2022.09.07 2021.12.06
現在販売されている普通乗用車のなかでも、特に人気のあるミニバンやSUVなどの車体が大きな普通乗用車はいわゆる【3ナンバー車】に該当します。3ナンバー車に乗換えた場合、税金や維持費用はいくらかかるのでしょうか?
今回は人気の3ナンバー車である、ミニバンのアルファード(トヨタ)と、SUVのCX-8(マツダ)を例に税金や維持費用などのお金について解説します。
3ナンバー車とはどんな車?
まずは、3ナンバー車の定義について、こちらで解説します。
車は分類番号によって定義されている
3ナンバー車は、車の分類番号が【3、30~39、300~399】とナンバープレートに記載される車のことです。分類番号は下記の定義となり、3・4・6・5・7ナンバー車はいずれも輸送に使われる車に分類されています。
分類番号 | 定義 |
1ナンバー車 | 貨物の輸送に使われる普通自動車など |
2ナンバー車 | 乗車定員11人以上の人の輸送に使われるバスなどの普通乗合車 |
3ナンバー車 | 乗車定員10人以下の人の輸送に使われる普通自動車 |
4ナンバー車 6ナンバー車 | 貨物の輸送に使われる小型自動車 |
5ナンバー車 7ナンバー車 | 人の輸送に使われる小型自動車 |
8ナンバー車 | 特殊な使い方をする小型自動車・普通自動車 |
9ナンバー車 | 大型の特殊自動車(建設機械を除く) |
0ナンバー車 | 大型の特殊自動車の建設機械 |
ナンバープレートの見方
ナンバープレートには、左上に封印があり、その隣に使用本拠地の管轄区域の地名、種類用途による分類番号が表記されています。下列にはひらがなで自家用または事業用を判別する文字と、一連の指定番号が続きます。指定番号に関しては、希望番号を選ぶことも可能ですが、人気の番号は抽選になることがあります。
3ナンバー車と5ナンバー車の違いは?
3ナンバー車と5ナンバー車の違いは、小型自動車の条件内のボディサイズであるかどうかです。小型自動車の条件は、全長4.7m以下、全幅1.7m以下、全高2.0m以下、総排気量660cc以上で2,000cc以下となっています。小型自動車のボディサイズに収まる車は5ナンバー車となり、コンパクトカーとして自動車販売メーカーから販売されている車が多くなっています。例えばトヨタのアクアや、ホンダのフィット、日産のノートなどはすべて5ナンバー車で、コンパクトカーカテゴリのなかでも人気の車です。この小型自動車の条件よりも大きなボディサイズとなり、乗車定員10人以下の普通乗用車が3ナンバー車になります。
ミニバンとSUVの購入にかかる税金や費用とは
日本国内の新車販売登録台数別でみると、人気の高いボディタイプに3ナンバー車に多いミニバンやSUVがあります。車の乗り換えのきっかけの一つとして家族構成に変化があった時に考える方が多く、特に家族が増えたため3列シートで乗員定数が多く設定されているミニバンやSUVの3ナンバー車に乗り換えを検討するという方は少なくありません。車を購入したり維持するためにかかる費用は車両本体の費用だけでなく、登録ための諸費用や税金などがかかります。まずはその内訳から解説します。
環境性能割(旧:自動車取得税)
車を取得する時に課税される税金が、環境性能割(旧自動車取得税)です。
環境性能割は、自動車を新車や中古車で購入し取得した人が納める税金です。2019年10月までは自動車取得税として納められていましたが廃止になり、新たに環境性能割として導入されました。環境性能割の税率は、取得した自動車の燃費基準達成率ごとに異なり、非課税・1%・2%・3%に分類されます。また、2021年12月末日までは特例措置が適用されるため、-1%の減税措置がとられています。環境性能割の税額の算出方法は以下のとおりです。
取得価額×燃費基準達成率ごとの税率(非課税・1%・2%・3%)=環境性能割
自賠責保険料
自動車を購入し新規登録する時や、所有している自動車の継続車検を受ける時に必ず加入が必須となる自賠責保険があります。自賠責保険は自動車一台ごとに必ず加入する保険となり、車検と同期間の保険加入がなければならないため、その期間分の保険料を前もって支払います。継続車検は一般的に二年間の有効満了期間となりますので、同期間分の自賠責保険として24ヶ月分とさらに一か月分の余剰を含め、25カ月の保険期間を選択されることが多いでしょう。
令和3年4月1日時点の自家用乗用自動車自賠責保険料(本土用)は25カ月分で20,610円、検査対象の軽自動車であれば25カ月分20,310円となります。自賠責保険は社会保障的な性格を有する保険のため保険会社に利益は発生せず、どの保険会社で加入したとしても一律の保険料金となります。ただし、沖縄県と沖縄県の離島、沖縄以外の離島には特例措置があるため、本土と比べると保険料が異なります。
自動車重量税
車を取得した時に納める税金のなかに、自動車重量税があります。
自動車重量税も車検の有効期間と同期間分の税金を前もって納めます。税額は車両重量により異なり、エコカーには減免措置もあります。
車両重量 | 自動車重量税一覧 2年(車検実施時) | ||||
エコカー 減免適用 | エコカー減免なし | ||||
エコカー 本則税率 | エコカー以外 | ||||
免税 | 13年未満 | 13年経過 | 18年経過 | ||
~500kg以下 | 0 | 5,000 | 8,200 | 11,400 | 12,600 |
~1,000kg以下 | 0 | 10,000 | 16,400 | 22,800 | 25,200 |
~1,500kg以下 | 0 | 15,000 | 24,600 | 34,200 | 37,800 |
~2,000kg以下 | 0 | 20,000 | 32,800 | 45,600 | 50,400 |
~2,500kg以下 | 0 | 25,000 | 41,000 | 57,000 | 63,000 |
~3,000kg以下 | 0 | 30,000 | 49,200 | 68,400 | 75,600 |
自動車税(種別割)
毎年年度初めに車の所有者が納める税金に、自動車税(種別割)があります。
自動車税(種別割)の税額区分は、普通乗用車の場合総排気量ごとに異なります。また、標準税率のほかに、75%軽減措置、50%軽減措置、重課による15%増税措置があります。
今回費用を確認する3ナンバー車は2,001cc以上の総排気量の自家用車となりますので、2021年4月時点の年税額は下記表になります。年度途中で車を取得した場合、その月から年度末の3月までの月割り額×月数分の税額を納めなくてはいけません。
総排気量 | 標準税率 | 75%軽減 | 50%軽減 | 重課15% |
2L超~2.5L以下 | 43,500 | 11,000 | 22,000 | 50,000 |
2.5L超~3L以下 | 50,000 | 12,500 | 25,000 | 57,500 |
3L超~3.5L以下 | 57,000 | 14,500 | 28,500 | 65,500 |
3.5L超~4L以下 | 65,500 | 16,500 | 33,000 | 75,300 |
4L超~4.5L以下 | 75,500 | 19,000 | 38,000 | 86,800 |
検査手数料や登録代行費用
自動車の新車または中古車での購入時、また所有してからの定期的な検査に対しても費用がかかります。新車購入時は、新車登録にナンバープレートの交付手数料や、車庫証明手数料、新規検査登録費用などがかかっています。新規検査と継続車検には検査手数料がかかり、小型自動車と普通乗用車で検査手数料は異なりますが、普通乗用車で指定整備工場を経由し検査を受ける場合は1両につき1,100円、経由しない場合は1両につき1,800円かかります。
ディーラーで新車購入する場合、検査や新規登録を代行依頼することも出来ますが、平均相場として25,000~40,000円程度の代行費用がかかります。
リサイクル料金
リサイクル料金は、自動車を新車購入した購入者が、その自動車が使用済になった際に解体や破砕など適切なリサイクル処理を行うために必要な費用を負担し支払う料金のことです。原則、新車購入時に支払う必要があり、各リサイクル料金は自動車製造メーカーが決めています。
売れ筋ミニバンとSUVを新車購入する時にかかるお金とは
今回は人気の高いミニバンのアルファード(トヨタ)とSUVのCX-8(マツダ)を、もしも新車で購入すると費用や税金はいくらくらいかかるのか、試しに算出してみました。新車販売登録台数ランキングでも上位を占めている2車種は、2021年10月乗用車ブランド通称名別順位ではすべての国産普通乗用車のなかでアルファードが9位、CX-8は31位にランクインしていました。こちらの2車種にいざ乗り換えを検討するとなると、いくら税金や費用がかかるのでしょうか。
ミニバンのアルファード(トヨタ)購入にかかる税金と維持費
トヨタのアルファード(エントリーモデル)を4月に購入する場合、車の取得と維持にかかる費用や税金はいくらかかるのか、こちらで解説します。
- アルファード X 2WD(8人乗り)ガソリン車
- 総排気量:2.493L
- 車両重量:1,920kg
- 燃料消費率:10.8km/L
- メーカー希望小売価格:3,597,000円
環境性能割 | 107,910 | 税率3%(取得価額は小売価格から算出) |
自賠責保険料 | 27,770 | 新規車検期間3年 37カ月分 |
自動車重量税 | 49,200 | 新規登録車検3年自家用乗用自動車 |
自動車税(種別割) | 43,500 | エコカー減免なし年税額計算 |
登録諸費用 | 41,240 | 新規登録代行費用等(参考) |
リサイクル料金 | 15,190 | 2019年12月主要諸元表より |
アルファード(エントリーモデル)を新車で購入する時にかかる税金や費用は、およそ28万円となりました。こちらの他に、メーカーオプションや任意保険料もプラスとなることを想定する必要があります。
SUVのCX-8(マツダ)購入にかかる税金と維持費
- マツダ CX-8 25S(7人乗り)ガソリン車
- 総排気量:2.488L
- 車両重量:1,740kg
- 燃料消費率:12.4km/L
- メーカー希望小売価格:2,994,200円
環境性能割 | 48,900 | 税率2%計算 |
自賠責保険料 | 27,770 | 37カ月分(新規車検3年自家用乗用自動車) |
自動車重量税 | 49,200 | (新規登録車検3年自家用乗用自動車) |
自動車税(種別割) | 10,800 | 4月から翌3月までの年税(75%軽減) |
登録諸費用 | 70,260 | メーカー参考価格 |
リサイクル料金 | 14,950 | 6EC-AT |
CX-8を新車で購入する時にかかる税金や費用は、およそ22万円となりました。こちらの他に、メーカーオプションや任意保険料もプラスとなることを想定する必要があります。
まとめ
こちらでは、3ナンバー車を購入や維持するためにかかる費用や税金について解説しました。
新年度が始まる4月に向けて、生活環境や家族構成の変化などから車を乗り換えることを検討されているという方は、ぜひ参考にご覧いただければ幸いです。