車社会の地域に住んでいる方の多くは、家族の分も含めて車の二台持ちや三台持ちなど複数台の所有者となっているケースは珍しくないでしょう。
まだ複数台持っていないけれど、今度二台持ちが必要になってきそうだ、という方もいるのではないでしょうか。
今回はそんな二台持ちを検討している方へ、車の二台持ちのメリットや維持費などの注意点について解説します。
車を二台持ちすると維持費はどれくらい?
車を二台持ちするには、まずどのくらいの費用が必要なのか、維持費について把握しておきましょう。
ガソリン代:月5,000円前後(軽自動車の場合は2,000円前後)
自動車保険料:50,000円~
税金:45,000円(自動車重量税は年間7,500円ほど)
駐車場代(借りる場合):毎月5,000~
車検代:年間10,000円程度
こちらは一般的なミニバンの、走行距離年間6,000km程度(月500kmほど)で、ガソリン代を1リットルあたり120円と仮定した場合の一台あたりの金額です。
諸経費を含めると、普通自動車で年間およそ250,000円~300,000円、軽自動車でも200,000円です。車の維持にかかる費用は、これらの項目や金額があげられます。
家の敷地に余裕がある方は駐車場代を気にする必要はありませんが、その他の費用は避けようがありません。
駐車場代の次に節約できるのが、自動車保険料です。セカンドカー割引など複数の車を所有している人向けのプランや特約を利用すれば、保険料を2倍支払わずに済みます。
セカンドカー割引には、「一台目の車の等級が11級以上であること」「車が自家用8車種のうちのどれか」「個人による所有であること」といった条件があります。ちなみに、気になる所有者についてですが、一台目の所有者と同じ名義か、配偶者や同居の親族であれば問題なく申し込むことが可能です。
つまり、一台目を夫が使い、二台目を妻が使っている場合でも、上記の条件さえ満たしていればセカンドカー割引を受けられるのです。それぞれの加入する保険会社が違っていても、必要条件を満たしていればセカンドカー割引や同等の割引を受けられるので、まずは問い合わせてみましょう。
また、同じ保険会社で二台や三台の車を契約した場合に受けられる「ノンフリート多数割引(複数契約割引)」が用意されていることもあります。保険会社によってこまかな規定(二台ではなく三台以上の契約など)が異なりますが、複数台を所有している方にとっては嬉しい制度です。
セカンドカー割引は、二台目購入の時期に保険契約をしなければならないケースがほとんど。しかし、ノンフリート多数割引では、既に所有している車について契約できます。同じ保険会社でなければならない、10台以下でなければならないなど注意点もあるため、三台以上の車を所有している方は、契約している保険会社の規定を確認しましょう。
他には、車のタイプで節約を狙う手もあり。たとえば軽自動車なら自動車保険料はもちろん、税金や車検代も含めて年間10万円近く安くなります。
維持費がかかるのに車を二台持ちするメリットは?
年間数十万円もの維持費がかかるのに、車を二台持ちするメリットはあるのだろうかと思うかもしれません。確かに一人暮らしの場合は車を趣味にする人でなければ、二台持ちのメリットを感じることはあまりないでしょう。
しかし、車社会となっている地域に夫婦やファミリーで住んでいると、二台持ちのメリットを感じるどころか、二台以上ないと困る、とさえ思うことがあるのです。
車を二台持ちしている方があげるメリットは、たとえば以下のような内容です。
用途に合わせて車を使い分けることができる
家族に気兼ねする必要がなくなる
手放すときの買取価格アップにつながる
例えば、通勤に趣味のスポーツカーを使っている場合、夫婦や一人でのドライブ程度になら休日も使えますが、子どもも一緒のお出かけとなると不便です。荷物を多く積み込めるワンボックスカーをセカンドカーとして所有しておけば、プライベートな時間を過ごす趣味の車と家族で使う機能重視の車で使い分けることができます。
趣味と実益で異なる車を組み合わせて二台持ちすると、長年親しんできた一台目を手放さずに済みます。
また、車を趣味としない方や似通った二台を所有している方のケースもあるでしょう。この場合、家族の誰かが一台使っていても、もう一台が残っているのでお互いに気を遣う必要がなくなるメリットがあげられます。
普段は通勤用に夫が使っているけれど、休日には妻が買い物や友人とのお出かけに使っているというご家庭も少なくないはず。車が一台しかないと互いの予定を確認しあったり、互いに譲り合わなくてはなりません。
そんなに高額ではなくとも、車が二台あるというだけで、このようなトラブルは避けられます。子どもが大きくなったら一台を夫婦用にして、もう一台を子どもの通学や免許とりたて時の運転の練習用にするのもいいでしょう。
また、これは必ずしも当てはまるわけではないのですが、二台持ちすることで必然的に一台あたりの走行距離が少ないまま手放す瞬間を迎えることになります。走行距離によって買取価格のアップを狙うことが可能なのです。同じ車を使い続けるより、複数の車を使いまわすほうが、それぞれの痛みも軽減されます。
維持費だけじゃない?車を二台持ちするときの注意点
メリットばかり挙げてきましたが、車を二台持ちするには、当然ながらデメリットも存在します。
維持費は、保険料の割引きプランなどを活用すればある程度は節約することができます。二世帯住宅で義両親と所有する場合、いくらか負担を協力してもらう手もあるでしょう。
しかし、それはあくまで問題なく車を購入できた後に出てくる問題です。まずは車二台分の購入費がかかる点を忘れてはなりません。
ローンでまかなうのであれば、毎月の維持費にローン返済金額も加算して考えましょう。維持費や保険料ばかりに目を向けていては、購入後にローンの負担が重くのしかかってしまいます。自身や夫婦の年収から毎月無理なく出せる金額内で収めるよう、あらかじめ大まかな計算をしておくと失敗しません。
年収とのバランスの目安は、手取り年収の25%以内で考えるのがポイントです。
駐車場なし | 駐車場あり | |
軽自動車 2台 | 250万円程度 | 300万円程度 |
普通車と軽自動車 | 280万円程度 | 330万円程度 |
普通車 2台 | 310万円程度 | 360万円程度 |
※表内の年収は手取りベースです。
上記は駐車場代を月5,000円×二台分(合計10,000円)と、マイカーローンを毎月30,000円に仮定した場合で算出した大まかな金額です。
車を趣味にしている方は、一台目をこだわりの高級車にしてしまうかもしれませんが、年収に合わない贅沢品になっていないか、購入前にじっくりと考えてみましょう。
駐車場は少し離れたところの親戚が所有する駐車場を激安で借りられるから大丈夫、と思っている方も要注意です。車庫証明書の存在をうっかり忘れていないでしょうか。
車庫証明書は地域によっては不要なケースもありますが、必要な地域に住んでいる場合、警察に申請して交付を受けなくてはなりません。この車庫証明書、「自動車の使用の本拠の位置から、保管場所が(地図上の直線で)2キロメートル以内にあること」が条件です。
使用の本拠の位置は、基本的に自動車の所有者の住所のことを指しています。そのため、自宅住所から2キロメートル以上離れた場所で駐車場を借りると、車庫証明書の交付が受けられなくなります。
その他、車検が二台連続すると出費が重なったり、買取価格が思ったより上がらない場合など、金銭的な負担や期待ハズレの可能性も考慮するべきです。
車二台持ちのメリットは決して小さくありませんが、年収や自分の状況に見合った所有台数がベストです。無理せず本当に必要なのか、じっくり考えてから購入を検討してみましょう。
まとめ
車二台持ちは、地域によっては珍しくありません。セカンドカー割引を利用するなど、二台持ちならではの保険料節約術を理解しておけば、大きな損をすることもないでしょう。
二台持ちになると一台あたりの自動車の走行距離や痛み具合が軽減されることから、買取価格のアップが期待できます。ディーラーの他、カーネクストのように中古車の扱いも可能な廃車専門業者でも買い取ってくれる場合があるので、二台持ちを検討する際は将来の処分方法についても考えておきましょう。
なお、カーネクストの場合は海外販路を有しておりますので、車種によっては通常よりも高値で買取が可能な場合もございます。