2015/11/06
路上や交差点などでカチカチとカウンターを弾いている人々は、「交通量調査」と呼ばれる業務をしています。交通量調査とは、実際に道路を走っている自動車の台数や、交差点を渡る歩行者や自転車の台数をカウントするものです。業務発注の大元は、たいていの場合は道路を管理する自治体や道路管理者などの行政機関です。正確な交通量を把握することにより、バイパスなどの道路計画や都市計画などに活用されます。
交通量調査の仕事では、主に手動式のカウンターが用いられます。これを調査員の膝の上、あるいは別のイスの上に設置してカウントしていきます。単に自動車をひとくくりにして数える場合もありますし、種別(乗用車、商用車、トラック、バス、軽自動車、オートバイなど)ごとの台数をカウントする場合もあります。また、交差点の調査では、東方面から北方面への右折、西方面への直進、南方面への左折といった具合に、複数の方向を細かく記録する場合もあります。但し、交通量の多い地点で複数の方向や自動車の種別を1人でカウントしようとすると、カウント漏れや打ち間違いが多くなってしまいます。そのため、現場の混雑状況によっては、複数の調査員を配置し、右折はAさん、直進はBさんといった具合に分担する場合もあります。
カウントした数値は、その日の作業終了まで放置しておくという現場は稀です。たいていの場合、1時間ごと、あるいは10分ごとに数値を用紙に転記していきます。これは、調査員の居眠りを防ぐとともに、複数の調査員が交代して作業を継続する場合に、責任の所在を明確にしやすいためです。雨天の際には、用紙が濡れないように配慮しますが、突然の大雨のときや冬期には、転記作業が非常にしづらいときもあります。
交通量調査は「座っているだけの気楽な仕事」と思っている人もいるかもしれませんが、実は相当な激務です。現場にもよりますが、12時間制の現場の場合は早朝から夕方まで、24時間制の現場の場合は早朝から翌朝まで、2~3人で交代しながらカウントを続けます。実際には、1時間半~3時間の業務のあと、1時間程度の休憩をはさみ、再び業務に就くというローテーションが一般的です。夏は酷暑と闘い、冬は足元から忍び寄る寒さに震える仕事です。業務は不定期で、年度の後半(秋・冬)に多くなる傾向があります。時給換算すると、その地区の最低賃金~1000円程度の単発案件が大半です。早朝から始まる現場の場合は、前夜23時頃に指定された駅に集合してワンボックスカーに相乗りし、現地に到着するまでの間に仮眠(その間は無給)することも一般的です。交通量調査員を路上で見かけたら、心の中で「ご苦労さま」とねぎらってあげてほしいものです。
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