超希少な「フルビット免許証」とは

クルマの豆知識

「フルビット免許証」とは

「原動機付自転車免許」「普通自動車免許」「大型自動車免許」など運転免許証には様々な種類がありますが、普通の人は自分の生活や仕事をするうえで必要になる種類の免許のみを取得するものです。 「フルビット免許証」とは全ての種類の免許を取得し、日本国内において全ての車種を運転することができる状態の免許証を指す通称です。 また、フルビット免許証を取得したドライバーのことは「フルビッター」と呼ばれます。

なぜ「フルビット」と呼ばれているのか

現在の運転免許証は、取得している免許の種別を「-(未取得の免許種別)」「普通(普通自動車免許の場合の表記)」といった形で表示していますが、1994年までは取得している免許は「1」、未取得の免許は「0」として、2進数(ビット)で表記されていました。 この表記方で全ての種別の免許を取得した場合、免許証の種別の欄は全て「1」で表記され、その免許証を「フルビット免許証」と呼んでいたのですが、表記方法が変わった現在でもその呼び方が受け継がれています。

「フルビット免許証」の取得方法

全ての種別の免許の試験をクリアすればフルビット免許証ができあがりますが、取得方法について一点だけ注意しなければならないことがあります。 それは、「下位の免許を先に取得する」ということです。

例えば、普通自動車の免許を取得すれば、免許証に「普通」の表記が追加され、普通自動車に加えて原付きも運転することができるようになります。 しかし、原付き限定の免許を先に取得せず、普通自動車の免許を取得してしまうと、原付きの方は「-」の表示のままとなり、原付き免許の試験を受けることができなくなってしまいます。 その為、フルビット免許を目指す場合は、「普通自動車の免許に原付きの免許が含まれる」というような、上位の免許と下位の免許の関係を把握し、必ず下位の免許を先に取得していく必要があるのです。

例に出したように、先に普通自動車免許を取得してしまった人は、「原動機付自転車免許」及び「小型特殊自動車免許」を受験できなくなってしまいますが、その状態からフルビット免許を取得しようとすると、まず現在の免許を失効させる必要があります。 最初の免許取得費用は完全に無駄になってしまいますし、もちろん二度目の免許取得にも費用と時間がかかってしまいます。

免許取得の順番は、「下位扱いの免許」以外については自由ですが、フルビット免許の取得順としてオーソドックスなパターンを紹介します。

フルビット免許にするための免許取得順の例

  1. 原動機付自転車免許
  2. 小型特殊自動車免許
  3. 普通自動二輪免許
  4. 大型自動二輪免許
  5. 普通自動車第一種免許
  6. 中型自動車第一種免許
  7. 大型自動車第一種免許
  8. 大型特殊自動車第一種免許
  9. 牽引免許
  10. 普通自動車第二種免許
  11. 中型自動車第二種免許
  12. 大型自動車第二種免許
  13. 大型特殊自動車第二種免許
  14. 牽引第二種免許

なお、この順番通りに進め、無事フルビット免許になったとしても、今後の道路運送法改正により免許種別が追加された場合、フルビット免許ではなくなりますし、更に追加された免許が既存の免許の下位にあたるもの(上位免許を持っていると試験を受けることができない)だった場合、再度のフルビット化をするためには、免許を一度失効し、もう一度全て取得しなおす必要があることに注意です。

「フルビット免許証」の取得にかかる費用

教習所やプランによって各免許取得の費用は異なりますが、それぞれの免許の大まかな費用をまとめます。

免許の種類取得費用相場
原動機付自転車免許7,500円程度
小型特殊自動車免許3,500円程度
普通自動二輪免許200,000円程度
大型自動二輪免許100,000円程度
普通自動車第一種免許300,000円程度
中型自動車第一種免許200,000円程度
大型自動車第一種免許200,000円程度
大型特殊自動車第一種免許100,000円程度
牽引第一種免許100,000円程度
普通自動車第二種免許200,000円程度
中型自動車第二種免許200,000円程度
大型自動車第二種免許150,000円程度
大型特殊自動車第二種免許200,000円程度
牽引第二種免許150,000円程度
合計2,111,000円程度

フルビット免許にするには、なんと200万円程度必要になるようです。 また、免許取得に最速でも3年程度の期間が必要で、時間も非常にかかります。 このようにフルビット免許は、お金にも時間にも余裕がなければ取得するのは難しいです。

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