ダニは家の中だけでなく、車でも発生します。そのまま運転すると刺されて腫れたりかゆみが出たり、アレルギーの原因にもなったりするので不快です。なぜダニが発生するのか、原因と対処方法を紹介します。
車にもダニが発生する!?
もし車でダニが発生したら、どんな症状があるのか。発生する場所も確認しておきましょう。
車にダニがいたらどんな症状がある?
家や車など室内で人を刺すのは、ほとんどが「ツメダニ」です。マダニは動物に寄生しますし、イエダニはネズミのいる家で発生します。チリダニやコナダニは人を刺しません。ただし、チリダニやコナダニが繁殖すると、エサにしようとツメダニも繁殖します。特に気温も湿度も高い梅雨から夏場(6~9月)にかけては要注意です。
ツメダニが刺すのは二の腕や脇腹、腹部、股など露出していない柔らかい部位です。刺されると数時間ほど経ってから腫れやかゆみが生じ、1週間から10日くらい続きます。我慢できずに強くかいてしまうと、手に付着した細菌が入り込んで水ぶくれになる恐れがあるので、市販のかゆみ止めを塗ったり、皮膚科で処方してもらったりしましょう。
ダニによる被害はもう1つあります。死骸や糞などをアレルゲンとするアレルギーや喘息です。1匹ツメダニがいると、チリダニやコナダニは100匹以上いるといわれていますので、アレルギーや喘息のリスクにも気をつけなければいけません。
車でダニが発生する場所はどこ?
車の中には人間のフケや垢、髪の毛が落ちており、ダニにとっては格好のエサ場です。車内で食事をしていると、食べかすが落ちている場合もあるでしょう。シートやマットなど潜伏しやすいところも豊富にあります。カーエアコンも「エバポレーター」という空気を冷やすパーツの周囲で、結露によるカビが発生して、ダニが繁殖します。
さらに車は密閉されているため、ダニの死骸や糞が空中に舞いやすくなります。そんな状態でカーエアコンを内気循環にすると、うっかり吸い込んでしまうかもしれません。子どもが乗る場合は不安に感じるでしょう。ある掃除機メーカーが実験したところ、車内には寝具よりも多くのダニがいたそうです。
困ったことに、これらのダニは大きさが1mm以下であり、肉眼で見つけるのは不可能です。特に背景が白いと、ますます分からなくなってしまいます。当然、重さも生きているもので0.05mg以下しかないので、死骸や糞はもっと軽いはずです。アレルギーの原因が分からず、病院で検査したらダニだったというのもよくあります。
ちなみに春先になると、車のボディやタイヤで赤いダニを見たことはないでしょうか。これは「タカラダニ(カベアナタカラダニ)」で、花粉や小さな虫を食べるためにボディやタイヤに付着します。大きさが1mmほどあり、色も赤いため目立ちますが、人間を刺すことは滅多にありません。
ただし、体液が付着すると跡が残ってしまうため、むやみに潰さないよう気をつけましょう。何もしなくても夏になれば姿を消します。気になるならボディやタイヤは水でさっと洗い、車内で見かけた場合は掃除機で吸い込むと、うっかり潰して跡が残る心配はありません。
車のダニの駆除方法とは?
ダニが繁殖している状態で車を運転するのは避けたいものです。どのように駆除すればいいのでしょうか。
こまめにしっかり掃除をする
家の中と同じく、車の中もこまめに掃除することでダニを駆除し、死骸や糞も除去できます。まずは丁寧に掃除機をかけましょう。ノズルの先端をブラシにすると、繊維の奥に入り込んだダニをかき出しながら吸い込めます。マットは水洗いして、天日干しするのが効果的です。
エバポレーターの掃除はディーラーやカーショップに依頼すれば簡単ですが、DIYもできます。多くの車は、助手席にあるグローブボックスを外し、エアコンフィルターを外すと、その奥にエバポレーターがあるはずです。
あとは市販されている専用のクリーナーを指示に従って噴射すれば、泡が汚れを吸着してエンジンルームの下から排出されます。ついでにエアコンフィルターも交換しましょう。できれば1~2年おきに掃除したいところです。ダニを駆除できるだけでなくカビ臭さも消えて、快適にエアコンを利用できます。
意外と忘れがちなのが、トランクルームの掃除です。こちらも密閉されており、カビや湿気などダニの好む条件が揃っています。カバーを開けて日光に当て、掃除機をかけましょう。マットを外せるなら風通しの良いところで陰干しです。積みっぱなしの荷物はダニやカビの温床になりやすいので、これを機に下ろしておきます。
掃除以外にできること
ダニの弱点は乾燥と高温です。天気の良い日にドアをしばらく開けたままにして空気の入れ替えを行うと、車内の空気が乾燥し、浮遊していた死骸や糞が排出されます。カーエアコンも、可能な限り外気導入に切り替えて換気しておきましょう。
また、閉め切った車内が高温になるのを利用すれば、50~60℃くらいで30分おくと、表面にいるダニは死滅します。その後は掃除機をかけて死骸を除去しましょう。
車のダニの駆除にはグッズやプロの手を借りることも
どんなに掃除しても、ダニを完全に駆除するのは難しいものです。そんなときに役立つグッズやサービスを紹介します。
ダニの駆除グッズ
まずはダニ捕獲シートです。マットの下など車内に敷いておくと、誘引物質によってダニが入り込んで捕獲されます。使用期限が過ぎれば、そのまま捨てるだけです。捕獲する方法は粘着剤で身動きを取れなくするのと、乾燥剤で水分を奪うのがあります。メーカーでどれくらいダニが取れるか検証しているものが良いでしょう。
ダニ駆除スプレーは、ダニがいそうなところにスプレーすると、生きているダニが駆除される仕組みです。車内で噴射するときは他のスプレーと同様、エンジンを止めて、使用後は十分に換気しましょう。ダニの卵を駆除できない点は要注意です。ダニが嫌う臭いで寄せつけないタイプのスプレーもあります。
他にも煙で燻して駆除するグッズもありますが、車に使うと薬剤が奥深くに入り込んで機器に影響を及ぼすため、おすすめできません。
プロにダニの駆除を頼むことも可能
ダニの駆除をはじめ、車内を掃除してくれる業者も存在します。ディーラーやカーショップでもクリーニングサービスを提供してくれるところがあります。それぞれ、独自の機器や薬剤を使っているため、DIYよりも高い駆除効果を期待できるでしょう。シートやインパネまで外して徹底的に掃除する業者もあるほどです。
先ほどのエバポレーターの掃除も、業者に依頼すればグローブボックスを外す手間を省けますし、スプレーを噴射するだけでは落ちない汚れまで、丸ごときれいにしてくれます。費用は業者や作業内容によって変わりますが、車内全部を掃除すると2~5万円くらいが相場です。
車を手放すときも、事前に掃除しておけば査定額が上がる場合があります。ただし、業者に掃除してもらっても、それを上回るほど査定額が増えるわけではありません。できる範囲で丁寧に掃除すれば十分です。
まとめ
車の中はダニが繁殖しやすい条件が揃っています。刺されたりアレルゲンを吸い込んだりするのを防ぐためにも、こまめに掃除して駆除しましょう。空気を入れ替えるのも効果的です。グッズを使ったり、業者に依頼したりすれば、さらに効率よくダニを駆除できます。
ただ、車自体があまりにもボロボロの場合は、虫だらけの車を乗り続けるよりも廃車でも買取ができるカーネクストに売ってしまって、新車購入の資金に充てるという選択肢もございます。
これに関しては、ご家庭のお財布事情に加えて、車の状態や心境次第となりますので、各ご家庭ごとに判断は異なるでしょう。