エンストはマニュアル車でよく耳にするかもしれませんが、オートマ車でも起こることがあります。
マニュアル車とオートマ車、それぞれでエンストが起こる原因は何でしょう。理由と対処法、エンスト時の修理について紹介します。
車はなぜエンストするの?マニュアル車の場合
マニュアル車であれば、エンストはあまり珍しいことではないかもしれません。
エンストは意図せずエンジンが停止してしまうことを指しますが、エンジンストップの略と思われがち。エンジンストップは故意にエンジンを止めることで、エンストの正式名称はエンジンストール(Stall=失速)です。
マニュアル車の場合、エンストする原因は主に操作ミスとなります。
MTに多いのが操作ミスによるエンスト
マニュアル車のエンストの原因の多くは操作ミスですが、特にクラッチ操作によるミスが多いです。
マニュアル車はエンジンからの動力を手動でタイヤに伝えるためクラッチを使用しますが、クラッチのタイミングがよくないと動力がうまく伝わらずエンストを起こしてしまいます。
特にエンストが起こりやすいのが発進時。発進する際にエンストしやすいのは、半クラッチ状態にしてアクセルを踏み込むのにコツがいるためです。アクセルの踏み込みが不十分のまま、回転数の少ない状態でクラッチ操作をすると動力不足でエンストしてしまいます。
クラッチ操作がよくてもギアチェンジミスでエンストすることもありますが、たいていはクラッチ操作が原因と考えてよいでしょう。
マニュアル車のクラッチ操作でエンストを防ぐには、回転数がしっかり上がったのを確認してからクラッチ操作をするのが大切です。
故障が原因の場合もある
マニュアル車のエンストの原因の多くは操作ミスですが、信号待ちなどアイドリング中にエンストする場合もあります。
アイドリング中のエンストは、整備不良やトラブルが原因です。このように故障が原因でエンストすることもあるので、様子がおかしい場合は注意しましょう。
なお、エンジン系の故障の場合は修理費用がかなりの金額になる事がほとんどですので、その場合は故障車でも買取ができるカーネクストに売って、そのお金を新車購入資金に充てる方法がベストです。
車はなぜエンストするの?オートマ車の場合
エンスト=MTではありません。オートマ車でもエンストすることがあります。オートマ車でエンストの原因になるのが、操作ミスとエンジンなどの故障です。エンジンなどの故障はマニュアル車で紹介したようになんらかの予兆が現れます。
それでは操作ミスでオートマ車がエンストするのはどのようなときなのでしょうか。操作ミスが原因のオートマ車のエンストを2つの原因に分けて紹介します。
坂道で多いATのエンスト
クラッチのないオートマ車において、クラッチ操作でエンストすることはありません。しかし、オートマ車でもクラッチミートが原因でエンストすることがあります。
国土交通省の調査でも上位にあがったのが、坂道発進でのエンストです。坂道発進では、シフトレバーをドライブ(D)に入れた状態で発進させますが、進行方向と逆向きの方向に進もうとするとエンストしてしまいます。
たとえば、Dにしなければならないのをバック(R)の状態にして前進してしまった場合や、Dの状態で後退してしまった場合です。エンジンの力である程度は軌道修正ができますが、坂道を下ろうとする力が強いと、エンジンが負けてエンストしてしまいます。
ボタンスタート式の車にも注意
普段カギをひねってエンジンをかけるタイプの車に乗っていて、乗り慣れないボタンスタート式の車を運転すると操作を誤ってしまうことがあります。
ボタン操作ミスでのエンストは、スタートボタンでエンジンを始動していないのに、エンジンがかかったと思いこみ、坂道でブレーキを解除することが原因です。特に新しい車はエンジン音が少なく、車のエンジンが始動しているかわかりにくい部分があります。
走行中のエンストは事故のもと!対処法は?
オートマ車のエンストは頻繁に起こることではないので、エンストに気がついたらパニックになることも少なくありません。加えて、ハンドルやブレーキは重くなって操作がしづらくなります。理由は、パワーステアリングやブレーキ倍増装置のコンピュータ制御が思うようにできなくなってしまうため。
エンストを放置すると交通事故の原因になるので、まずハンドルやブレーキの状態がどうなるかを認識して適切に対処することが大切です。
エンストに気づいたらまずは停車
駐車場でのエンストは、エンジンをかけなおせば問題ありません。注意したいのは走行中のエンストです。特にオートマ車の坂道でのエンストは、エンストに慣れていないため対処が遅れてしまうことがあります。
エンストしたら、まずは車の停車を優先させましょう。停車するためには、ギアをニュートラル(N)にして、ハザードランプをつけ、車の異常を周りに知らせて停車する準備をします。次にブレーキによる停車ですが、エンスト時はいつも以上にブレーキが硬い状態です。強い力でブレーキペダルを一気に踏み込み、車を停車させましょう。
車が止まったことを確認したら、Nからパーキング(P)にギアをチェンジし、サイドブレーキをかけて完全に車を停止させます。
安全を確認した後、車を動かす場合はPの状態からエンジンをかけてみましょう。道路の途中で車を停車させてしまい、エンジンが正常に作動しない場合は、ギアをNに入れ車を押して安全な場所まで移動させます。
後続車による事故を防ぐために
走行中の思わぬエンストで、すぐにエンジンを始動できない場合は、車に搭載してある三角停止板や発煙筒を使って後続車にトラブルがあったことを伝えましょう。
車のエンストを修理したらどれくらい?廃車にするべき?
操作ミスではなく、故障が原因のエンストであれば、故障した部分を修理する必要があります。故障によるエンストの原因は、エンジンやバッテリーその他の機器などさまざまなことが考えられるので、専門店でしっかり診てもらいましょう。
なお、エンストの修理代は、どこが壊れたかで変わってきます。修理代が大きくかかるのが、エンジンの故障です。故障内容にもよりますが、10~50万円程度の高額な修理代が請求されるケースも少なくありません。
エンジン以外のパーツの故障に関しては数千円程度でパーツを交換できることもありますが、部品自体は高くなくても、工賃を含めると数万円程度することもあるので注意しましょう。それでは、エンストの修理の例をいくつか紹介します。
坂道で加速するときにエンストする(オートマ車)
燃料の噴射に関わるセンサーにトラブルの可能性があります。燃料系トラブルなら、燃料ポンプの交換、根詰まりであれば燃料ホースを洗浄します。
走行中に急にエンストする
電気系統のトラブルが考えられます。バッテリーが上がってエンジンがかからないこともありますが、何度もエンストする場合は発電系のオイルネーターが故障しているかもしれません。オルタネーターの修理や交換には5万円程度の費用がかかります。
オートマ車でアクセルを離すとエンストする
バキュームセンサーの故障が考えられます。バキュームセンサーとは、エンジン内へ送られた空気の量を測定する部品です。故障すると、エンジン内で燃やす燃料と空気の量をバランス良く混合することができなくなるため、エンジン内で不完全燃焼が発生します。なので、故障の前兆としてアイドリング時にエンジンがガタガタ震える感じがします。
ご紹介したのは一部の事例であり、同じような症状でもエンストの原因にはさまざまなものがあります。1つの故障であればよいですが、複数の箇所が故障している可能性も否定できません。修理費用が予想以上に高い可能性もあるので、場合によっては廃車を検討することをおすすめします。
まとめ
故障が原因のエンストの修理は高額になることもあります。場合によっては車の買い替えも検討してみましょう。買い替えによる古い車の処分は、カーネクストにおまかせください。