かつては車を借りるならレンタカーを利用するのが主流でした。
近年は「カーシェア」が勢いを伸ばしています。業者によるものだけでなく、個人間のカーシェアもあるほどです。
車を所有するのと比べて、節約できるのか見てみましょう。
どんな車でも原則0円以上で買取します!廃車引取費用・手続き手数料は一切無料!
カーシェアを利用するには
まずはカーシェアの特徴と利用方法を紹介します。
カーシェアリング業者で管理・所有している車を借りて使う
業者のカーシェアは「ステーション」で車を管理しており、24時間いつでも使いたいときに車を借りられます。ステーションは、そのほとんどが駐車場の一角です。店舗はありません。事前に会員登録を済ませ、会員証の機能を持つカード(有料)が手元に届いたら利用可能です。
まずパソコン、スマートフォン、専用アプリから予約し、時間に間に合うようステーションに出向きます。カードで解錠したら、備え付けのキーで運転するだけです。使い終わったら同じステーションに返却します。
料金はクレジットカード払いです。10~30分単位で加算され、月に1回まとめて請求されます。長時間利用する場合は、6時間や12時間などのパックにするとお得です。他に毎月の基本料がかかりますが、その分だけ無料で利用できます。
同じく業者が運営するレンタカーに比べると、毎回の手続きが不要で、短い時間で気軽に利用できるのがカーシェアのメリットです。料金にはガソリン代や保険料などが含まれているので別に支払う必要はありません。
一方、レンタカーは車を選べるという楽しみがあります。また長距離を移動するために長時間借りるなら、レンタカーのほうが割安です。他にも乗り捨てできたり、ペットを乗せられたりするという利便性もあります。
ちょい乗りにはカーシェア、旅行ならレンタカーといった具合に使い分けできそうです。
個人間カーシェアリング
カーシェアには個人間のサービスもあります。これは個人が車のオーナーになり、業者のマッチングシステムを介して希望者に貸し出す方式です。料金は貸し出す側が自由に決められます。借りる側は使う期間の保険料を上乗せして支払う仕組みです。
貸主からすると、自分が車を使わないときに貸し出して収入にできるというメリットがあります。借主にとっては、業者のカーシェアやレンタカーでお目にかかれない輸入車や高級車など、こだわりの1台に乗れるのが魅力です。
ただし個人間のカーシェアは、トラブルが発生すると当事者同士で解決しなければいけません。約束の時間まで返却されなかったり、傷がついた状態で返却されたり、事故を起こされたり、車内に忘れ物をしたりといったトラブルが発生します。駐車違反など借主に非があっても、貸主が所有者責任で金銭を負担しなければいけないケースもあるようです。
こうしたトラブルを防ぐために、マッチングシステムでは双方のフィードバックで、良くない利用者を見分けられるようにしています。貸し出す前に希望者に質問して人間性を見極めることも可能です。
業者のカーシェアに比べると、まだまだこれからのサービスですが、登録料や毎月の基本料金はないので、ひとまず登録しておくと、思い立ったときにすぐ使えるでしょう。
カーシェアは節約になるのか
では、車を保有するのと比べてカーシェアは節約になるのでしょうか。
車を使用する頻度や時間による
業者のカーシェアは登録時にカードの発行手数料がかかるだけで、それ以外は毎月の基本料と、利用時間に応じた料金がかかります。相場は15分で200~400円程度です。
一方、車を保有すると税金や保険料、駐車場代、ガソリン代、検査料などがかかりますし、保有にあたっては車を購入しなければいけません。これらをトータルすると、最低でも年に10万円以上の費用がかかります。金銭面ではカーシェアのほうが圧倒的にお得です。
例えばカーシェアの料金が15分で200円なら、車の維持費が年に10万円かかるとき、月に10時間まではカーシェアのほうがお得です。維持費が年60万円になると、62時間までお得になります。週に5回2時間ずつ利用しても、まだカーシェアのほうが節約になるのです。
けれども車を保有すれば、いつでも必要なときにすぐ利用できます。返却期限もありません。車内で喫煙できるなど自分の好きなように使えます。
車を使うのが休日だけなど限定的で距離も短い場合はカーシェア、通勤や仕事にも車を使うなら保有するほうが適しているといえるでしょう。
カーシェアで事故をしてしまった場合の損害は?
カーシェアで気になるのは、事故を起こしたときの賠償です。ここで高額の費用がかかるようであれば節約になりません。
先述のとおり、業者のカーシェアの利用料金には、保険料も含まれています。補償額は、ほとんどの業者が対人・対物賠償は無制限、人身傷害は数千万円、車両保険は時価額です。ただし、保険を適用するには条件があります。
まず、事故を起こしたら必ず警察に通報し、業者にも返却前に報告しなければいけません。会員が運転しているときの事故のみ補償されますが、無断で延長したときの事故や飲酒運転などの法令違反があるときは対象外です。業者を通さず、相手と直接示談したときも補償はされません。
保険が適用されないと自分で賠償しなければならず、業者からも修理代を請求されます。会員資格まで取り消しです。そうならないように使用時のルールは必ず守りましょう。
もうひとつ気をつけたいのが「駐車違反」です。警察に出頭せず反則金を支払わずにいると、業者が所有者責任で支払わなければいけなくなってしまいます。もし、その車が使用制限を受けた場合、休業補償も上乗せして請求されるので、速やかに自分で反則金を支払いましょう。
カーシェアでの注意点
カーシェアは、その名のとおり1台の車を複数の利用者で共有するサービスです。事故以外にも注意点があります。
カーシェアの予約について
カーシェアは先に予約が埋まってしまうと使えません。付近に他のステーションがないと、1台の車に人気が集中し、思うように使えない可能性があります。予約は2週間~2ヶ月前からできるため、どうしても使いたい日があるときは早めに予約すると良いでしょう。
なお、予約は直前までペナルティ無しでキャンセルできます。あえて当日にチェックするのも狙い目かもしれません。
カーシェアを予約するときは、使い始める時間と返却予定時間を設定します。その後で延長したくても、次の予約が入っていたら不可能ですから、少し長めに予約するのがおすすめです。いくつかの業者では、パックでなければ予約より早く返却しても実際に使った分しか料金がかからないようになっています。
カーシェアの汚れについて
複数で利用する以上、前の利用者が残した汚れやニオイが気になることがあります。あるいは自分が次の利用者に不快感を与えているかもしれません。
業者の中には次の利用者が前の利用者を評価できる仕組みがあり、きれいだったと評価された場合はポイントが貯まるようになっています。ただし、減点はないので利用者のモラル次第といったところです。
ちなみに同じ汚れやニオイでも、吐しゃ物のように明らかな汚れ、ペットの毛や灯油をこぼした跡など規約違反による汚れは、業者が清掃して前の利用者に実費を請求します。タバコの臭いやゴミを残した場合も同様です。
カーシェアの車内にはハンディクリーナーやウェットシート、消臭剤といった掃除道具が搭載されているので、気になるようであれば使いましょう。エチケットとして返却前にも清掃しておきたいところです。
まとめ
カーシェアは、1回あたりの使用料がレンタカーよりも安いのがメリットです。車に乗る機会が少なく距離も短いのであれば、保有するよりも大幅に節約できるでしょう。車は保有するだけでも自動車税や駐車場代がかかりますし、少しずつ劣化して価値が下がります。
車の処分で困っている場合は廃車買取を利用するのもひとつの手です。