2015/12/15
凍結防止剤は融雪剤とも呼ばれ、冬場に入って平均気温がグッと下がり路面の凍結が発生、あるいは凍結する恐れが高まった場合に、道路に大量の凍結防止剤が散布される場合があります。これは、降雪地帯は言うに及ばず、気候が温暖で降雪量の少ない地域であっても、主要道路に凍結防止剤をあらかじめ撒いたり、構造上、道路の上下が吹きさらしのため凍結が起きやすい橋梁や高架道路において、凍結防止剤の散布がおこなわれることは珍しくありません。凍結防止剤としては塩化ナトリウムや塩化カルシウム、あるいは塩化マグネシウムが用いられています。塩化ナトリウムは食塩の主成分としても有名ですが、水溶液には凝固点(凍る温度)を下げる作用があります。おおむね0度で凍る通常の水に比べ、もっと低い温度でも凍りにくくなることから、凍結防止剤の成分として用いられています。また、塩化ナトリウム以外にも、塩化カルシウムや塩化マグネシウムも凍結防止剤として用いられており、塩化ナトリウムよりもさらに凝固点が低いという特徴を生かし、豪雪地帯をはじめとする寒冷地などで重用されています。
このように凍結防止剤は、文字通り凍結を防いでくれるありがたい存在なのですが、非常に厄介な特性を持ち合わせています。それは強い腐食作用です。腐食とは、化学反応によって、物質が元の形状や特性を失うことを指します。凍結防止剤による腐食では、自動車のボディ各部に用いられている鉄が錆(さび)に変化しますし、錆びにくいとされているアルミですら、凍結防止剤が付着したままだと、アルミホイールやエンジンの構成部品などが白っぽく変色する場合もあります。また、腐食が進行して錆の範囲が拡がると、パネルやフレームなどに穴が開いたり、最悪の場合は強度に影響を及ぼすといった由々しき問題も起こります。
腐食という厄介な面も持ち合わせている凍結防止剤ですが、腐食を防ぐには、凍結防止剤が撒かれた(あるいは撒かれた可能性のある場合も含め)路面を走行したあとに、ただちに洗車機や高圧洗浄機を用いて車体各部を入念に洗い流すことが必要です。また、凍結防止剤が付着することにより、塗装の傷などから錆が急速に進行していく場合もありますので、傷は放置せずにあらかじめタッチアップ補修しておくことをお勧めします。このほか、車体下部などにあらかじめ錆び止め効果のある塗料や薬剤をスプレーしておく方法もありますし、錆が発生する化学反応を抑えるべく、車体に特殊な電流を流す錆び止め装置を取り付ける手もあります。とりわけ、電流を流す方法は、瀬戸大橋をはじめ、海中に建てられた橋脚部分の錆び止めにも用いられており、効果が期待できます。
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