2016/09/26
OEMは「Original Equipment Manufacturer」の略で、他社ブランドの製品を製造すること、またはそういった製品を製造する企業のことをいいます。家電メーカーや自動車メーカーなどではよくある事業形態です。
自動車の場合、メーカーのエンブレムを付け替えて、それ以外の外装・内装・性能などはほぼ全て同じ車を、車種名を変えて複数の自動車メーカーから販売されている場合が多い(中にはエンブレム以外にも差異を設ける場合もあります)です。エンブレム・車名・ブランド名などの「バッジ」を変えて販売することから、「バッジエンジニアリング」や「リバッジ」と言われることもあります。
日本の自動車メーカーの場合は、軽自動車のOEMが活発です。
最近の車は骨組みとなるシャーシ・プラットフォーム(基本構成部品をまとめた呼び方)は複数の車種で共通化されており、普通車とサイズが異なるためにプラットフォーム等を共通化できない軽自動車は、トヨタのように普通車をメインで製造しているメーカーからすれば製造コストが高くなってしまいますので、軽自動車に力を入れているメーカーからOEM供給を受けることが多いようです。
スズキはマツダ&日産に、ダイハツはトヨタ&スバルに、三菱は日産にOEM供給を行っています。
トヨタ・日産・スバルの3社は軽自動車は現在全く製造しておらず、全てOEMの車です。
また、現在ホンダはOEMを全くしておらず、全ての車種において自社のみで製造・販売しています。
OEMの具体例をいくつかあげると、
●トヨタ・ピクシススペースはダイハツ・ムーブコンテのOEMモデル
●マツダ・フレアはスズキ・ワゴンRのOEMモデル
●日産・オッティは三菱・eKワゴンのOEMモデル
などがあります。
ユーザーにとってのOEMのメリットは、特定メーカーのファンの場合にそのメーカーのラインナップが増えることや、車を購入する際の相見積もりで比較対象にできることです。
例えば、トヨタのファンの人はOEMがあるおかげで、トヨタが製造していない「トヨタの軽自動車」を購入することができます。
車を購入する時、別のメーカーの販売店にほとんど同じ仕様の車があることで、価格が比較しやすくなるので、値引き交渉を進めやすくなるでしょう。
ユーザーにとってのOEMのデメリットは、特にありません。
OEMを委託するメーカー(OEM車を販売するメーカー)にとってのメリットは、費用やリスクを抑えつつ、商品ラインナップと、供給台数を増やすことができる所です。
自社の製造ラインに影響がないため、製品の販売が好調な時に供給が足りなくなって機会損失することが減ります。
市場が衰退する時期になっても、自社生産をやめて低コスト・低リスクなOEMのみで販売するという選択肢があります。
OEMを委託するメーカーにとってのデメリットは、自社開発でないために収益性が高くないことや、自社の技術力が脆弱化したり、OEM受託企業が将来的に競合になる可能性があることなどです。
ただし、トヨタがダイハツを完全子会社化したように、受託企業が競合になる可能性を摘むこともできるので、基本的にはメリットの方が大きいと言えます。
OEMを受託するメーカー(OEM車を製造するメーカー)にとってのメリットは、販売網やブランド力の弱さを委託先のメーカーにカバーしてもらえることや、自社生産だけでは余ってしまう生産ラインを有効活用できることです。
OEMを受託するメーカーにとってのデメリットは、販売は他社が担当するので自社ブランドの浸透が進まないことや、委託企業との力関係次第で価格を安く設定されて収益率が下がってしまいがちなことや、委託企業に自社の技術が流出してしまうリスクがあることなどです。
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