2017/07/04
車を運転していると、ドライバー同士のコミュニケーションが必要になる場面が多くありますが、どちらかの車の窓が閉まっていれば声は届き辛く、身振り手振りで伝えるのは見えづらい(特に夜間)という問題もあります。 そのため、道路交通法で定められていないものの一般的に広まった、言わば暗黙の了解的なルールがいくつかあります。 公式的なルールではないので教習所で教わることはないため、初心者ドライバーにとってはよくわからない場面もあるかもしれません。 このコラムではそれらをいくつか紹介していきます。
ハザードランプは基本的に事故や故障などが原因でやむを得ず緊急停止する際に使うもの(何らかの原因で急に速度を落とす事になることを後続車に伝えるのが目的です)ですが、それ以外にも路上で使われるケースがあります。
●感謝の意思を伝えるため
車線合流など、道を譲ってもらった際に1~2秒ハザードランプを点灯させる事は、後続車に対して「ありがとう」と感謝の意思があることを伝えるサインとして一般的に知られており、「サンキューハザード」と呼びます。
ただし、無茶な割り込みをして後続車に迷惑をかけておきながらサンキューハザードで誤魔化すような強引なドライバーも中にはいます。
合流など車線変更の際は無理をせず、別車線の後続車が速度を落として譲ってくれる意思があることを確認してから車線変更をして、サンキューハザードをすると良いでしょう。
なお、サンキューハザードは日本独自の文化ですので、海外で運転する機会があったとしてもサンキューハザードはやめておきましょう。
感謝の意思が伝わらないだけでなく、相手のドライバーを混乱させてしまう恐れがあります。
●駐車する意思を伝えるため
商業施設などで駐車する際に、この場所に駐車するという意思表明のためにハザードランプを点灯する場合があります。
駐車する意思を確認した後続車は、先行車が駐車するためのスペースを開けてやれば、スムーズに駐車することができます。
●渋滞・事故を後続車に知らせるため
高速道路では通常、80~100km/h程度の速度で車が走っていますが、それだけの速度を出しているとブレーキをかけてもすぐには停止しません。渋滞や事故などの発見が少しでも遅れてしまうと、重大な事故に繋がってしまいます。
また、急ブレーキで止まることになれば、後続車との追突の可能性もあり、非常に危険です。
早めに速度を落とすことができれば安全ですので、渋滞を確認したらハザードランプを点灯させながら減速をしましょう。
そうすれば後続車にも渋滞のことが即座に伝わり、安全に速度を落とすことができます。
高速道路の渋滞時にハザードランプを点灯させることは道路交通法に定められてはおりませんが、各高速道路会社は推奨しています。
渋滞による玉突き事故は珍しいものではありませんので、渋滞時のハザードランプは非常に重要であると言えます。
●極端に視界が悪い時に車の位置を知らせるため
吹雪や濃霧など、極端に視界が悪くなっている時は、接触する直前まで周囲に車があることに気付かないことがあります。
そういった場合にヘッドライトを点灯させるのはもちろん必須ですが、後続車から自分の車が見えないため、それだけでは不十分です。
極端な悪天候の際にはフォグランプ(及びリアフォグランプ)を使用することが推奨されますが、フォグランプの装備は義務付けられていないため、装備されていない車も多いです。
どんな車でもハザードランプは付いているため、フォグランプの代わりにハザードランプを自分の車の位置を知らせる手段として用いる事ができます。
ただし、あくまで緊急時の補助的なものですので、過信は禁物です。
視界が極端に悪い悪天候の際は、可能な限り外出しないようにし、そういった天候になりやすい地域で運転する機会が多いのであれば、フォグランプを装備しておきましょう。
ヘッドライトの点灯・消灯を繰り返したり、ハイビーム・ロービームを切り替える事でライトをピカピカとさせることを、パッシングと呼びますが、これもドライバーの意思を伝えるための手段として用いられています。
●感謝の意思を伝えるため
パッシングは、ハザードランプと同じように感謝の意思を伝えるためにも用いられます。
サンキューハザードは後続車に感謝するときに使うのに対し、パッシングは対向車に感謝する際に使います。
道を譲って貰った時などに短いパッシングを一回すると良いでしょう。
ただ、サンキューハザードの時(身振り手振りでは後続車相手には見えない)と違って、対向車であれば手を挙げて感謝の意思を伝えることも一般的ですので、パッシングにこだわる必要はありません。
●進路を譲る意思を伝えるため
交差点などで止まりつつ対向車に対してパッシングを行う場合は、「お先にどうぞ」という意味になります。
対向車線で右折待ちで渋滞が発生してしまっている場合などで、道を譲る際にはパッシングで意思を伝えると良いでしょう。
●道を譲って欲しいときに
後続車が先行車に対してパッシングをした場合は「もっと早く走れ」あるいは「道を譲れ」という意味です。
後ろから煽ってくるドライバーは車間距離を詰めてくる傾向があり、追突される危険性があるため、右車線(追い越し車線)を走行している場合は、一度左車線(走行車線)に移動して、道を譲る方が良いでしょう。
片側1車線の場合は道を譲るのが難しい事も多く、制限速度付近で走行していても煽ってくる場合は無視してしまうしかないでしょう。
相手が望む速度まで加速すれば煽られることはなくなりますが、速度超過になってしまいますし、無理な速度で走行するのは危険です。
●注意喚起のために
対向車に対して何らかの注意喚起をする際にもパッシングが利用されます。
注意喚起としてのパッシングの使用例は、
・ヘッドライトの付け忘れ・消し忘れの警告
・対向車が走っているのにハイビームのままになっている事の警告
・道路に野生動物が居たり、落石や事故などで通れなくなっている場合など、「この先注意せよ」という警告
などがあります。
もしも対向車にすれ違いざまにパッシングをされた場合は、ヘッドライトの使い方に問題がないか確認したり、その先で何かあるかも知れないと減速して注意しながら走行するようにしましょう。
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