2017/05/26
特徴的なフロントグリルと言えば一番わかりやすいのはBMWの「キドニーグリル」ではないでしょうか。 2つ横並びになったフロントグリルが腎臓(=キドニー)のように見えることからその名が付きました。 車種によってはグリルが縦長だったり横長だったりしますが、一目見ればBMWの車であると認識することができる秀逸なデザインです。 歴史は非常に長く、1933年のBMW 303から何十年にも渡って採用され続けている、伝統的なデザインです。
「シングルフレームグリル」縦長のシンプルなデザインのフロントグリルで、アウディが2000年代から採用しており、当初は底辺が長い台形のような形でしたが、現在は下側が伸びた六角形の形状になっています。 「シングルフレームグリル」のデザインの源流は初代ヤリス(=トヨタ・ヴィッツの海外での車種名)のフロントグリルではないかという説があります。 「ソティリス・コヴォス」というギリシャ人デザイナーが初代ヤリスのデザインをしましたが、確かに縦長のグリルを上下に二分割したようなデザインになっており、上下に別れたグリルをつなげてしまえば、初期のシングルフレームグリルの出来上がりです。 「ソティリス・コヴォス」は初代ヤリスのデザイン後、アウディに引き抜かれ、「シングルフレームグリル」を完成させます。
「ワッペングリル」は2005年からフォルクスワーゲン(VW)が採用していたフロントグリルです。 特徴としては上下に別れた縦長のグリル…ということで、「ワッペングリル」も初代ヤリスのデザインの影響を受けているように見受けられます。 しかし、「ワッペングリル」は「VW・ゴルフⅥ」から廃止されることになります。 実は「ソティリス・コヴォス」は2007年にアウディを出て、VWのデザイン部門最高責任者になっています。 アウディはVW傘下の企業であり、アウディ「シングルフレームグリル」とVW「ワッペングリル」という各社のフロントグリルは似たデザインであり、「ソティリス・コヴォス」はデザインの住み分けに悩んでいたと思われます。そのため、「アウディとの差別化が必要でVW側のデザインをリセットするため、ワッペングリルを廃止したのではないか」という説があります。
レクサスが2012年の「レクサスGS」から採用しているのが「スピンドルグリル」です。 スピンドルグリルは「軸」を意味し、元々は「紡錘(紡績機の糸を巻き取る軸)」の事を指しました。 紡錘のように見える形のため、スピンドルグリルと呼ばれています。 スピンドルグリルを採用した理由として、レクサス=トヨタのルーツである「豊田自動織機」が関連しているのではないかという噂もありましたが、レクサスデザイン部の幹部のインタビューで否定されています。 多くの空気をグリル下部から取り込むため、下側の台形が発展し、あのような形になったそうです。
マツダ車の多くが採用しているのが、「ファイブポイントグリル」です。 その名の通り、5つの頂点を持つ形状(五角形)のフロントグリルになっており、現在はマツダの特徴になっています。 レクサスの「スピンドルグリル」という例外もありますが、日本の自動車メーカーはあまりフロントグリルを固定化しない傾向にあります。 トヨタの1ブランドであるレクサスのみで「スピンドルグリル」を採用しているのとは違い、マツダはほとんどの車種に「ファイブポイントスター」を採用しており、「どの車も似たような印象だ」という意見もありますが、一目見てマツダ車と分かるため、最近ではマツダのアイデンティティとして受け入れられてきているように思います。
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