2015/10/30
そもそも、「ハイオク」という言葉は何のことかご存知でしょうか。これは、「ハイ・オクタン価」、つまり「オクタン価の高いガソリン」という意味です。オクタン価とは、ガソリンの燃えにくさを示す尺度のことです。ガソリンは、エンジンの内部で空気と混合し、燃焼(爆発)することでエネルギーを生み出しますが、燃焼してほしいタイミングで適切に燃焼してくれないと、エンジンの故障やエネルギー効率の低下を招いてしまいます。特に、エンジン内部は燃焼によって高温になりますから、「ノッキング」と呼ばれる異常燃焼が発生しやすい状態となっています。そこで、ガソリンには不適切なタイミングで勝手に燃焼を開始しないような「アンチノック性能」が必要となります。そこで、アンチノック性能を高めたガソリンとして「ハイオク」が開発され、普及しています。ガソリンスタンドで表示されているオクタン価は、レギュラーの場合でおおむね90~95、ハイオクの場合で96~100となっています。この数値は、ガソリンの成分に含まれているアンチノック性能の高いイソオクタンと、アンチノックの性能の低いノルマルヘプタンの両者を含有した、テスト用混合物の割合で示されます。テスト用混合物と製品となるガソリンとを比較し、両者のアンチノック性能がほぼ合致したテスト用混合物の示す割合を、その製品のオクタン価とみなします。
一般的な考えとしては、「燃えやすいガソリン=よく燃えるから性能が高い」と思われがちですが、エンジンは吸気、圧縮、点火、排気といった様々な工程を経て作動しており、適切なタイミングで燃焼しないガソリンを使用すると性能の低下を招きます。特に、スポーツカーや高級車のようにハイオク指定となっている車種の場合は、必ずハイオクを入れるようにしましょう。ハイオク指定車でも「ノッキングセンサー」と呼ばれる異常燃焼を検知して点火時期を調整する装置を搭載することにより、ノッキングを回避できるようになっていますが、出力の低下を招くなどの短所もあり、メーカーが想定している走行性能を実現できないことになります。そのため、ハイオク指定車には、安いからといってレギュラーガソリンを入れないほうが賢明です。 一方、レギュラー指定車にハイオクを入れることについては、特に問題となる可能性は低いです。むしろ、一般ドライバーの声として、「アクセルレスポンスが少しよくなった」「燃費がよくなった」といった意見も聞かれます。ただ、これらは実測値に基づく客観的なデータのみならず、主観的なものも含まれますし、そもそもレギュラーガソリンに比べてハイオクガソリンは、小売価格がリッターあたり10円程度高く設定されており、もし仮にハイオクのほうが走行性能が若干向上するとしても、その価格差に見合った効果と言えるかどうかは微妙です。そのあたりをよく勘案して、使用するガソリンを選択するようにしましょう。
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