2016/12/16
ドリフトとは、意図的に車を滑らせて、スピンさせずにコントロールする技術のことです。 英語で「漂う」の意味を持つ「drift」が名前の由来で、ドリフト走行とも呼ばれます。 元々はダート競技など、低μ路(摩擦係数が低く、滑りやすい路面のこと)でスピンしないようにコントロールする技術でした。 しかし、派手な動きで迫力があるため、舗装路面でもドリフト走行する技術が発達しました。 公道でのドリフト走行は非常に危険を伴いますので、もしドリフト走行をしたいのであればドリフト走行を許可しているサーキットでやりましょう。 ドリフトそのものを禁止する法律はありませんが、ドリフトをすることにより、「制限速度超過」「中央線をはみ出して走行」「緊急性がない状況での急ブレーキ」「騒音を発生」などの違反行為に該当する可能性が高く、他者に危害を及ぼした場合は「安全運転義務違反(安全操作義務および安全確認義務の違反)」となります。その他にも道路の白線を消したとして「器物損壊罪」に問われたケースもあります。
ドリフトには様々な種類がありますのでいくつか紹介します。 ●慣性ドリフト …限界までスピードを落とさずにコーナーに入り、アクセルを離して車体後方を滑らせることでドリフトする方法です。 ●ブレーキングドリフト …ブレーキによって前方に荷重移動させ、車体後方の荷重が小さくなって滑りやすくなっている時にステアリング操作することで、車体後方を滑らせてドリフトする方法です。 ●パワードリフト …後輪駆動車などで、速度が十分な状態でコーナーに進入し、ステアリング操作時にアクセルを急激に踏んで後輪を空回りさせてドリフトをする方法です。 ●フェイントモーション(ラリークイック) …コーナーに入る際、曲がる方向とは逆向きにステアリングを一度切り、曲がる方向に切り直すと、サスペンションが戻る力と遠心力により車体後方を外側に滑らせることでドリフトする方法で、ラリーで多用されるため「ラリークイック」とも呼ばれています。 ●サイドブレーキドリフト …コーナーで一瞬だけサイドブレーキをかけ、後輪をロックさせることで後輪を滑らせてドリフトする方法です。 ●シフトロック …FR車で、旋回中にシフトダウンして、エンジン回転数を上げずにクラッチを戻して、後輪で強いエンジンブレーキを発生させることで車体を滑らせるドリフトです。
●ドリフトのメリット ・車体の向きをコーナーの脱出方向に向けることができ、アクセルを素早く踏むことができ、脱出速度が上がります。 ・その車の(スピンするまでの)限界を知ることができ、万が一スピンしてしまったとしてもある程度はコントロール可能になります。 ・ダートコースではタイムアタックに非常に有効な方法です。 ●ドリフトのデメリット ・公道ですると、周囲のドライバー等に対して迷惑をかける非常に危険な行為です。 ・スピンや横転など、大事故の原因になる可能性があります。 ・スキールと呼ばれる騒音となる摩擦音が発生します。 ・スリップしているので確実にパワーロスが発生しています。 ・車体が横向きのまま進むため、ウイングなどのエアロパーツはダウンフォースを発揮できません。 ・タイヤ・ドライブシャフトなど車の各部品の消耗が激しくなります。
ドリフト走行はレースドライバー「土屋圭市」の影響などもありましたが、人気走り屋漫画の「頭文字(イニシャル)D」の連載開始から「ドリフト」に対する憧れなどが一気に広まり、「ドリフト族」と呼ばれるような社会現象に発展しました。 公道で危険な運転をするため、周辺住民は事故に巻き込まれる危険性が増え、夜中の走行が多いため、騒音にも悩まされるようになりました。 また、操作ミスにより道路に近い民家や店、普通に走行している一般車両、ガードレール等に追突する事故が大幅に増加しました。 そういった危険性があることから、警察が一斉検問を実施したり、ドリフトが出来ないよう道路を加工するなどして、公道によるドリフト走行をやめさせる動きが活発になりました。 しかしサーキットであれば安全にドリフト走行をすることもできるため、ドリフトが出来るサーキットが登場しました。 その後、ドリフト走行の技術で有名で「ドリキン(=ドリフトキングの略)」と呼ばれたレーシングドライバー「土屋圭市」が引退後に、全日本プロドリフト選手権(D1グランプリ)を2001年に設立し、競技化するまでに至りました。 こうしたドリフト文化は日本特有のものでしたが、近年はアメリカをはじめとして海外からも注目を集めており、2004年にはアメリカにおいて「フォーミュラD(ドリフト)」というカテゴリーのモータースポーツが登場しました。 他にも土屋圭市が「ドリフトマッスル」を設立しましたが、これらドリフト走行の競技は、単純に速さ(タイム)のみを競い合う他のモータースポーツとは違い、ドリフト走行中の姿勢・美しさを競う採点競技であるところが最大の特徴です。 通常のモータースポーツを競泳やスピードスケートとするなら、ドリフト競技はシンクロナイズドスイミングやフィギュアスケートのような位置づけとなります。 迫力ある動きに魅せられてドリフトに憧れる人は多いですが、周囲の人を巻き込む可能性があり非常に危険ですので、くれぐれも公道ではドリフト走行をしないようにしましょう。
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