ETC2030年問題でETCが使えなくなる?対象機種の見分け方を解説

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国土交通省の調査によると、2024年3月時点のETC搭載率は約95%となっています。2001年11月から本格導入を開始したETC車載器は、もうすぐ24年目を迎えます。高速道路や有料道路を利用した際、料金所で停車して支払う手間がなくなり、停滞時間を減らせることで渋滞緩和にもつながると重宝されているETCですが、実は使用中のETCが使用できなくなる可能性がある2030年問題のことをご存知でしょうか。

こちらでは、ETC2030年問題と問題対象となる機種の見分け方について詳しく解説します。また、ETC2022年問題ついても併せて解説します。ETC車載器購入予定の方、ETC車載器を搭載した車を購入予定の方はぜひ参考にご覧ください。

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ETC2030年問題とは

ETC2030年問題は、情報機器のセキュリティ脅威に対する能力向上のためセキュリティ規格が変更されることになり、旧セキュリティ規格のETCが使用できなくなることで生じる問題のことです。

旧セキュリティ規格のETC車載器を搭載する自動車は、新セキュリティ規格に移行されるとETCレーンを通過できなくなり、事故等が発生する可能性もあります。旧セキュリティ規格対応ETCを搭載する自動車の所有者は、規格変更の移行が完了するまでに機器の買換えが必須となってきます。

ETC2030年問題の対象はいつから?

ETC2030年問題では、新セキュリティ規格に対応していない旧セキュリティ規格のETC車載器が、規格変更の移行が終わり次第使用できなくなります。セキュリティ規格とは、国土交通省が定めているETC等情報機器の盗聴・改竄等の不正防止を目的に定められた情報安全確保の規格のことです。2024年12月の現時点では新規格移行の具体的な時期は未定となっているものの、最長で2030年頃までとされています。この移行時期については早まる可能性もあるため、早めにご自身の車の搭載ETCが新セキュリティ規格に対応しているか確認し、対応していなければ買換えが必要です。

ETC2030年問題の対象機種はどれ?

ETC2030年問題で、ETCレーンが通過できなくなる旧セキュリティ規格対応のETC機種かどうかの見分け方は、下記の二通りあります。所有する車にETC車載器が搭載されている方は、今後買換えの必要があるかどうか、下記の見分け方より確認しておくことをおすすめします。

ETC2030年問題の対象機種か見分ける方法|その1

一つ目の見分け方は、ETC車載器管理番号の19桁の始まりの一桁目が【1】か【0】どちらの数字になっているかを見て、対応機種を見分ける方法です。ETC車載器管理番号は下記3つのいずれかの方法で目視できます。

  1. ETC車載器の取扱説明書・保証書に記載されている番号で確認
  2. 車載器セットアップ申込書・車載器セットアップ証明書に記載されている番号で確認
  3. 車載器本体の背面に記載されている番号で確認
新・旧管理番号の19桁の始まり
新セキュリティ規格対応車載器1
旧セキュリティ規格対応車載器0

ETC2030年問題対象機種見分け方|その2

二つ目の見分け方は、ETC車載器に識別マークが有るか無いかを確認して見分ける方法です。車載器の識別マークは下記の方法で目視確認ができます。車載器の型式次第で識別マークが載っていないものがあります。

新・旧識別マーク
新セキュリティ規格対応車載器●●●のマークがある
ETC2.0のロゴがあり、■のマークがない
旧セキュリティ規格対応車載器●●●のマークがない
ETC2.0のロゴと■のマークがある
DSRC ETCのロゴがある

上記どちらかの見分ける方法であっても識別できない時は、購入した販売店等に別途問合せする必要があります。

ETC2022年問題は解決済み?

今後生じるETC2030年問題について前項で解説しましたが、すでにETCについては【ETC2022年問題】があったことはご存知でしょうか。こちらでETC2022年問題について詳しく説明します。

ETC2022年問題とは

ETC2022年問題とは、「2005年12月にあった電波法関連法令無線設備規制の改正を受けて、無線設備のスプリアス発射の強度許容値が改正されて新許容値が決められた」ため、旧許容値適用のETC車載器は移行措置期限を過ぎると使用できなくなるなどの問題のことです。

改正前の旧許容値から新許容値への移行期間として、経過措置期限は2022年11月30日までと設定され、措置期限が切れるまでに旧許容値のETCを使用している方は買換えなければなりませんでした。また、ETC2022年問題については対象のETC車載器が使用できななくなるだけでなく、旧許容値に準拠した対象の無線機を移行措置期間を過ぎても使用した場合、電波法違反となって罰則・罰金の対象となることも大きな問題となっていました。

ETC2022年問題はいつから対象?

ETC2022年問題は、2005年12月の電波法改正によって2007年以前の技術基準適合証明・工事設計認証(旧スプリアス認証)を受けて製造されたETC車載器が、移行後使用できない対象機種となっていました。

その対象のETC車載器を移行経過措置期間を過ぎた2022年12月1日以降に使用してしまうと電波法違反になるとされていましたが、2021年に新型コロナウイルス感染症の影響を受けたことによって経過措置期限が変わり、【2022年11月30日まで】とされていた期限は【当分の間】へと改正されています。

規格外の無線機を使用した場合の罰則とは

ETC2022年問題では電波法改正によって許容値が変更になったため、適用外の無線設備を使用した場合は電波法違反となり、罰則または罰金刑が科せられる可能性がありました。罰則内容は、1年以下の懲役もしくは100万円以下の罰金となっています。また電波法違反の無線設備を使用したことで、他無線局の運用を妨害したの場合は重要無線通信妨害罪として罰せられる可能性もあわせてありましたが、現在は【当分の間】の移行期限となるため特に罰則は設けられていません。

ETCの買換えやETC搭載車を購入するときの注意点

ETC車載器や自動車の購入を予定されている方へ、今後2030年問題・2022年問題に関して注意しておきたいポイントをご紹介します。

ETCの購入時に注意するポイント

まずは今所有している車の搭載されているETCが、ETC2030年問題またはETC2022年問題により今後使用できなくなる対象機種だった場合は、ETCを買換えなくてはいけません。

購入するETCを選ぶ時、注意しなければならないポイントは、上記ETC2030年問題の見分け方でも解説している購入予定の機種の車載器管理番号の19桁の始まりの一桁目が新セキュリティ規格対応の【1】始まりになっているのか確認することです。

ETC2022年問題については確認しなくてもいいのかと思われるかもしれませんが、ETC2022年問題の対象となる機種は元々2007年以前の基準適合機種となるため、中古での購入をしない限り問題の対象機種を誤って購入してしまうことはないでしょう。

ETCを購入したときに起こり得るトラブル

また、今は車を所有しておらず今後自動車を購入するという方で、ETC車載器を車の装置としてオプション購入する場合は、将来的にETC2030年問題の使用できない対象機種を選んでしまうと、短期間で買換えが必要になるため注意しておきましょう。車の購入時に、新セキュリティ規格に対応している機種になっているかディーラーに聞いておけば、購入後に取り付けられてから気づくといったトラブルの心配はありません。

まとめ

こちらの記事では、ETC2030年問題とETC2022年問題について詳しく解説しました。

ETC2030年問題については、新セキュリティ規格の対応機器への移行が進み次第、高速道路利用中のETCレーンでは非対応ETCでの通過ができなくなり、もしもETCレーンに侵入してからわかった場合は後続車や他の交通との大きな事故発生につながってしまう可能性があります。

今回ご紹介しているETC2030年問題の対象機種かどうかは、できるだけ速やかに確認して不安を取り除いておきましょう。

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