復旧工事が完了するまで、代行バスが運転されます。これに伴い、復旧工事が完了するまでの間は、電車や列車の通らない踏切となります。
電車や列車がめったに通らなくなった踏切を知っている人は、「どうせ電車は来ない」という油断や思い込みをしがちです。そのため、一時停止はおろか、徐行すらしないドライバーもいるようです。しかし、頻度が少ないとはいえ、貨物列車や保線工事の車輌などが通る可能性はありますし、農村や工場専用線の踏切の場合、遮断機を設置していないケースも見受けられます。思わぬ事故にならぬよう、踏切の手前では必ず一時停止をし、安全を確認してから渡るようにしましょう。
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