エキマニというのは、エンジンから排気をする部分にあるパーツでエンジンの特性を大きく左右する重要な部品となります。
排気系のチューニングと言えば、マフラーの交換が思いつく方も多いですが、エキマニの交換もスポーツ走行を楽しむ方ならしておきたいチューニングです。
この記事では、エキマニの役割や故障する原因についても解説していきます。
エキマニの役割とは
エンジンで燃焼した排気ガスが、最初に通り抜けるのが、このエキマニになります。エキマニの役割や、スポーツ走行にどのような影響を与えるのかを見てみましょう。
エキマニの役割
正式名称は、「エキゾーストマニホールド」。エンジンの各排気ポートに接続された複数のパイプが、1つか2つにまとめられていきます。ヘッダーパイプとも呼ばれる複数のパイプが、くねくねと曲がっている形状をしているので、「タコ足」とも呼ばれることがあります。
純正のエキマニでは、鋳鉄やステンレス製のものが用いられていますが、社外品ではステンレス製以外ではチタン製のものがあります。ここの形状を工夫することで、廃棄効率を向上させたり、また振動や騒音を防ぐ働きがあったりするのです。
エンジンから排気をする時の長さは、ポートから1本のパイプにまとめるまでの長さが異なります。そして排気ポートからパイプまでの長さが均等であればあるほど、排気効率は良くなっていきます。
そのためにこのエキマニが非常に重要な役割を果たし、パイプに排気がまとめられるまでの、各ポートからの長さを調整する働きがあるのです。
スポーツ走行には重要なパーツ!
スポーツ走行をするにあたって、排気効率を向上させることが重要です。排気がスムーズになれば、次の燃焼がスムーズになり、結果としてエンジン出力が向上することが期待できるからです。
排気効率を向上させるだけでなく、スポーツ走行の面では、エンジン特性を変えるのにもエキマニは重要な働きをします。高回転までエンジンがスムーズに回るようになり、トルクも向上することが期待できるので、サーキットで活躍する多くのチューニングカーがエキマニの交換をしています。
エキマニ交換のメリットとデメリットとは?
エキマニを交換することには、いろいろなメリット・デメリットが存在します。エキマニを交換する前に考えたい、メリット・デメリットを紹介しましょう。
メリット
最初に挙げることができるメリットは、絶妙なカーブと美しい焼き色でしょう。チタン製のエキマニであれば、きれいな虹色に焼き色が入るので、見た目も非常によくなります。いかにもチューニングカーという雰囲気を感じさせてくれるのが、社外品のエキマニに交換した時のメリットです。
またエンジン特性を変化させることができ、排気効率を向上させることができるので、他のチューニングと合わせると、エンジンの出力をアップさせることができます。チューニングの方向性によって、高回転重視にしたり、中低速のトルク重視にしたりすることができます。
例えば、高回転のエンジンにしたい時には、パイプの集合形式を4→1にしておき、排気パイプを太めにします。こうすることで、排気効率が向上し、高回転で回るエンジンになります。
逆に中低速でのトルクを重視したい時には、ヘッダーパイプの集合形式を4→2→1という方式にし、パイプも細目にします。排気干渉を意図的に起こす事で、混合気を燃焼室から抜けにくくし、トルクフルなエンジンに仕上げることが可能です。
デメリット
エキマニの交換のデメリットは、コストパフォーマンスが悪いということです。ノーマルの状態でも、非常に良く計算されており、排気効率が高くなっているのにも関わらず、交換に費用をかけても出力がアップするのはわずかなのです。
エンジンの熱がこもりやすいことも、デメリットの中に入るでしょう。社外品のエキマニには、遮熱版が付いていないことが多く、エンジンルームに熱がこもりやすくなります。ゴムやプラスチックの劣化が早まったり、オーバーヒートの原因になったりすることがあるのです。対策として、遮熱版を後から取り付けたり、エキマニに耐熱テープを巻きつけたりすることができます。
もちろんエンジンルームの中のプラスチックなども、高温に耐えられるように設計されていますが、社外品のエキマニの様に熱が多く発生することはパーツにとって良いことではありません。
社外品のエキマニに交換するデメリットと、対策について調べてから交換することが必要でしょう。
愛車のエキマニを交換するべきか迷っているなら、下記記事もチェックしてみてください。
エキマニが故障した場合の原因と対応方法
純正のエキマニが故障するということは、ほとんどないとも言えるのですが、年数が経過しているなどの場合によっては故障することもあります。また社外品に交換した場合には、いくつかの故障の症状が出ることもあります。
エキマニの故障の原因とは
まずエキマニに穴があく排気漏れがあります。純正の鋳鉄製の場合は大丈夫でも、ステンレス製の場合、年数も経過し長距離を運転しているケースでは、エキマニに穴が空いてそこから排気漏れを起こすことが考えられます。金属ですので、割れるということもあり得ます。
パワー不足を感じたり、エンジン音がおかしくなっていたりする場合には、エキマニが故障していることも予想できるでしょう。錆などの腐食がひどくなっている場合も、穴が空いてしまうことにつながりかねません。
穴が空いてしまった場合には、ある程度の大きさの場合には修理もできますが、基本的には交換になることでしょう。クラックが入っている所から、排気漏れも起こすことにもなりますので、一度穴が空いてしまっているエキマニの場合には、他の部分も劣化している可能性があります。
基本的に上記のケースは、社外品のステンレス製やチタン製のエキマニの場合に多い症状です。チューニングされているエンジンなどの場合は、エンジン音がおかしい場合にチェックしてみると良いでしょう。
修理・交換は自分でする?プロに任せる?
エキマニは、重量も重く、自分で交換をするには負担が大きいパーツです。DIYで交換をするにしても、一人では支えきれないので、二人で交換作業をする方が良いでしょう。
また長距離を走行している車の場合には、ボルトが固着してしまっているというケースも一般的です。簡単に外すことが難しく、またボルトをなめてしまうと、エンジンブロックにも影響を与える可能性もあるので、慎重に作業をする必要があります。
固着したネジの場合には、時間をかけてネジを削ったり、専門道具を使っての取り外しになったりします。自分の工具だけでは交換が難しいと判断したのであれば、無理をせずにプロに任せる方が良いでしょう。
エキマニの交換や修理には、単純な取り外しや取り付けだけでなく、溶接やボルトを削ったりする必要が生じたりします。専門道具が必要になる頃には、自走不能な状態になっていますので、無理をせずに専門業者に交換や修理を依頼する方が賢明です。
まとめ
純正では壊れることが少なくても、社外品になるとエキマニが故障するケースがよくあります。またエキマニは、エンジンチューニングでは重要なパーツですので、交換したいという方もおられるでしょう。
いずれにしても自分で交換するには、難しいパーツになりますので、難しいと判断したのであれば、信頼できる専門業者に依頼することが、スムーズにエキマニを交換するのに大切なことです。
愛車が取り返しのつかない状態になる前に、プロに相談をして交換作業を進めていきましょう。エキマニ交換は熱対策なども必要になりますし、問題点も多いです。しかしエンジン特性を変えることができ、見た目も美しくなるなど、試してみる価値のあるチューニング方法です。