2015/06/01
自動車には走行速度やエンジンの回転数に合わせて、ミッションというギアを変速する装置が付いています。それは大きく分けて、自動で変速するAT車(オートマチックトランスミッション)とMT車(マニュアルトランスミッション)の2つがあります。 アメリカと日本のドライバーがオートマチックトランスミッション(AT)を好むのに対し、ヨーロッパではマニュアルトランスミッション(MT)が伝統的に人気を集めており、AT車のシェアは高くありません。しかし、AT車は着実に普及を始めているのです。
数々の有名メーカーが名を連ねるヨーロッパでは、クルマはMT車が主流となっています。その割合は85%以上にも上るほどです。今日においても、クルマを買おうと思っているヨーロッパのドライバーが、AT車という選択肢を思い浮かべることはありません。なぜAT車がこれほどまでに普及しなかったのか、については後半でも説明いたします。 しかし、大西洋を隔てて反対側にあるアメリカでは10台中9台はAT車であり、その割合はほぼ半世紀の間、変わっていません。 そのアメリカとは対象的に、ヨーロッパでは小さなエンジンが主流でガソリンの価格も高かったため、各メーカーはMT技術の進歩に力を注ぎました。それが、大西洋を挟んだ両地域の差となって現れているのです。アメリカ人は、クルマの中で最大級の心地よさに身を任せることが大好きです。クラッチや変速ギアの操作をしようなんて、もってのほか! 一方、ヨーロッパのドライバーは反対に、クルマをコントロールすることが好きなようですね。乗り物を直接操作することは、運転の楽しみのひとつと考えているようです。
ところで、数千マイル離れた日本では、また事情が異なります。日本市場でAT車の普及に一役買ったのは、交通事情でした。日本ではヨーロッパ同様に小型のエンジンを搭載するクルマが主流でガソリンも高価ですが、交通事情はヨーロッパと異なります。 渋滞の激しい都市部においては、AT車が最も快適で便利であるという理由で、ここ数十年にわたって主流となっているのです。AT車が日本のドライバーにとっては事実上唯一の選択であるというのは、そのシェアが90%を超えているということからも明らかです。 このような事情から、ヨーロッパにおけるAT車の普及率は、アメリカ、日本、そしてオーストラリアや東南アジア、ペルシャ湾岸各国と差が出てしまっているのです。
ヨーロッパでのAT車のシェアは過去数年増加傾向にありますが、それでも全体の15%を超えるには至っていません。アメリカとヨーロッパのドライバーの意識の違いはすでに説明しましたが、他にもいくつかの理由があります。その一番大きなものは、ATのコストです。 AT車はMT車よりも一般的に高価で、高級車で比較した場合、その差は5%ほどになります。しかも、ヨーロッパで人気のBセグメントでは、その差は10%近くにもなるのです。 また、ヨーロッパ内でもAT車とMT車の比率は、その国の所得水準に応じて変化します。AT車のシェアはスイスでは27%ながらフランスでは6%、ギリシャに至ってはわずか2%です。しかしながら、AT車はヨーロッパ全土に徐々に普及しています。同時に新型のATも、その勢力を増しつつあるのです。 最近では新型ミッションのCVTが登場し、AT車のようにオートマチックなのですがさらに走行性能と燃費が向上しています。あなたはどのトランスミッションがお好きですか?
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