インターネットのオークションサイトや、フリーマーケットのサイトなどが増えたことから自家用車の個人売買を行う方が増えているようです。売値を所有者自身が決めるため売りたい金額で車を売ることが出来ますし、希望価格で買ってくれる人がいればお店で査定を受けて売却するとより高く売れる可能性があります。
お店に売却すると廃車手数料などがかかることもあるため、中間手数料がかからないことはメリットでしょう。しかし個人売買で車を売るとなると、書類のやり取りや車の運搬などの手配、売却取引に関するすべてを個人で行わなくてはいけません。
こちらでは、個人売買で車を売る時・買う時の手続きの仕方や、車の個人売買トラブルを避けるために気を付けておきたい注意点について解説します。
車の売り買いを個人で行う時の流れとは
最近はインターネットのオークションサイトやフリマサイトを利用することで、個人でも簡単に車を売りに出せるようになったこともあり、個人売買取引を行う人も増えているようです。
こちらでは個人売買取引で、車を売る時の売り手側の一連の流れについてご紹介します。
1.売却予定の車の車検証を確認
まず、車を売る前に売却予定の車の車検証の内容を確認しましょう。
車の売却や廃車をする権限を持つのは、車の所有者です。手放す予定の車を購入した際に、ディーラーやクレジットローン会社でローンを組んで車を購入されていた場合、ローンの支払いが完済出来ていても所有者名義の変更手続きを依頼していない場合、所有者がそのままローン会社やディーラーになっていることがあります。この場合、所有者はまだローン会社やディーラーですので、車の使用をしている人が勝手に売却をすることは出来ません。
車検証の記載内容を確認し、所有者欄の名義をチェックし売却をする本人であれば問題なく、売買取引をすすめて構いませんが、「ローンはすでに払い終えているから、自分名義になっているはず」と思っていたが所有者本人ではなかった場合は、まず車検証の名義変更を現所有者に依頼して、車検証の交付が出来てから取引を行いましょう。
車検証の所有者は自身だったものの、車購入後に転居していたため記載の住所が違っていたという場合は、住所の登録内容変更を運輸支局(または軽自動車検査協会)で行っておきましょう。転居や婚姻等で記載内容が異なる場合、名義変更手続きの際に必要な書類が追加になります。
売却した相手に名義変更手続きを任せる場合、売り手側の書類が足りず不備となってしまうと、何度も運輸支局に足を運んでもらうことになったりと、相手に時間や手間がかかることになりますので注意が必要です。
2.売却する車の手続きに必要な書類の準備
売却する車の手続きを相手に委託する際、売り手側が準備しておく書類はいくつかあります。旧所有者となる売り手側が準備しておく書類は、以下のとおりです。
- 自動車検査証 原本(名義変更の場合は車検の有効期限内であるもの)
- 印鑑登録証明書(発行日より3カ月以内のもの)
- 譲渡証明書※印鑑登録されている印鑑の押印をしたもの
- 自動車税納税証明書
- 自賠責保険証
- 自動車リサイクル券
※前述のように車検証に記載されている所有者の住所が現住所と異なる場合は、登録内容を変更しておき、追加の必要書類が発生しないようにしておくことをおすすめします。もしも登録内容変更に時間がかかりそうといった場合は、転居の履歴がわかる住民票や戸籍附票の準備、また姓名が変わっている場合は戸籍謄本の準備をしましょう。
3.車の相互確認と売買契約書の作成
売却する車の内容と売買内容の確認を、売り手側と買い手側で相互確認を行います。
現車を確認しての売買でない場合は、車の写真撮影や詳細な車両情報の明示が必要です。車両について後々のトラブルを避けるためにもお互いしっかりと確認をしておきましょう。
車の内容や金額についてお互い合意できたら、売買契約を締結し、売買契約書を売り手側が作成します。売買契約書は同じものを二部作成し、一部ずつ保管します。売買契約書にて売り手側と買い手側で確認しておくべきことは以下のとおりです。
- 売買契約する車両情報(登録番号や車台番号等)
- 売買代金
- 売買代金の支払時期と支払い方法
- 引き渡し日と引き渡しの方法
- 所有権はどの時点で移転するか
- 名義変更の費用負担、名義変更の期限、自動車税還付について
- 車の滅失等や事故の場合の危険時の負担
- 車輌状態の相違など引き渡し時に確認する瑕疵担保責任
- 名義変更がされないなど、契約解除の条件
4.入金確認後車両の引き渡しから譲渡完了まで
売買契約の内容を確認し、入金を確認後車両を引き渡します。車の輸送が必要になる場合の陸送費の負担をどちらが行うかなども、契約内容で前もって確認しておきましょう。
車両の引き渡し時に瑕疵担保責任の内容について、車輌状態の確認を買い手側にしてもらいます。手続きに必要な書類を渡したら、名義変更等の手続きを買い手側が行うのを待ちます。
名義変更が終わったことを確認できれば、譲渡完了です。任意保険等加入していた車の場合、解約手続きに名義変更後の車検証の控え等が必要になることもありますので、買い手側から受け取っておきましょう。
車を個人売買で初めて名義変更をする方へ
車の売却や車の購入を個人間で取引する個人売買の場合、名義変更手続きを業者に任せることが出来ないためご自身で行うことになります。初めて名義変更手続きをするという方もいらっしゃるかもしれません。
こちらでは、名義変更手続きの方法や流れをご紹介します。
車の名義変更の手続きの流れ
車の名義変更の手続きは、新所有者のお住いを管轄している運輸支局(または軽自動車検査協会)で申請登録します。旧所有者と新所有者が一緒に来局が難しい場合が多いと思いますので、こちらでは買い手側の新所有者が運輸支局で手続きをする場合の流れと、必要な書類をご紹介します。
普通自動車の名義変更に必要な書類
- 自動車検査証 原本
- 旧所有者の印鑑登録証明書
- 旧所有者の印鑑の押印がある委任状
- 旧所有者の印鑑の押印がある譲渡証明書
- 新所有者の印鑑登録証明書
- 新所有者の実印
- 自動車保管場所証明書(車庫証明書)
- 申請書 CCRシート第一号様式
- 手数料納付書 500円分検査登録印紙貼付
- ナンバープレート代金
運輸支局窓口で、移転登録(名義変更)の申請書、手数料納付書は配布されていますので、当日筆記用具と印鑑を持参し、記入し提出します。自動車保管場所証明書(車庫証明書)は、使用の本拠地になる場所を管轄する警察署で申請し証明を受けてから一か月以内に手続きが必要です。また、旧所有者と新所有者の印鑑登録証明書は発行から3か月以内に使用する必要があります。移転登録(名義変更)の際、管轄が異なる運輸支局の場合は車両登録番号が変更になるため、ナンバープレートを外して取替ます。そのため運輸支局または登録事務所へ、当日車を持ち込む必要があります。
車の個人売買で名義変更手続きにかかる費用
車を個人売買取引で購入し買い手側の新所有者が運輸支局で名義変更をするには、いくらくらいの費用がかかるのでしょうか?実際にかかる費用の相場をまとめましたので参考にしてください。
車庫証明申請手数料 | 3,000円程度(軽自動車の場合は500円程度) |
印鑑登録証明書発行手数料 | 1通につき300円(コンビニ200円)~ |
申請手数料 | 検査登録印紙代500円 |
ナンバープレート代金 | 1,700円~2,000円程度 |
自動車取得税 | 譲り受ける自動車の価値による(50万円以下なら非課税) |
以上の一覧で示したように、ご自身で車の名義変更手続きを行う場合かかる費用は、車のナンバープレートの変更が必要でなければ5,000円~となっています。ナンバープレートの変更が必要になる場合は、7,000円~とみておきましょう。自動車取得税は、高級車や年式の新しい車を購入する場合は割増になります。また、もしもご自身での手続きは面倒という方は、代行業者である行政書士事務所等へ、名義変更の代行を依頼するには5,000円~15,000円が相場となっています。
車を個人売買する際の注意点
車の個人売買取引は、売り手と買い手に価格面のメリットがあります。売り手は、中古車買取業者を利用するよりも高い値段で車を売ることができる可能性が高くなりますし、買い手は同じ年式・グレードの車を中古車販売店から購入するよりも安く買える可能性があります。
ただし、車の個人売買を行うことは、メリットだけではなくデメリットもあります。
売り手買い手どちらも個人になるため、中古車買取業者や販売店がやってくれる車の書類手続きや運搬などの手配もご自身で行う必要がありますし、個人売買ゆえに起こるトラブルというものに巻き込まれている人がいるのも事実です。
実際にどのようなトラブルが起こる可能性があるのでしょうか。
個人売買の取引のため、売却価格や支払いについての金銭面のトラブル、また個人で名義変更手続きをする必要があるため書類関連のトラブルも起きやすくなっています。買った車が現車で見ると故障していたり、実は盗難車だったなどのトラブルもあるようです。
このような車の個人売買の注意点をご紹介していきます。
お金が振り込まれない
個人売買で起こるトラブルの中でも多いのが、お金が振り込まれないなど金銭面に関するケースです。約束した日になってもお金が振り込まれない、車を渡したのにお金を払ってくれない、まだ代金をもらっていないのにお金は既に払ったとウソを言われた、といったトラブルです。
対策方法としては、売買契約書を作り、支払のタイミングや、車の引き渡し条件を明確にしておくことです。また、領収証を作成し、控えを手元に保管しておくことも対策になるでしょう。
現車と必要書類を代金と引換にすることを条件にすることも可能ですが、購入額が大きくなると手渡しでの対応に抵抗を感じる人もいらっしゃるでしょう。現金を持ち運びたくないという売り手・買い手もいますので、現金で引換ることを条件とすると取引相手が見つかりづらくなる可能性が高くなります。
書類が揃わないため名義変更ができない
車を個人売買する際には名義変更が必要となりますが、売り手または買い手が用意する書類が揃わないと名義変更(所有権の移転)ができません。売り手と買い手の双方が必要な書類を準備は出来たとしても、手続きを任された当人の都合で運輸支局に行くことが出来ておらず「仕事がある」や「運輸支局までが遠い」といったことを理由に、相手が運輸支局に行こうとしないケースもあります。
運輸支局には買い手と売り手が同時に来局することは都合を合わせる必要もあり難しいと思われますが、相手の委任状があれば、どちらかのみの来局で名義変更手続きを行なうことは可能です。
せっかく車を売るために多くの時間を割いて必要書類を揃えても、相手が書類を揃えてくれなかったり、都合をつけて運輸支局へ行ってくれないとなると手続きができず名義変更がされないまま、車の自動車税の請求だけ届くといったトラブルもあります。
名義変更手続きには、期限のある書類が必要となることもあり、書類の不備があるとさらに時間も手間もかかります。売買契約を結ぶ際に、名義変更手続き期限を予め決めておき、期限を守られない場合は契約の解除になるなど取り決めておきましょう。
配送の手配ができない
車を個人売買する際、引き渡しのタイミングは売り手と買い手の合意の上で決めることになります。名義変更完了後に実車を引き渡すこともあれば、名義変更前に実車を引き渡し、買い手側がその後手続きを行うといった場合もあります。
名義変更前の車を買い手側が陸送し運ぶとなると、輸送中に事故や事件に巻き込まれた時は責任をどちらが持つのか決めていないとトラブルに発展してしまいます。
また、車の輸送は専門の輸送業者等に依頼することになりますが、距離や車の車種、車の状態次第で高額な陸送費がかかることもあります。その陸送費の負担についてもどちらがするのかを決めておかなければ、陸送費手配が進まず車の引取りに来なかったり、陸送費が高いため購入を辞めたいなどの話になる可能性もあります。陸送費や輸送時の責任負担に関しても、前もって決めておかなければいけないでしょう。
売買後に車が故障してしまった
車を売る前はとくに問題がなかった車でも、売った後にすぐ故障してしまったという場合、大きなトラブルになることがあります。買い手側としては、「故障車と知っていながら黙って売ったのではないか」と売り手に対して疑いの気持ちが生じるからです。
このようなトラブルを避けるためには、売り手側が車を売る前に車のコンディションをチェックして必要な修理を済ませた状態で売るようにすることが大切です。しかし、どんなにコンディションのいい車でも急に調子が悪くなることはあるので、売り手のもとに車が渡った後にトラブルが生じることはあります。
このような場合にトラブルにならないよう、売買契約を結ぶ際に、車の引き渡し時に車の状態の確認をお互いにしっかりと行った上で引き渡すこと、また引き渡し後の瑕疵担保責任について双方が合意していればトラブルを避けることが出来るでしょう。
買った車が盗難車だった
車を個人売買で買ったものの、買った車が実は盗難車だったというケースもあります。その場合は車を本来の持ち主に返さないといけなくなりますので、車を探した時間や中古車購入のための手間が台無しになってしまいます。まずは車検証の所有者と車の売主が当人であるかを確認してから売買の取引をすすめるようにしましょう。
また、売り手となかなか連絡がつかず、車は盗難された所有者に戻したものの購入した代金を返してもらえないという可能性もあります。特に盗難車は犯罪です。個人売買で売られている車が、状態や年式の割に、あまりにも安く売られているなど怪しい取引であると感じた場合は、このようなトラブルに巻き込まれるリスクもあるため、購入を控えることをおすすめします。
個人売買のトラブルを避けるなら車買取へ
個人売買には多くのリスクがあります。もしもいい売り手もしくは買い手がみつかり、想定以上の値段で車を売買できた場合はお得ですが、そうでないケースも多々あります。個人売買での取引に手間や時間がかかることで、値段以上に負担を感じてしまうことも少なくありません。特にトラブルに巻き込まれてしまうと大損をするばかりか、問題解決のために裁判所に出向いたりと、多くの時間や手間を要する可能性もあります。
名義変更の手続きを代行依頼し、車の陸送を依頼したところ算段すると実はマイナスになったという場合もあるようです。ただし売買契約を結んでしまった後となるとマイナスになったとしても断ることは出来ません。
面倒な手間なく、出来るだけ高く車を売りたいと考えている方におすすめ出来る車の売却ルートは、買取車両の販路を広く持っている車買取業者へ売却する方法です。
例えば、街の中古車屋さんで再販できる車というと限られてきます。その車屋さんにくるお客様の中で車を探していて、たまたまマッチングするような車であれば高く買い取ってもらえるかもしれませんが、その中古車店の顧客という限られた中で、上手く車の売り手と次の買い手が揃うことは少ないでしょう。
しかし、買取車両の販路が全国であったり、国内外にもある業者であれば、仕入れ車両の再販ルートが広くなるため次の買い手も探しやすく、高い買取査定が出来るのです。
また、個人売買において買い手が付きづらい故障車やバッテリ上がりで動かない車は、輸送費のことがネックとなり売却が難しいのですが、廃車買取業者のような故障車や不動車の買取に強い業者であれば、買取が出来る上に引取り費用がかからないところも多くなっています。特に故障車や事故修復歴車は売却トラブルが起きやすいのですが、廃車買取業者であれば車を解体しパーツをバラして再利用することで利益を上げることが出来ます。
車の個人売買の流れやトラブルを避けるための注意点についてご紹介しました。
インターネットオークションやフリマサイトで車を売るにはリスクがあります。時間や手間、費用の負担などを考えると、専門の買取業者へ売った方がお得だったという場合もあります。出品と同時に車買取業者に見積もりをとってみるのも良いかもしれません。
車買取の専門業者であるカーネクストでは、レッカー引き取り費用や、書類手続きの代行費用無料で買取を行っています。見積もりも無料ですので、ご相談だけでもお気軽にお問い合わせください。