2016/06/13
日本の車検制度は1930年にバスやタクシーなどの安全性を確保する目的として始まりました。そして、1951年には一般の車の安全性を確保する目的として「車検制度」が定められたのです。これは、戦後の車の所有率が上がったことと深く関係しています。その後の1955年には車の所有率の増加と供に増えた交通事故から被害者を守る為に「自動車損害賠償保障法」が定められ、車検時の自賠責保険の加入が義務付けられることとなりました。1973年には軽自動車の車検が義務付けられることになり、この時点で実質すべての車に車検が必要となりました。
車検制度の目的は、国民が安心して車を運転できる環境を作るということです。車検が義務付けられていなければ、故障している危険な車が走っていることが日常茶飯事になってしまいます。しかし、車検に通ったからと言って、その車が絶対に安全であるわけではありません。車検後であっても定期的な点検は必ず必要です。
日本においては車検を受けていない車を公道で運転すると「無車検車運行」となり、6ヶ月以下の懲役、又は30万円以下の罰金となります。さらには、自賠責保険、いわゆる強制保険も切れているということになるはずなので、1年以下の懲役、又は50万円以下の罰金にも処されることになります。無車検車運行が違反点数6点で、無保険運行も違反点数6点なので合わせて12点減点ということになります。6点減点では、免停30日、12点減点では免停90日となります。こうしてみてみると車検を通していない車を運転すると様々な罰則に処されることになります。また、車検が切れた状態の車を運転中に事故を起こした場合、自動車保険が全く補償されないため、かなりのリスクがあることは言うまでもありません。
日本には厳しい車検制度が存在しますが、海外にも日本と同じような車検制度はあるのでしょうか。車検制度のない国として代表的なのがアメリカですが、州によっては車検制度が存在します。車検制度のない州では整備不良によって起きた故障や事故は、高い罰金が設けられています。こういったことから普段からメンテナンスを欠かさない人が多いようです。また、車検が義務付けられている州、例としてニューヨーク州であれば車検は1年ごとに義務付けられていますが、車検費用が2,000円程度と、金銭的負担はとても低いものになっています。
イギリスは新車を購入した場合、3年間は車検の必要が無く、それ以降は1年ごとの車検が必要になります。ガソリンスタンドが車検の代行を行ってくれ、費用としては約5,000円です。韓国、ドイツは日本の車検と似ており、新車購入後は3年間車検を受ける必要がありません。その後は2年ごとに車検を通します。ドイツの車検の費用は約3,000円で、韓国の費用は約3,500円です。イタリアでは、購入してから10年間は車検が不要なため、普段からきちんと整備をしていないとかなり危険な気がしますね。
また、車検制度がない国としては、上記でも書いたアメリカの一部の州や、インド、中国、マレーシアなどが挙げられます。東南アジアなどでは、車の普及率が上がっていても、法制度がまだまだ追いついておらず、車検制度が取り入れられていない国が多く見受けられます。
世界の車検制度を見てきて気付いたことは、日本の車検費用がとても高額だということです。日本の車検費用は、自身で車検を通した場合だと、自賠責保険料と重量税と印紙代が必ず必要になり、たとえ軽自動車で計算しても大体3万円かかってきます。もし、ユーザー車検を代行業者に頼んだ場合だと、5万円程になります。この金額は全く問題なく車検に通った場合の金額ですので、交換が必要な箇所などが出てくれば、軽く10万円を超えることもあります。
日本の車検制度は厳しいように見えますが、それは車を乗る人々が安心安全に運転することを目的としています。車検切れの車には絶対に乗ってはいけません。もし車検切れの車があるのであれば、手放すか、車検に出しましょう!!
SSL暗号化通信
当サイトではプライバシー保護のため、「SSL暗号化通信」を実現しています。お客様の情報が一般に公開されることは一切ございませんので、ご安心ください。
✕
メーカーを選択してください必須
国産車
輸入車
車種を選択してください必須
年式を選択してください
走行距離を選択してください