人身事故の違反点数は何点から免停?【点数と罰金の一覧表付き】

車のトラブル・メンテナンス

人身事故を起こしてしまったとき、「何点付くのか」「免停になるのか」と不安になる方も多いでしょう。

人身事故を起こしたからといって、必ず免停になるわけではありません。免停になるかどうかは、事故の原因となった交通違反の基礎点数、事故による付加点数、過去の違反や行政処分の状況などをもとに判断されます。

この記事では、人身事故の違反点数の計算方法や免停になる基準、免停にならないケース、免許取消になるケースについて分かりやすく解説します。

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人身事故は何点から免停?違反点数と罰金一覧表

行政処分前歴(以下「前歴」)がない場合、累積点数が6点以上になると、原則として免許停止処分の基準に該当します。ただし、人身事故そのものに一律の点数が決められているわけではありません。

また、累積点数が6点の場合でも、一定の要件を満たして違反者講習を受講すれば、免許停止処分を受けないケースがあります。詳しくは後述します。

人身事故では、事故の原因となった交通違反の「基礎点数」に、被害者のけがの程度などに応じた「付加点数」が加わります。さらに、過去の違反による点数が累積されている場合には、その点数も免停・免許取消の判断に影響します。

人身事故の点数は「基礎点数+付加点数」で計算する

運転免許の点数制度は、持ち点から点数が引かれていく「減点方式」ではなく、交通違反や交通事故の点数を加算していく仕組みです。

人身事故を起こした場合は、基本的に次のように考えます。

人身事故の点数=事故の原因となった違反の基礎点数+交通事故の付加点数

さらに、原則として過去3年間に累積対象となる違反点数があれば、その点数も合わせて行政処分が判断されます。

例えば、安全運転義務違反が事故の原因と判断された場合には、基礎点数として2点が付きます。そこに、被害者のけがの程度と事故についての責任の程度に応じた付加点数が加わります。

したがって、下の表にある2~20点は、人身事故の「合計点数」ではなく、事故によって追加される付加点数です。

交通事故の種別専ら運転者の不注意による場合それ以外の場合
死亡事故20点13点
治療期間3か月以上または後遺障害がある事故13点9点
治療期間30日以上3か月未満9点6点
治療期間15日以上30日未満6点4点
治療期間15日未満3点2点

※負傷者が複数いる場合、治療期間は最も負傷の程度が重い人を基準として判断されます。

出典:警視庁「交通事故の付加点数」

例えば、前歴やほかの累積点数がなく、安全運転義務違反2点に、治療期間15日未満の事故の付加点数3点が加わった場合は合計5点です。このケースでは、ほかに点数がなければ6点に達しないため、原則として免停の基準には達しません。

一方、安全運転義務違反2点に、治療期間15日以上30日未満の事故について6点が加われば合計8点となり、前歴がなければ30日間の免停の基準に該当します。

人身事故でも免停にならないケースはある

人身事故を起こしても、累積点数が免停の基準に達しなければ、免停にならない場合があります。

前歴がなく、累積対象となるほかの違反点数もない人の場合、免停の基準は6点からです。そのため、例えば軽傷事故で合計点数が5点以下に収まれば、原則として免許停止処分の基準には達しません。

ただし、「事故の付加点数が3点だから免停にならない」と単純には判断できません。事故の原因となった信号無視や安全運転義務違反などの基礎点数が別に加わるほか、過去の累積点数や前歴によっても基準が変わるためです。

累積6点でも違反者講習を受ければ免停にならない場合がある

累積点数が6点に達した場合でも、一定の要件を満たす人は「違反者講習」の対象になることがあります。

例えば、3点以下の軽微な違反や交通事故によって累積点数が6点に達した場合などで、過去の行政処分の状況などの要件を満たす人が対象です。

違反者講習の対象者が所定の期間内に講習を受講した場合、免許停止処分は行われず、その6点はその後の行政処分の累積点数に含まれず、前歴としても評価されません。

一方、違反者講習の通知を受けても所定の期間内に受講しなかった場合には、免許停止処分の対象となります。

出典:警視庁「違反者講習」、愛知県警察「運転免許に関すること」

一定期間無事故・無違反なら過去の点数が累積されない場合がある

点数は原則として過去3年間のものが累積されますが、一定期間無事故・無違反だった運転者には、点数計算上の特例があります。

例えば、免許停止期間や免許が失効していた期間などを除き、前の違反から次の違反まで1年以上無事故・無違反・無処分であった場合には、原則としてそれ以前の違反点数は累積されません。

また、2年以上無事故・無違反・無処分だった人が1~3点の軽微な違反をし、その後3か月以上無事故・無違反で経過した場合には、その軽微な違反の点数は累積されません。

ただし、点数そのものが記録から消えるわけではなく、違反歴としては残ります。

出典:警視庁「点数計算の優遇」

免停になる違反点数、免停期間は前歴の回数による

免停になる点数や停止期間は、点数制度上の「前歴」の回数によって異なります。

ここでいう前歴とは、過去に受けた免許停止などの行政処分のうち、現在の行政処分を判断する際に前歴として評価されるものを指します。単に交通違反をした回数や、刑事事件における前歴を意味するものではありません。

原則として過去3年間の前歴が処分基準に影響しますが、停止処分を受けた後、一定期間無事故・無違反で経過した場合などには、過去に行政処分を受けた記録があっても、現在の点数制度上は前歴として評価されないことがあります。

前歴の回数停止30日停止60日停止90日停止120日停止150日停止180日
0回6~8点9~11点12~14点
1回4~5点6~7点8~9点
2回2点3点4点
3回2点3点
4回以上2点3点

出典:警視庁「行政処分基準点数」

前歴がない場合は6点から免停の基準に該当しますが、前歴が1回あれば4点から、2回以上あれば2点から停止処分の対象になる場合があります。

そのため、同じ人身事故で同じ点数が付いたとしても、点数制度上の前歴の回数によって処分が異なる可能性があります。

何点から免許取消になる?

点数がさらに高くなると、免停ではなく免許取消の対象となります。

一般違反行為の場合、前歴がない人は累積15点以上になると免許取消の基準に該当します。

前歴免許取消となる点数の基準
0回15点以上
1回10点以上
2回5点以上
3回以上4点以上

出典:警視庁「行政処分基準点数」

例えば、前歴がない人でも、死亡事故などで事故の原因となった違反の基礎点数と付加点数の合計が15点以上になれば、一度の事故で免許取消の基準に達する可能性があります。

また、酒酔い運転や救護義務違反(ひき逃げ)、危険運転致死傷に該当する行為など、特に悪質・危険な行為は「特定違反行為」とされ、一般違反行為とは別の行政処分基準が設けられています。特定違反行為は点数が高く、前歴がなくても一度の行為で免許取消となることがあります。

免許取消になると、一定の欠格期間は新たに運転免許を取得できません。欠格期間は点数や前歴、過去の取消歴などによって異なります。

人身事故の罰金はいくら?

人身事故の刑事処分については、「全治○日なら罰金○万円」と一律に決まっているわけではありません。

自動車の運転上必要な注意を怠って人を死傷させた場合には、過失運転致死傷罪が成立する可能性があります。法定刑は7年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金です。

実際に起訴されるかどうかや、起訴された場合にどのような刑になるかは、事故の状況、過失の程度、被害の程度、示談の状況など個別の事情によって異なります。

主な罪名法定刑
過失運転致死傷罪7年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金
危険運転致死傷罪(負傷)15年以下の拘禁刑
危険運転致死傷罪(死亡)1年以上の有期拘禁刑

飲酒や著しい高速度など、一定の危険な運転によって人を死傷させた場合には、過失運転致死傷罪ではなく危険運転致死傷罪が成立することがあります。

2026年7月21日に施行された自動車運転死傷処罰法の改正では、危険運転致死傷罪について、飲酒類型や高速度類型に数値基準が設けられたほか、殊更にタイヤを滑らせたり浮かせたりする一定の運転行為も対象に追加されました。

出典:法務省「危険運転致死傷罪(自動車運転死傷処罰法)の法改正 Q&A」

人身事故を起こした人の責任は

人身事故を起こした場合、主に刑事上・行政上・民事上の3つの責任が問題になります。

人身事故を起こした人の責任

刑事処分

刑事処分とは、犯罪が成立した場合に拘禁刑や罰金などの刑罰を科す手続きです。

一般的な交通事故では、事故の状況によって過失運転致死傷罪などが問題になります。事故を起こしたからといって必ず起訴されるわけではなく、不起訴となる場合もあります。

一方、飲酒運転や著しい速度超過など悪質・危険な運転によって人を死傷させた場合には、危険運転致死傷罪など、より重い犯罪が成立する可能性があります。

行政処分

行政処分は、運転免許の停止や取消など、運転資格に関する処分です。刑事処分とは別に行われます。

人身事故では、事故原因となった違反の基礎点数に、被害者のけがの程度などに応じた付加点数が加えられます。その累積点数と前歴によって、免停になるか、免許取消になるかが決まります。

人身事故を起こしただけで必ず免停になるわけではありません。一方、けがが軽くても、過去の累積点数や前歴があれば免停になる可能性があります。

民事上の責任

民事上の責任としては、事故の被害者に対する損害賠償が主なものです。治療費や慰謝料のほか、事故によって仕事を休んだ場合の休業損害、後遺障害が残った場合の逸失利益などが問題になることがあります。

損害賠償については、自賠責保険や任意保険から保険金が支払われる場合があります。ただし、保険の補償範囲や事故の内容によって自己負担が生じることもあります。

特定違反行為と一般違反行為

運転免許の点数制度では、違反行為は大きく「一般違反行為」と「特定違反行為」に分けられています。

信号無視や安全運転義務違反など多くの交通違反は一般違反行為です。一方、酒酔い運転、救護義務違反(ひき逃げ)、危険運転致死傷に該当する行為など、特に悪質・危険な行為は特定違反行為として扱われます。

特定違反行為には非常に高い点数が設定されているため、一度の行為でも免許取消となる可能性があります。

例えば、救護義務違反、いわゆるひき逃げには35点が付されます。人身事故を起こした後に負傷者を救護せず逃げた場合には、事故そのものに関する点数に加えて救護義務違反の点数も問題となり、重い行政処分につながります。

出典:警視庁「点数制度」、警視庁「行政処分基準点数」

人身事故を起こした時の対応

人身事故を起こした場合は、まず負傷者を救護し、必要に応じて救急車を呼びます。二次事故を防ぐための措置を行ったうえで、警察にも事故を報告しなければなりません。

負傷者を救護せずに離れると救護義務違反になる

交通事故によって人が負傷しているにもかかわらず、必要な救護をせずに事故現場から離れた場合には、救護義務違反、いわゆる「ひき逃げ」として扱われる可能性があります。

救護義務違反には35点が付されます。そのため、人身事故に関する点数と合わせて免許取消につながる可能性が高くなります。刑事責任についても、人身事故そのものとは別に問題となります。

事故直後は混乱しやすい状況ですが、負傷者の救護、安全確保、警察への報告を優先して行いましょう。

修理費用は?

事故対応が一段落した後は、損傷した車の修理費用についても確認する必要があります。ディーラーや修理工場などで見積もりを取り、修理して乗り続けるのか、車を手放すのかを検討しましょう。

なお、人身事故を起こした車だからといって、必ず「修復歴車」になるわけではありません。中古車業界でいう修復歴は、車体の骨格部分を修正・交換した経歴があるかどうかなどによって判断されます。

損傷が大きく修理費用が高額になる場合には、修理せずに売却する方法もあります。事故で損傷した車を取り扱っている買取業者もあるため、修理費用と売却価格の両方を確認してから判断するとよいでしょう。

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人身事故を起こした時についてよくあるご質問

人身事故と免停について、よくある疑問を具体例とあわせてまとめました。

Q.軽い人身事故でも免停になる?

A.事故の状況によっては、免停にならないこともあります。

例えば、前歴やほかの累積点数がない人が安全運転義務違反により人身事故を起こし、被害者の治療期間が15日未満だったとします。事故が専ら運転者の不注意によるものと判断された場合、安全運転義務違反の2点と事故の付加点数3点を合わせて5点です。

前歴がない場合の免停基準は原則6点以上なので、この例では免停の基準には達しません。

一方、同じ安全運転義務違反でも、被害者の治療期間が15日以上30日未満で付加点数が6点となれば、合計8点です。前歴がなければ30日間の免停基準に該当します。

Q.人身事故の点数はどうやって計算する?現在の点数はどこで確認できる?

A.基本的には「事故原因となった交通違反の基礎点数+人身事故の付加点数」で考えます。

例えば、安全運転義務違反が原因なら基礎点数は2点です。そこに被害者のけがの程度などに応じた2~20点の付加点数が加わります。

さらに、事故を起こす前に交通違反による累積点数が2点あった場合、新たな事故の点数が5点なら累積7点となり、前歴がなくても免停の基準に該当します。

自分の現在の累積点数を確認したい場合は、自動車安全運転センターが発行する「累積点数等証明書」を申請することで確認できます。

Q.人身事故1回で免許取消になることはある?

A.あります。

例えば、前歴のない人が安全運転義務違反によって事故を起こし、被害者の治療期間が3か月以上となり、事故が専ら運転者の不注意によるものと判断された場合を考えてみます。

安全運転義務違反の2点に事故の付加点数13点が加わると、合計15点です。一般違反行為で前歴がない場合、15点以上は免許取消の基準となるため、一度の人身事故でも免許取消となる可能性があります。

また、酒酔い運転や救護義務違反などの特定違反行為では、さらに重い行政処分となる場合があります。

Q.車同士の事故でも人身事故になる?

A.車同士の事故でも、運転者や同乗者などに死傷者が出れば人身事故になります。

例えば、信号待ちをしている車に後ろから追突し、相手の運転者がむち打ちなどのけがをした場合は、車同士の事故でも人身事故となります。

一方、バンパーなど車両が損傷しただけで死傷者がいない場合は、物損事故として扱われます。

つまり、「車同士の事故かどうか」ではなく、人が死傷したかどうかが人身事故を判断するポイントです。

Q.人身事故を起こすと必ず罰金を払う?

A.必ず罰金になるわけではありません。

例えば、軽微な人身事故を起こした場合でも、事故の状況や過失の程度、被害の程度などによっては不起訴となり、罰金などの刑事罰を受けないことがあります。

一方、自動車の運転上必要な注意を怠って人を死傷させ、過失運転致死傷罪が成立した場合の法定刑は7年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金です。

実際に罰金になるか、どの程度の刑になるかは、けがの程度だけではなく、事故の態様や過失の程度などを踏まえて個別に判断されます。

まとめ

人身事故を起こしたからといって必ず免停になるわけではありません。前歴がない場合は原則6点以上で免停、一般違反行為では15点以上で免許取消の基準に該当します。

ただし、人身事故の点数は事故の付加点数だけで決まるものではありません。事故原因となった交通違反の基礎点数が加わるほか、過去の累積点数や前歴によっても免停・免許取消の基準は変わります。また、累積6点でも一定の要件を満たして違反者講習を受講すれば、免許停止処分を受けないケースがあります。

また、人身事故を起こした際は、負傷者の救護や警察への報告を最優先に行うことが大切です。事故後に車の損傷が大きいことが分かった場合には、修理するだけでなく、損傷した状態のまま売却する方法も含めて検討するとよいでしょう。

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