車を改造することで、走行性能を向上させることが出来ますが、車を軽量化することは走行性能だけではなく、操作性の改善も期待出来る改造です。
しかし、軽量化は本当に行うべき必要な改造と言えるのでしょうか?
そこで、本記事では車の軽量化することによる効果や、メリット・デメリットを解説します。
軽量化を行うことで得らえるメリットだけではなく、軽量化に伴って発生するデメリットも理解しておくとで、より楽しいカーライフを送ることが出来るでしょう。
車を軽量化する方法とは?
車を軽量化するための方法は2つあります。それは、余計なパーツを外すことと新しいパーツに付け替えることです。
余分なパーツを外す
車には、走行するために必ずしも必要ではないものの、快適性を高めるためのパーツも取り付けられています。スペアタイヤなどの、万が一に備えたパーツもあります。これらのパーツを取り外す事で軽量化を行う事が出来るのです。
例えば、運転席以外のシートであれば、車内に無くても走行することが出来ます。もちろん公道を走る際は、乗車定員の変化に伴って、車検に合格する基準かを考える必要があります。しかし、レーシングカーならば軽量化出来るのがこの方法です。
他にも、エアバッグも余分なパーツと言えるでしょう。安全のため装着されているとは言え、取り外す事によって軽量化することが出来ます。エアコンは、どの季節でも快適なドライブを行うために欠かせないパーツでしょう。しかし、レースの世界ではエアコンも走行に不必要として、軽量化される定番のパーツです。
純正の車でも採用されているスペアタイヤの取り外しも、軽量化に繋がりますが、取り外した際はパンクへの対処を考える必要があります。よって、タイヤパンク修理キットを装備しスペアタイヤレス化も進められれば、より効果的な軽量化と言えます。
新しいパーツに付け替える
余分なパーツを外すこととは別の軽量化方法は、新しいパーツに付け替える方法。パーツの素材を変えることで軽量化を図るため、重いパーツから軽い素材のパーツへ交換することで車の軽量化が進んでゆくのです。
鉄などの重い素材を、軽い素材であるアルミやカーボンから作られているパーツに交換します。軽い素材に交換することで軽量化に繋がるものの、軽い素材で強度を出すのは難しく、パーツを重ねて分厚くなるため、結果として重くなることもあります。
純正のアルミホイールなどがこのケースに当たります。もちろん、メーカーも強度と重量のバランスを考えていますので、軽量アルミホイールを探す事も可能です。
車の軽量化によって得られるメリットとデメリット
車の軽量化には、メリットがある一方で通常走行に影響をもたらすデメリットもあります。
メリットは燃費と性能の向上
軽量化の一番のメリットは、燃費と性能の向上です。まず、車が軽いと燃費が良くなります。重いリュックを背負っていると非常に疲れますが、何も背負っていないと体が軽く楽に歩けるのと同じ原理と言えるでしょう。
車も重量が少なくなればなるほど、走行に必要なエネルギーが少なくなるので、燃費も良くなり、同じ燃料の量でもより多く走れます。軽自動車の燃費がハイブリッドカー並みに良いのもこの原理によるものです。
もう一つの効果は性能、特に旋回性の向上でしょう。カーブを曲がる時に加わる遠心力の大きさは、車が重いほど大きくなるのです。しかし、軽量になれば遠心力も小さくなるので、旋回性が向上します。レースにおいてボンネット交換をする方が多いのは、軽量化によるコーナリングの向上を図っているためです。
軽量化することによって、パーツが長持ちすることもメリットとして挙げられます。車が重いと、車を止めるために、より多くのブレーキパッドやタイヤを消耗します。長期的な視点で見るのであれば、軽量化することでパーツも長持ちするのです。
過度な軽量化にはデメリットも
もちろん、軽量化には多くのメリットがありますが、過度の軽量化はいくつかのデメリットをもたらします。項目別に考えていきましょう。
金銭的負担
まずは、パーツを交換することによる金銭的負担。パーツを軽量なものと交換すると、高額な買い物になりますので、金銭的負担が増えます。また、軽量化したパーツはその分、耐久性が低くなることが多く交換サイクルが早まることから、修理費用も出費として考える必要があるでしょう。
安全性の低下
接地圧不足による衝突安全性などの低下も、デメリットとして挙げられます。どちらかと言えばメリットが多い傾向にある軽量化ですが、粗悪なアルミホイールなどは軽い分耐久性が低いため、走行中に割れる危険性があり注意も必要でしょう。
快適性の低下
軽量化をすることによって快適性が低下することもあります。余分と思われるパーツは、静寂性を高めるためにロードノイズを軽減、雑音が車内に入らない様に作られているものもあります。快適な車内・走行環境に役立つパーツを取り除くことで、快適性が低下するのです。
静寂性を欠き、車内にロードノイズが入ることや、ドライブの際に便利な内装パーツが無くなることは軽量化の代償と言えるでしょう。また、アルミホイールに交換して路面追従性が低下することによって、路面の凹凸から受ける衝撃も大きくなります。
どこを軽量化すると高い効果を得られる?
軽量化は、「車であれば何処でも行えば良い」と言うことはなく、行うに適したパーツがあります。より高い効果を得られる部分は何処なのか?を知りましょう。
軽量化のために外せるパーツ
軽量化のために外せるパーツがあります。もちろん、軽量化に伴うデメリットも考慮する必要がありますが、それでも軽量化のために取り外しても差し支えないパーツは、数多くあるのです。
- ボンネットやトランクの防音材
- エアバッグ
- 灰皿、小物
- オーディオ
- センターコンソール
- 後部座席
- 内張
- フロアマット
しかし、これらの中には、外すと明らかに快適性が低下するものもありますので、本当に軽量化する必要があるのか?考慮し取り外すか否かを決めましょう。
パーツの付け替えや取り外しではなく、トランクに余計な物を積まない様に心掛ける方法であれば、日常的に行えるため簡単です。洗車道具やゴルフバッグなど、いつも使う必要がない物を積まず、トランクを出来る限り空にしておくだけでも、軽量化による燃費向上の恩恵を受けられるため非常におすすめです。
付け替えるならバネ下のパーツ
効果が出やすい軽量化パーツとして、バネ下のパーツがあります。バネ下とは、タイヤやホイールなどのパーツを指します。バネ下のパーツを軽量化すると、サスペンションの動きが良くなりタイヤを動かすエネルギーが少なくなるため、燃費が向上します。
交換機会が多いパーツには、軽量アルミホイールが挙げられます。慣性モーメントが減少することで加速性能が良くなり、よく速く止まることが出来るので、運動性能も向上するでしょう。ホイールを交換するだけですので、誰でも出来る軽量化ですが、乗り心地が悪化すること、ロードノイズが発生することはデメリットです。
まとめ
車を軽量化することは、燃費や性能の向上などドライバーに多くのメリットをもたらしますが、過度な軽量化を行えば、車検に不合格となるだけではなく静寂性・快適性も低下します。
何をどの程度軽量化するのかは、走行シーンに合わせて考える必要があるでしょう。
まずは、普段使いしない無駄な物をトランクへ積まない、軽量なアルミホイールに交換するなど誰にでも出来る軽量化がおすすめです。車を軽量化することで、エコな走行に繋がりより長くドライブを楽しむことが出来ると言えるでしょう。