2月から3月にかけては、高校卒業や大学の春休みなどの長期休暇を利用して自動車運転免許教習所に通いやすく、直近で免許を取得した方も多いでしょう。運転免許は取得したものの、教習所を終えて実際に運転を始めてみると苦手に感じる運転操作が見つかることもあるかもしれません。
今回の記事では、カーネクストX公式アカウントで調査した結果をもとに「車を運転するときに苦手に感じる操作4選」をランキング順にご紹介します。また苦手な運転操作を克服するための、運転のコツもご紹介していますので、併せてご覧ください。
緊張する!運転で苦手な操作4選
車の苦手な運転操作ではどんな操作が選ばれているのか、カーネクストが独自に取ったアンケート調査結果からご紹介します。
順位 | 運転で苦手な操作 | シェア | |
---|---|---|---|
1 | ![]() | 狭い道で対向車とのすれ違い | 48% |
2 | ![]() | 駐車 | 24% |
3 | ![]() | 大きな交差点での右折 | 15% |
4 | ![]() | 坂道停車・発進 | 13% |
苦手な操作として、最も選ばれたのは狭路でのすれ違い運転となっていました。理由としては、テクニックを必要とする操作で難しいと感じることや、他車両に当てたり擦ってしまうのではないかと緊張する場面であることが要因になっているようです。
こちらでは、上記の苦手な運転操作に対して克服するための運転のコツをご紹介します。
狭い道で対向車とすれ違う時の運転のコツ
アンケートの調査結果で最も運転で苦手な操作に選ばれたのは、「狭い道で対向車とすれ違う時の運転操作」でした。ドライバーが、狭い道で行き違う時の運転操作を苦手と思う理由は以下の点が大きいようです。
- 対向車と間隔を取るための運転操作が難しい
- 道路の側溝や左壁、左側の障害物との間隔が運転席から遠くて分かりづらい
狭い道で車同士がすれ違う時のポイント
目的地によっては狭い道を通る他なく、対向車が来ないことを祈るしかできないといった場合もあるでしょう。それでも狭い道で対向車と行き違いが発生した時、対向車が来てから焦って避けるための運転操作をすると余計に難しくなってしまいます。そのため狭路を走行する際は対向車が来る以前に、まずは下記4つのポイントを念頭に置いて運転しましょう。
- 車を予め左側に寄せておく
- 車と道路を並行に走行する
- 障害物があるところで行き違いをしない
- 対向車に道を譲る
車を予め左側に寄せておく
まず狭い道路を走行していて一方通行ではない場合、進行中に対向車が来る可能性があると思いながら走行することが大切です。その上で、道路の左側に車を寄せて運転をしておくということがポイントになります。車両通行帯がなく中央線もない一本道であっても、道路の真ん中を走行するのではなく左寄りに走っておくことが重要なのです。
予め道路の左側に車を寄せておくと、対向車とすれ違うタイミングになってから「車を左に寄せる操作を開始する」必要がありません。急な運転操作に焦ってしまうことがないのです。
車を道路と並行にしておく
対向車が見えたタイミングで行き違いをするために車体を左に寄せようとすると、ハンドルを左斜めに切ることで車体も斜めになり、斜めとなった車体の幅が大きくなったことで道路に対して広くとってしまうことになります。前述の通り、予め車を左寄りに走行させておくことで道路と並行になり、車幅を膨らませることなく左寄せができて、対向車にとってもすれ違いがしやすくなります。
障害物があるところで行き違いをしない
行き違いをする時に前方に障害物(電信柱等)があると、道幅が極端に狭くなります。すれ違う時に道幅が足りないと、二台が通れる道幅が元々あっても、どちらかの車のサイドボディを擦るような事態が起きかねません。障害物が左側にある場合は、障害物の手前の位置で車を減速または一時停止させて、障害物のないところで待ちましょう。
対向車に道を譲る
狭い道での走行時は、まず道路の左寄りに車の速度を落として走行する(後続に迷惑をかけないスピードで)こと、そして対向車が前方に見えた時は、道路の両サイドに障害物がないところで待ち、対向車に道を譲るようにしましょう。
車を駐車する時の運転のコツは

運転で苦手な操作のうち、二つ目に多く選ばれたのは「駐車時の運転操作」となっていました。特に意見として多く挙げられているのは、バックでの駐車ができない、縦列駐車が苦手という声です。
日本国内の駐車場環境として、駐車操作ができるスペースは狭く限られていることが多く、前向き駐車で駐車できない構造をもつ駐車場も多くなっています。バックによる駐車ができるに越したことはないと言えるでしょう。
車をバック駐車する時のポイント
では、車をバックから駐車する時の運転のコツはあるのでしょうか。こちらでご紹介します。
駐車スペースが運転者の右側に来るようにする
国産車は基本的に右ハンドルになります。そのためバックによる駐車をする際は、駐車するスペースが車体の進行方向の右側に来るよう進み、そのあとに右後輪を軸にして駐車スペースに向かってバック駐車すると停めやすいでしょう。右側に見える状態でバック運転操作することで、運転席から駐車場の枠線に沿って運転できているか目視もできます。
駐車場の枠線と車との距離をとる
車体の右側に駐車スペースを置いて、駐車スペースを追い越す形で車体を進行します。その後、バックする際は内輪差がでるため途端に近づく感覚があります。そのため、駐車場の枠線の入り口と車体のサイドとの距離は1メートル程度開けておくと良いでしょう。
ハンドルを切る時は車を一度停車させる
バックから駐車する場合は、ハンドルを右回転、左回転と操作します。バックでの操作は慣れるまで難しく感じますので、最初はハンドルを回す時と車を後ろに進行する時の操作は分けるようにします。車を一時停止させてから、ハンドルを切るとわかりやすいでしょう。
大きな交差点で右折する時の運転操作のコツ
都市部では交通量が多く渋滞を緩和するために、車線を分散させる目的で複数車線の設置が多くなっています。複数の車線が交わる大きな交差点での右折操作に対して苦手意識を持つ方は多く、右折のタイミングが難しい、見るところが多くて怖いと感じている方は多いようです。
右折する時の運転の注意点
複数車線の場合は、最も右側の列に右折レーンが設置されているため、右折前にまずは車線変更を必要とすることがほとんどです。こちらでは大きな交差点で右折する際の注意点を解説します。
後続車への右折の合図は車線変更の前に行う
複数の車線がある車両通行帯では、右側の車線は追い越し等のため基本的に空けておかなければいけません。そのため右折する運転者は、右折前に車線変更を行います。右折時にウィンカーと考える方がいるかもしれませんが、ウインカーで知らせるタイミングは、右折レーン(1車線の場合は中央線へ寄せる)への車線変更前です。突然の車線変更で事故が起こらないように、直前ではなく余裕をもってウインカーを出し、知らせるようにしましょう。
右折する車は直進・左折を優先する
交差点での通行時は、直進する車、その次に左折する車が優先となり、最後に右折する車が通行します。左折優先はマナーではなく、法律で定められているルールですので、右折車は一時停止して通過を待つ必要があります。タクシーに乗っていて右折待ちをしている時、同乗者が左折車より早く行くように急かす等の行為は、絶対にしてはいけません。
対向車に隠れて見えない二輪車に注意
対向車に二輪車がいる場合、手前に四輪車があると後方が見えていない可能性があるため、注意が必要です。また、対向車だけでなく、右折する運転者は交差点で右折待ちをしている時に、歩行者信号の変化や横断する歩行者の確認もしなくてはいけません。突然歩行者や自転車が走り出して横断することもありますので、右折をするためにアクセルを踏むときも、すぐに停車できる速度で、踏む・足を外す・踏むを繰り返して右折方向へ進むようにしましょう。
坂道での停車や発進時の運転操作のコツ
山間部や郊外で車を運転していると、急こう配の坂道や長い坂道を走行する機会は多く、下り坂での走行はブレーキを踏み続けなくてはいけないのだろうかと感じる方も多いでしょう。また、都市部での坂道での走行時は、目的地が坂道の途中にあったり、坂道の途中で交差点があって停車や発進をしなくてはいけない場合もあり、AT車でもアクセル操作やブレーキ操作に不安を感じる方は多くなっています。
坂道においての走行時・停車時・発進時の注意点
こちらでは坂道での走行・停車・発進時に注意するポイントをご紹介します。
下り坂でブレーキを踏み続けるのは危険
長い下り坂でブレーキを踏み続けると、ブレーキが効かなくなる「フェード現象」や「ペーパーロック現象」が起きる可能性があります。フェード現象は、ブレーキを踏み続けることで熱が発生し摩擦力が弱まってしまうことでブレーキが効かなくなる現象のことです。ペーパーロック現象は、ブレーキパッドをディスクへ押し付け続けることで油が沸騰して蒸気が発生し、ブレーキが効かなくなる現象のことです。フットブレーキを踏み続けることでどちらも起きる現象となっているため、長い坂道を下っていく際はフットブレーキを多用するのではなく、エンジンブレーキを使用し、セカンドやローギアに切り替えてスピードを落とすことが事故を起こさないために必要となっています。
坂道で停車する時はタイヤの向き・シフトポジション「P」に注意
坂道での駐車を行う時は、ブレーキをかけて停車する際に前輪を路肩に向けておきます。路肩側に前輪を向けておくことで、万が一車両が動き出した際に車が道路中央から遠ざかるようにしておくためです。また、パーキングブレーキをかけて車を停車させた後、必ずシフト位置がパーキングに入っているか確認しましょう。
坂道での発進が不安な時はサイドブレーキ
坂道で停車させた車を発進する際、ブレーキからアクセルへの踏みかえが不安という方も多くなっています。フットブレーキを踏み続けることで足への負担もありますし、ブレーキを外した瞬間に後退するのではと不安に感じる方も多いでしょう。このような場合は、サイドブレーキを引いて車を停車させ、アクセルを踏みながらサイドブレーキを解除して、ゆっくり発進することをおすすめします。

まとめ

こちらの記事では、運転で苦手な操作についてアンケート調査した結果をもとに、運転操作が苦手に感じる理由や、苦手な運転操作をする時のコツについて解説しました。車の運転操作について「慣れが必要」と言われてしまうこともあると思いますが、苦手な気持ちがあるとなかなか運転しようと思えず、慣れようにも機会が減少する一方という方も少なくないでしょう。まずは、運転しやすい通行量の少ない道を選んだり、広い駐車場での駐車をチャレンジするなど、少しずつ車との距離感を縮めるように運転を楽しんでみることをおすすめします。