2017/02/27
日本では一般的に走行距離10万km~20万km程度で廃車されるケースが多いのですが、実は日本は他の国と比較すると廃車まで早い(走行距離が短い)傾向にあります。 日本以外の国(特に公共交通機関が発達していない発展途上国など)では20万kmを超えてもまだまだ現役で使われている所も珍しくありません。 そして、世界には100万マイル(約160万km)を超えた自動車がいくつか存在します。 地球一周(赤道上)が約4万kmですので、100万マイル(約160万km)は地球約40周分という凄まじい距離となります。 東京から大阪まで片道およそ500kmありますが、これを毎日休みなく10年間走り続ければ達成できる距離です。 そんな100万マイル(約160万km)を達成した8台のクルマを紹介します。
「サーブ・900SPG」は、デビュー以来サーブの主力車種であった「サーブ・99」の発展系として登場した車種です。 主な販売先であるアメリカの衝突安全基準に対応するため、「サーブ・99」の全長を拡大しましたが、湾曲したフロントウィンドウや低いサイドシルなどの独自性は「サーブ・99」から維持しています。 走行距離100万マイルを超えた「サーブ・900SPG」は、ピーター・ギルバートさんが所有する1989年登録のクルマです。 ウィスコンシン州で毎日走り続け、100万マイルを超えた時にピーターさんはクラシックカーを展示している自動車博物館に愛車を寄贈しました。 その後ピーターさんは新しいサーブのクルマを購入し、走り続けています。
「シボレー・シルバラード3500HD」はGMが製造・販売をしているフルサイズピックアップトラックで、シボレー・C/Kシリーズの後継車種です。 シボレー・シルバラードはピックアップトラックの中では全米で2位を誇るほどの人気車種で、姉妹車にGMC・シエラがあります。 「シボレー・シルバラード3500HD」で100万マイル以上の走行を達成したのはヒュー・ペニントンさんです。 ヒューさんとその家族はこのクルマでキャンプのために全米を走り回り、100万マイルを達成しました。 積載性が非常に高いため、日常生活に必要なもののほとんどをクルマに詰め込むことができ、ヒューさん一家は自宅に帰ることはあまりなかったそうです。
「BMW・325i」はBMWの主力車種と言えるほどの人気を持つ、小型の高級乗用車です。 同社のライバルの「メルセデスベンツ・Cクラス」と欧州市場で人気を二分しており、年間10万台以上販売されています。 走行距離100万マイルを達成したのは自動車やバイクの潤滑油メーカーである「モービル1」が所有する「BMW・325i」です。 「モービル1」は自社が開発した合成油の性能を確かめる実験用車両として「BMW・325i」を使い続け、100万マイル以上走行させました。 「BMW・325i」を選択したのは、BMWのお膝元であるドイツでの潤滑油シェアを独占するためのマーケティング戦略の一環と考えられます。
「ポルシェ・356」は高級車メーカーとして知られるポルシェの名を初めて冠したクルマです。 高性能でありながら居住性や実用性も同時に追求した、小型スポーツカーの分水嶺と言える重要な自動車でもあります。 100万マイル以上走行した「ポルシェ・356」はガイ・ニューマークさんが所有しています。 ガイさんの「ポルシェ・356」はYouTubeで有名になりましたが、その影響で愛車を盗難されてしまったそうです。 しかししばらくして愛車の「ポルシェ・356」はガイさんの元に帰ってきて、今も走り続けています。
「リンカーン・タウンカー」はフォードが1981年から2011年まで製造・販売していた高級な大型セダンです。 タウンカーの名前は、キャデラックブランドのフラグシップモデルとして販売されていた「ドゥビル(フランス語で都市・街を意味します)」の英訳にあたり、リンカーンブランドのフラグシップモデルになりました。 走行距離100万マイルを超えたのは、チェット・ベリスルさんが所有する「リンカーン・タウンカー」です。 チェットさんがアメリカ国内のいくつかの海岸に係留しているヨットに乗るために、アメリカを横断しているうちに走行距離が100万マイルを超えました。
走行距離が100万マイルを超えるような乗り方は国土が広い国でなければ難しいこともあり、海外メーカーのクルマが多いのですが、日本車は丈夫で信頼性も高く、100万マイルを超えた日本車はもちろん存在します。 「ホンダ・アコード」はホンダが製造・販売している中型乗用車です。 「ホンダ・レジェンド」が販売されていない頃には「ホンダ・アコード」がホンダのフラグシップモデルとして販売されていました。 特に4代目(1989~1994年販売)の「ホンダ・アコード」は日本でこそ販売が振るわなかったものの、アメリカでは3年連続でトップセールスを記録するなど、人気の高い車種でした。 そして、1990年に「ホンダ・アコード」を登録したジョー・ルーシセロさんが、走行距離100万マイルを達成しました。 100万マイルを走りきった後、ジョーさんが住む街に帰ると、盛大なセレモニーが催されており、ジョーさんの顔をプリントした旗を掲げるなど、街全体でジョーさんを祝福しました。 そんな彼の偉業を称えるため、街から新型のホンダ・アコードの新車がプレゼントされました。
「トヨタ・タンドラ」は北米のトヨタが販売するフルサイズピックアップトラックです。 ビッグスリーに配慮して車体サイズや排気量は小さめに作られているため、大きなシェアは獲得できませんでした。 そんな「トヨタ・タンドラ」で走行距離100万マイルを達成したのは、ヴィクター・シェパードさんです。 ヴィクターさんは仕事で、地元のルイジアナ州ホーマからノースダコタ州、ワイオミング州、ヴァージニア州など様々な場所に走り続け、9年で走行距離100万マイルを達成しました。 また、走行距離100万マイルの記念として、トヨタからヴィクターさんに新車の「トヨタ・タンドラ」がプレゼントされたそうです。
「ボルボ・P1800S」は、ボルボが1960年から1974年にかけて生産したスポーツカーです。 車種名の「S」は「スポーツ」ではなく、「スウェーデン製」を意味します。 走行距離が100万マイルを超えた「ボルボ・P1800S」を所有するのはイルヴ・ゴードンさんです。 走行距離が100万マイルを超えた際に、ボルボから新車の「ボルボ・780」をプレゼントされたようですが、家族旅行などで72万kmほど走った後、売却したそうです。 「ボルボ・780」を売却した後は、愛着があり乗り慣れた「ボルボ・P1800S」でまた走り続け、その走行距離は100万マイルでは留らず、2013年時点で300万マイル(約480万㎞)を超えており、乗用車の走行距離のギネス記録となっています。 イルヴさんが長期間・長距離の走行でもクルマに乗り続けられる秘訣を尋ねられたところ、「日常メンテナンスをしっかりと行うこと」「消耗品は定期的に交換し、壊れた部品はすぐに交換すること」「ディーラーのマニュアルではなく、実際にクルマを作り整備している工場のマニュアルに従うこと」「他人には運転させないこと」といった回答があったそうです。
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