2016/12/09
エアバッグは事故の際に袋を急速に膨らませて乗員が受ける衝撃を緩和する目的で装備されています。 エアバッグに乗員がぶつかるとエアバッグに開けられた噴出口から中の気体が出るので、衝突のエネルギーがガスの運動エネルギーに置き換わり、乗員のダメージを減らすことができます。 設置義務化された3点式シートベルトとは違い、エアバッグの設置は義務ではないものの、最近では運転席(ハンドルに設置)・助手席(ダッシュボード上部)のエアバッグはほぼ全車種において標準装備になっています。 それだけ安全のために重要な装置であるということでしょう。
エアバッグは、自動車が追突した事を加速度センサーで感知し、電子制御装置に送られた加速度の情報から、エアバッグを作動させるか作動させないかを判断します。 エアバッグを作動させることになった場合、火薬を爆発させることでガスを発生させて、袋を一瞬(0.01秒)で膨らませます。 袋が膨らむ力でハンドルの中央部やダッシュボード上部などのエアバッグを格納している部分が押し上げられ、エアバッグが完全に展開し、乗員を保護する、というのが大まかな流れです。 エアバッグは衝突から0.02~0.04秒という僅かな時間で完全に展開することができますので、乗員が前のめりになる頃にはエアバッグが効果を発揮できるのです。
一般的なデュアルエアバッグ(ハンドル中央部・ダッシュボード上部の2箇所)の場合で、10~30万円の部品代とさらに工賃が別途必要になります。 エアバッグの交換は、袋や充填されたガスの交換だけではなく、エアバッグを制御しているコンピューターも交換しなければならないため、かなり高い費用がかかってしまうのです。 部品代で費用に幅があるのは、年式や車種によってエアバッグの製品・価格が異なるためです。 かなり古い年式や、外車などは更に費用が高くなりますし、サイドエアバッグやカーテンエアバッグなども搭載している(かつ作動した)場合、最大で80万円程度まで交換費用がかかることもあります。 これはエアバッグの交換費用のみの話ですが、エアバッグが作動するような事故であれば車体にもダメージがある可能性が高く、修理代はさらに膨れ上がります。 そのような場合は、修理せずにカーネクストで廃車してしまい、車を買い換える方が安上がりになるケースも多いです。
エアバッグは乗員を保護するための装置ですが、適切に使わなければ逆にエアバッグによって怪我をしたり、最悪死亡するケースもあります。 エアバッグによる被害は、そのほとんどはシートベルトを着用していないことに起因します。 エアバッグの正式名称は「SRSエアバッグ」といい、SRSはSupplemental Restraint Systemの略で、「補助拘束装置」という意味を持ちます。 あくまでエアバッグはシートベルトの「補助」であり、シートベルトを適切に着用していることを前提に設計されているのです。 乗員がハンドルやダッシュボードに強打しないようにするため、エアバッグは瞬時に膨らみますが、短時間でエアバッグを展開するために非常に強い圧力で膨らませます。 シートベルトを着用していない場合は、衝突時の勢いが衰えないため大きく前のめりになってエアバッグを格納している所に近付いた状態でエアバッグが展開することになってしまい、大きな被害を受けてしまいます。 シートベルトは身長140cm以上の体格を基準に設計されているため、まだ身長の低い子供がジュニアシートをせずに座席のシートベルトを付けている場合も非常に危険です。 シートベルトでちゃんと身体を固定できないので、エアバッグで強打してしまいます。 チャイルドシート(特に後ろ向きに設置するタイプ)も助手席に設置してしまうと、エアバッグによってチャイルドシートに大きな衝撃が加わってしまいますので、チャイルドシートは必ず後部座席に設置しましょう。エアバッグの有無によらず、後部座席の方が事故の際の生存率は高いので、なおさら後部座席の方が良いです。 車によっては、チャイルドシート設置のために任意でエアバッグを作動しなくすることができますので、どうしても助手席に設置する必要がある場合は、エアバッグが作動しないようにしましょう。
基本的にエアバッグで標準装備されているのは、運転席向けのハンドル中央部と助手席向けのダッシュボード上部だけです。 前方または後方からの衝突の際には機能しますが、横から追突されたときにはあまり意味がありません。 横から追突された時の安全性を確保するために、サイドエアバッグやカーテンエアバッグが開発されました。 事故時に死亡・重傷になるのは、頭部や頸部の怪我によるものがほとんどで、側面衝突の際に頭部などをまもってくれるサイドエアバッグ・カーテンエアバッグは有用です。 最近海外の車では標準装備になることも増えてきていますが、日本ではまだメーカーオプションに設定されていることが多いです。 安全性は最も優先されるべき項目ですので、日本もサイドエアバッグ・カーテンエアバッグを標準装備として欲しいですね。
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