自転車事故と厳罰化した道路交通法
現在、日本における交通事故のうち、約2割は自転車による事故です。 意外と自転車事故の件数も多いですが、自動車程でないにせよかなりのスピードを出せてしまうため、歩行者との対人事故になった場合は後遺障害や、最悪の場合は死亡する事故も起きてしまっています。
そのため、2013年の道路交通法改正により、自転車の罰則が強化されました。代表的な自転車の違反と、その罰則をまとめました。
5年以下の懲役または100万円以下の罰金
・酒酔い運転
・麻薬等運転
1年以下の懲役または10万円以下の罰金
・轢き逃げ
・当て逃げ
・負傷者救護義務違反
6ヶ月以下の懲役または10万円以下の罰金
・速度超過
3ヶ月以下の懲役または5万円以下の罰金
・信号無視
・通行禁止違反
・歩行者用道路における徐行違反
・一時停止違反
・安全運転義務違反
5万円以下の罰金(過失罰あり)
・警音器吹鳴義務違反
・ブレーキなし自転車
5万円以下の罰金(過失罰なし)
・追い付かれた車両の義務違反
・交差点優先車妨害(左方優先違反)
・自転車の検査拒否等
・泥はね運転
2万円以下の罰金または科料
・路側帯の歩行者妨害
・並進違反
・歩道の歩行者妨害等
・警音器使用制限違反
酒酔い運転や、事故後の対応を適切に取らなかった場合などの罰則が非常に重くなっています。
歩行者用道路における徐行違反(歩道を徐行しなかったら違反)・並進違反(2台以上横並びで走行すると違反)・警音器使用制限違反(無闇にベルを鳴らすと違反)など、街中でよく見られるような行為も、罰金がある違反行為ですので、注意しましょう。
自転車事故による高額な賠償金
自転車による交通事故での賠償額はどの程度かご存知ですか? 被害の程度により金額は変わりますが、なんと1億円近くの賠償額になったケースがいくつかあります。
ケース1:9521万円の賠償額(2013年・神戸地裁の判決)
…夜間、小学生5年生の男子児童がマウンテンバイクで67歳の女性に追突し、女性は頭蓋骨を骨折し、意識が戻らない状態になりました。そして、監督義務を怠ったということで、男子児童の保護者に9521万円の賠償命令が下されました。
ケース2:9266万円の賠償額(2008年・東京地裁の判決)
…昼間、男子高校生が車道を斜めに横断し、対向車線で自転車で走行していた24歳男性と正面衝突し、24歳男性は言語機能を喪失する後遺症が残り、男子高校生の保護者に9266万円の賠償命令が下されました。
他にも数百万円~数千万円の判決例はいくつもあります。 このように、個人で返済できる金額を大きく超えてしまっているため、加害者側は自己破産するケースも多いようです。
個人賠償責任補償特約で備えましょう!
自転車による事故は非常に身近なものですので、自分や家族がいつ加害者や被害者になるかはわかりません。 判決例から見ても、賠償額は一般的な個人が支払える額を超えているので、自転車保険等への加入はほぼ必須といえるでしょう。
しかし、単独の自転車保険に加入するのは、他の保険と重複する補償があることや、保険料があまり安くないことから、オススメできません。 では、どうすれば良いのかと言うと、自動車保険や火災保険などにある特約で、「個人賠償責任補償特約」というものを付帯することです。
これは自転車事故に限らず、加入者やその家族が日常生活で他人に怪我をさせたり、物を破壊してしまった時に、その損害に対して保険金が支払われるという特約です。 単独の自転車保険とは違い、「個人賠償責任補償特約」を付帯することで増加する保険料は非常に安く、年間数千円程度です。 月額で算出すれば数百円程度になります。 特約の保険金額は、保険会社により異なりますが、1億円まで補償されるものであれば安心でしょう。
保険会社によっては、特約の名称が少し異なっていたり、「個人賠償責任補償特約」が存在せず、「自転車事故補償特約」といった名称で、補償される事故が自転車に限定されることもあります。 また、補償額や支払い条件なども保険会社・特約によって異なりますので、事前によく確認してから加入しましょう。