4月は年度始めの月です。毎年4月1日時点の車の所有者に対し一年分の自動車税の課税が発生します。自動車税種別割は普通自動車、軽自動車税種別割は軽自動車のクルマの税の名称です。毎年かかる自動車税種別割には、年数経過によって税率が高くなるグリーン化特例制度があります。
こちらの記事では、自動車税種別割の重課措置の対象になるのはどんな車か、どのくらい税金が高くなるのか詳しく解説します。
自動車税が高くなる?重課税制度の定義とは
前述の通り4月になると自動車税の課税が発生しますが、ある一定年数を超えると重課措置対象となり、本来の税率からさらに15%の重課措置がとられます。
自動車税のグリーン化特例制度
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自動車税種別割には、グリーン化特例制度が設置されています。
グリーン化特例制度は、「燃費性能が優れた環境負荷の小さい車に対して自動車税を軽減する」一方で、「一定年数が経過した環境負荷の大きい車に対して税負担を重くする重課措置をとる」といった制度になっています。
現行のグリーン化特例制度の適用期間は令和5年4月1日~令和8年3月31日で、期間中に環境性能に優れた対象車種の新車新規登録を行うと、翌年度分の自動車税種別割の税率に対して軽減する措置がとられます。
地球環境保護の観点から環境に優しい燃費性能に優れた車に対して、税率の軽減をする軽課措置で乗用車の場合は、税率の概ね75%の軽減措置がとられる
適用対象になる車:
排出ガス基準及び燃費基準が条件を満たす営業乗用車、電気自動車、燃料電池自動車、天然ガス自動車、プラグインハイブリッド自動車
一定年数が経過しており環境負荷の大きい車に対して税率の概ね15%の重課措置がとられる
適用対象になる車:
初回新規登録からの経過年数がディーゼル自動車の場合:11年を超える車
ガソリン自動車・LPG自動車の場合:13年を超える車
また、軽自動車税種別割に対しても経年車に対して重課措置があり、新車新規登録から13年を経過した四輪以上の乗用自家用軽自動車は、本来の税率に概ね20%の税率が重課されます。そのため、13年経過後の軽自動車の重課税率は12,900円(もともとの税率は10,800円)となります。
13年・18年超過した車は自動車重量税が高くなる
また税金が高くなるタイミングは自動車税種別割とは違い4月1日からとは限りませんが、車検を受ける際に納税が必要となる自動車重量税にも重課措置があります。自動車重量税の重課条件も、新車新規登録から一定年数が経過した車となっています。
自動車重量税は、自動車が継続車検を受ける際に新しい車検証の交付期間分と同等期間分の税を納める必要があります。自動車重量税の税率は、車の種類と総重量ごとに決められていますが、新車新規登録から13年経過以降と18年経過以降はその税率が高くなり、負担が大きくなります。
自動車重量税の重課措置:
新車新規登録から13年が経過する車に対し、およそ40%の重課措置
新車新規登録から18年が経過する車に対し、さらに10%前後の税率アップ、およそ50%の重課措置
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2025年4月に税金が高くなる車
こちらでは、2025年4月1日の課税タイミングで自動車税重課措置の対象となる、13年前当時に新型車の発売が行われて流通量が多くなった車種をご紹介します。
現在所有している車がご紹介した車にあてはまるという方は、車検証の初度登録年月の記載欄をチェックしてみて、13年経過車にあてはまるかどうか、課税が決まる前にぜひご参照ください。
重課対象で4月から自動車税が高くなる車
新車登場やフルモデルチェンジ、マイナーチェンジの発売タイミングは、これまでの販売期間のなかでも沢山売れるタイミングです。13年前当時に新型車を求めて購入し、現在所有されている方は、2025年4月の課税時に13年重課税対象になる可能性が高いため、税額について前もって確認されておくことをおすすめします。
2012年発売の車種を例に、重課措置前の自動車税と重課措置後の自動車税を比較してご紹介します。
※2020年(令和元年)10月1日に税制改正があり、以降に初回新規登録された自動車税種別割の税額が下がっていますが、今回の例は2012年初回新規登録車となっているため、税制改正以前の税額で表にしています。
トヨタランドクルーザー
2012年1月に登場したランドクルーザーは、2007年発売モデルから一部改良販売された200系モデルとなっています。2012年1月に発売開始となったマイナーチェンジモデルから新たに追加された機能というと、走行する道路環境に応じてスイッチ操作を行い、トラクションやブレーキの制御が切り替え可能となり、よりオフロード走行に強いシステムです。
ランドクルーザーは2021年にフルモデルチェンジを行っており、2012年発売モデルとなると旧型となりますが、もともと人気が高いランドクルーザーは新車購入をしようとしても納期が2年待ちとなったこともあり、中古車市場での旧型モデルの人気もかなりのものとなっています。税額が高くなることをきっかけに乗り換えを検討されるのであれば、しっかりと見積もりをとって売却するようにしましょう。
トヨタランドクルーザーGX ガソリン車(CBA-URJ202W)2012年1月新車新規登録の税率例
総排気量 | 13年未満 | 13年超過 |
---|---|---|
4,608cc | 88,000円 | 101,200円 |
約13,200円
レクサスGS
レクサスのGS(グランドセダン)は2012年1月にフルモデルチェンジを行い、2代目モデルの発売を開始しました。
初代モデルは3.5L以上の高排気量モデルのみとなっていましたが、2代目モデルからGS250(2.5Lの直噴エンジン)モデルという低燃費性能を持ちながら高いパワーも持っている両立タイプが追加となったことで、より使いやすく選びやすいモデルとなりました。
レクサスGS250ガソリン車(DBA-GRL11)2012年1月新車新規登録の税率例
総排気量 | 13年未満 | 13年超過 |
---|---|---|
2,499cc | 45,000円 | 51,700円 |
約6,700円
マツダCX-5
2012年2月に登場したマツダのクロスオーバーSUVとなっています。初代モデルは2012年から2017年まで販売されていました。2012年式のマツダCX-5はクリーンディーゼルエンジン搭載のディーゼル車モデルと直噴ガソリンエンジン搭載のガソリン車モデルがあります。ディーゼル車については登録年数が11年を超過すると自動車税の重課措置対象となるため、ガソリン車モデルよりも先に自動車税種別割の税率が高くなっています。
マツダCX-5ディーゼル車(LDA-KE2AW)2012年2月新車新規登録の税率例
総排気量 | 11年未満 | 11年超過 |
---|---|---|
2,188cc | 45,000円 | 51,700円 |
約6,700円
マツダCX-5ガソリン車(DBA-KEEAW)2012年2月新車新規登録の税率例
総排気量 | 13年未満 | 13年超過 |
---|---|---|
1,997cc | 39,500円 | 45,400円 |
約5,900円
トヨタ86
2012年4月に登場したトヨタ86は、1983年に同社より発売されたカローラレビン(スプリンタートレノ)のAE86型という車のように、お客様に愛され育てられる車になるようにとの思いから付けられた車名をもつスポーツカーとなっています。
その車名の由来となったAE86型は、高回転エンジン搭載で操縦性も高くドリフトカーとしての人気があり、また車の運転を得意とする青年の物語が描かれた漫画でも劇中車として登場したことから、販売終了から数十年が経った今でも高い人気を誇る車となっています。
今回初代モデル登場から13年を経過するトヨタ86は、2012年から2021年まで初代モデルを販売しており、2021年にフルモデルチェンジがあったため現行は2代目モデルとなっています。2021年のフルモデルチェンジの際、86からグローバルモデルのGR86へと改名も同時に行われたため話題となりました。
トヨタ86 RC ガソリン車(DBA-ZN6)2012年4月新車新規登録税率~13年超過後の税率
総排気量 | 13年未満 | 13年超過 |
---|---|---|
1,998cc | 39,500円 | 45,400円 |
約5,900円
税金が高くなる前に車の手放しを検討するなら
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今回は、経過年数によって税金が高くなる【自動車税の重課措置】と【重課税の対象となる車】について詳しく解説しました。重課措置の対象となると、元々の自動車税にさらに約15%の追課税が上乗せされてしまい、負担が増えることになります。
年数が経過しているということは、車も古くなり価値も同時に下がっているため、納税をして乗り続けるか、車を手放して乗り換えるかの検討するきっかけとされる方も多いでしょう。
まずは、ご自身の車が長く乗り続けている車であったり、譲り受けたときから古い車だった方は、翌年度の自動車税が高くなる可能性がありますので、車検証の確認をされてみることをおすすめします。