2017/03/13
カーデザイナーとは、その名の通り自動車のデザインをする職業の人です。
大きく分けるとボディ・外装のデザインを手がける「エクステリアデザイナー」と、内装のデザインを手がける「インテリアデザイナー」に別れますが、その他にも細かい工程に分かれており、紙におこされた絵を見て立体物を作成する「クレイモデラー(粘土を使って立体モデルを作成)」及び「デジタルモデラー(PCを使ってデジタルデータの立体モデルを作成)」や、ボディの内装外装のカラーリングを担当する「カラーデザイナー」、更にそれら全てのデザイナーをまとめる「チーフデザイナー」や「デザインディレクター」と呼ばれるデザイナーも存在します。
なお、最近はカーデザイナーとして活躍した人はクルマだけにとらわれず、独立して色々なモノをデザインすることもあるようです。
クルマひとつに多数のデザイナーが関わることもあれば、逆に1人のデザイナーが多数のモノをデザインすることもあり、デザインの世界は自由で非常に奥深いということがわかります。
カーデザイナーになるには、現在日本ではカーデザインを学ぶ事ができる教育機関がいくつかあり、「東京コミュニケーションアート専門学校」の自動車デザイン科や、「HAL」のカーデザイン学科など、専門学校の自動車(カー)デザイン学科が主になりますが、最近では「CAR DESIGN ACADEMY」というオンラインでカーデザインを学ぶことができる学校もあります。
海外には「アートセンター・カレッジ・オブ・デザイン」という教育機関があり、同校のトランスポーテーションデザイン学科はビッグスリーのカーデザイナーを多数輩出しており、一流カーデザイナーの登竜門的学校です。
60年以上前にトヨタが自社にデザイン部門を作った際にも、「アートセンター・カレッジ・オブ・デザイン」がトヨタに指導をしており、その後は日本の自動車メーカーの多くは自社のカーデザイナーを同校に留学させることになります。
エンツォ・フェラーリ等をデザインした「奥山清行」や、トヨタ・ハリアーザガート等をデザインした「原田則彦」など、日本人で有名なカーデザイナーも「アートセンター・カレッジ・オブ・デザイン」を卒業していることが多く、カーデザイナーにとって非常に重要な教育機関であると言えます。
一口にクルマのデザインと言っても、様々あるようですが、車のデザインの花形といえば、エクステリアでしょう。
クルマを目にしたときにまず初めに見えるのはエクステリアです。
魅力的なエクステリアと言えば、スポーツタイプの高級車などが連想されますが、そういったクルマは「フェラーリ」や「ランボルギーニ」など、海外の自動車メーカーが強い分野です。
しかしそんな海外の自動車メーカーであっても、日本人のカーデザイナーが起用され、活躍した例があります。
カーデザイナー「奥山清行」は、フェラーリ創業者の名前を冠し、創業55周年の記念モデル「エンツォ・フェラーリ」のデザインを手がけ、「イタリア人以外で初めてフェラーリをデザインした」ということで話題になりました。
奥山氏はゼネラル・モーターズのチーフデザイナーや、ポルシェのシニアデザイナーを経て、イタリア最大の自動車デザイン会社「ピニンファリーナ」に入社し、同社で日本人初のチーフデザイナーとなり、ピニンファリーナで「フェラーリ・エンツォフェラーリ」「マセラティ・クアトロポルテ」などのデザインを手がけます。
エンツォ・フェラーリのデザインには逸話がありますのでそちらを紹介します。
エンツォ・フェラーリはフェラーリにとって重大なプロジェクトでした。
スポーツカーということでそのデザインは最重要項目であり、デザインを委託されたピニンファリーナも多数の一流デザイナーを集めました。
そして練りに練ったデザインをフェラーリの会長にプレゼンしますが、そのデザインを見た途端に「ああ、もうダメだ」と却下されてしまいます。
満足のいくデザインではなかったためフェラーリの会長はその場を去ろうとしますが、ピニンファリーナの社長は15分だけフェラーリ会長を足止めし、その間に新たなデザインを描き上げるよう奥山氏に命じます。
突然の無茶振りですが、奥山氏はなんとその短時間の間に新しいデザインを仕上げ、さらにそのデザインがフェラーリ会長に認められ、採用されることとなったのです。
しかし、これは15分の短い間にゼロからデザインを作り上げたわけではなく、奥山氏が独自にあたためていたデザインだったそうです。
一流デザイナーのチームで作り上げたデザインは、大きなプロジェクトだったということもあり、保守的で悪くいえばつまらないデザインだと考えて、奥山氏はそのデザインが却下された時のために、自分が納得できるデザインを考案し、途中まで描きかけていました。
そしてその15分の間に完成させ、フェラーリの会長に見せると、「なんだ出来ているじゃないか。来週見に来るからクルマのモデルを作って仕上げといてね。」と言われ、正式に動き出すことになります。
必要になるかどうかもわからないデザインを独自に準備し、それもたった15分というチャンスを掴んだ「奥山清行」は「Ken Okuyama」として世界的に有名になります。
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