2017/08/04
真夏に自動車を利用する際に、毎度嫌なことと言えば、乗り込む際の車内の暑さです。
特にフロントガラスは面積が広くガラスが斜めになっているため、サイドガラスやリアガラスよりも採光量が多くなるので、フロントガラス直下にあるダッシュボード付近は異常な暑さになります。
JAFが行った実験では、35℃の気温の日に自動車を炎天下で放置した場合、ダッシュボードは79℃まで上昇したようです。
ハンドルも同程度まで熱されるため、ドアを開けてからすぐに素手でハンドルを握ると火傷することもあります。
これほどの暑さですので、基本的にはサンシェードなどをして温度が上りすぎないよう対策をする所ですが、逆にこの暑さを利用することができますので、2つの事例を紹介します。
まず1つ目は実用的な案として、ダッシュボードの熱を利用してダニ退治をするという方法があります。
夏場は温度と湿度が高くなるため、ダニが繁殖しやすい季節です。
噛まれてからしばらくすれば痒みが引く蚊と違い、ダニに噛まれてしまうと非常に強い痒みが1週間程度続くうえ、ダニは死んだ後もその死骸によりアレルギーを引き起こすこともあるため、非常に厄介です。
ダニは薬剤で対処することもできますが、赤ちゃんやペットがいる家庭では使用が躊躇われてしまいますし、燻煙剤では家電・精密機器等は故障しないよう線を全て抜いて退避する必要があるなど手間がかかってしまうデメリットもあります。
また、通常の洗濯&干すという方法ではダニはほとんど生存しており、天日干しは乾燥によりダニの活動が抑制されるだけで、駆除するには至りません。
何が一番のダニ対策になるのかと言えば、「熱」なのですが、ダニを死滅させるためには50~60℃程度の温度が必要になるため、普通の天日干し程度の温度ではほとんど効果がありません。
しかし、夏場のダッシュボードは前述の通り、80℃近くまで温度が上昇するため、生命力の高いダニとは言え、ひとたまりもありません。
ダッシュボードの熱を利用したダニ対策の手順を紹介します。
1.ダニ駆除するものを袋詰めにする
…ダニを駆除したい布団・シーツ・枕・クッション等を、花粉・黄砂・PM2.5対策のための布団干しカバー(熱を吸収しやすい黒いものであればなお良いです)などの袋につめて密封します。
袋に詰めるのは、熱をこもらせる為でもありますが、ダニの死骸が車内に散らばらないようにするのが主な目的です。
もし布団干しカバーの代わりにポリ袋を利用する場合は、耐熱温度が90℃程度確保されている「高密度ポリエチレン」の袋を利用してください(薄手の低密度ポリエチレンの袋などでは耐熱温度が足りず、溶けてしまう可能性があります)。
2.袋詰にしたものをダッシュボードに放置する
…ダッシュボードに袋詰したものを3~4時間程度置き、熱でダニを駆除します。
時間帯は、気温が高くなる12時~16時あたりを狙うと良いでしょう。
2時間経過したら裏返して、更に2時間待つなど、途中で袋の向きを変えると、中身の温度のムラがなくなります。
当然ですが、屋根付き駐車場では温度上昇しにくいため青空駐車場にすべきですし、天気についてもよく晴れた日を狙わなければ十分に加熱されません。ダニ対策を実施するタイミングや、場所については注意してください。
3.ダニの死骸を掃除機で吸い取る
80℃近くの温度で数時間も放置されればダニは死滅しますが、死骸は残ります。
その為、掃除機でダニの死骸を吸い取るのが非常に重要になります。
乾燥したダニの死骸は空気中に飛散しやすくなっていますので、マスク等をして換気の良い場所で掃除機で念入りに吸い取りましょう。
掃除機の先端を布団専用ノズル等に切り替えるか、布団クリーナーを使うと良いでしょう。
ダッシュボードの熱を利用したダニ駆除は、布団乾燥機を使う場合と違って電気代は掃除機の分だけで済みますし、効果も高い方法ですので、夏場にダニでお困りの方はぜひお試しください。
ダッシュボードの熱の利用法の2つ目は、何と料理です。
ダニ対策の方とは違ってあまり実用的とは言えませんが、役に立つ可能性もあるので紹介しておきます。
ダッシュボードの温度は80℃付近ですので、時間をかければ低温調理することが可能です。
やり方は簡単で、食材をフライパンやオーブン用のトレー等に乗せ、それをダッシュボードの上に数時間放置するだけです。
調理する際の注意点
・黒いトレーや黒いフライパンなど、熱伝導率の高い調理器具を使う(蒸し焼きの場合はアルミホイル等で包む)
・低温でも火が通りやすいように、食材は出来るだけ薄くスライスする
・調理(放置)時間は料理にもよるが3時間程度は必要
ではこの調理法でどのような料理ができるか紹介します。
●目玉焼き
80℃まで上昇すれば卵も固まります。黒いフライパンをダッシュボードに置けば目玉焼きを作ることができます。
●ピザ
ダッシュボードではピザも焼けます。
注意点として、ピザの生地は薄いものでなければなりません。
3時間程度放置すれば、薄い生地は水分も飛んでカリカリになります。
●包み焼き
鶏肉や牛肉等と、スライスした玉ねぎ、キノコなどをアルミホイルに包んで放置すれば包み焼きができます。
●クッキー
通常はクッキーを焼くには170℃~180℃程度必要ですが、80℃程度でも時間をかければ焼けます。
通常の焼き方であれば10~15分程度の加熱時間ですが、80℃の場合は3時間程度必要になります。
普通のガスコンロ等と違って低温で焼くため、中まで火が通るまでに時間がかかります。
肉を使ったものはちゃんと火が通っているかよく確認してから食べてください。
このように、ダッシュボードの熱を利用して調理することが可能で、ガス代電気代などはかからないものの、通常のガスコンロ等とくらべて時間がかかり過ぎることや、車内に食べ物の臭いが残ってしまうなど、デメリットもありますので、日常的にすべき調理法とは言えません。
しかし、大規模な地震等の災害が起きた際にはガスや電気が止まりますので、夏場限定ではありますが緊急時でも料理するための知識として知っておいて損はないかも知れません。
電気が止まった場合は、冷蔵庫の食材は急いで使う必要がありますので、出来るだけ早く調理して食べましょう。
常温保存がきく乾パン等の保存食は、後で食べるために残しておきましょう。
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