車検を受ける際には、点検や整備などのために数日~1週間程度、車を預けなければなりません。その間、代わりの車として「代車」を利用する場合、費用が発生するかどうか気になるのではないでしょうか。そこで、車検を受ける時に代車を利用すると費用がかかるのか等、代車について解説します。
車検で借りる代車の費用は発生するの?
まずは、車検時の代車利用に費用が発生するかどうかについて解説します。
車検で借りる代車の費用は有料の場合と無料の場合がある
代車の利用には、費用が「有料の場合」と「無料の場合」があります。費用がかかる場合、業者によって料金が異なります。代車の利用が有料の場合は、2つのケースあります。1つ目は、業者が代車を用意して、その貸出に費用がかかるケースです。もう1つは業者が代車を用意するのではなく、レンタカー会社を紹介するケースです。かかる料金は業者によって異なります。
代車の利用が無料のケースも、2つのケースが考えられます。1つ目は、ディーラーが無料で代車を用意するケースです。もう1つは民間業者が無料で代車を貸し出すケースです。前者は試乗車やメーカーのロゴ入り代車を貸し出すため、後者は「信頼」によって無料で代車を貸し出します。
現在は代車サービスがない業者も多い
無料で代車を借りられる機会は減ってきています。代車を借りる側のマナーが問題視されていることなどがその背景として存在しています。業者によってはレンタカーを紹介するケースがあるのです。
一昔前であれば、車検において無料で代車を用意するほうが一般的でした。これは、物の貸し借りのマナーが現在ほど悪くなかったことが理由として考えられます。「借りたものは借りた状態で返す」が守られるのであれば、無料で代車を貸し出しても業者側にデメリットはありませんでした。しかし、時代は代わって現在はそのような一昔前であれば当たり前であったマナーが廃れつつあります。貸した状態のまま返却しない利用者が増えたことにより、業者側はそのリスクを考慮して代車の無料貸出をしなくなったことが有料化の理由として考えられます。
また、マナーの問題ではなく、業者側の理由として代車を用意していないケースもあります。昨今、車検専用業者が増加したことにより、車検にかかる時間が短縮されています。これにより、代車を貸し出す(手配する)サービスを用意しない業者が増えているのです。
代車の運転中に事故を起こした場合はどうなる?
代車を利用中に事故を起こした場合の、利用者の費用負担や保険事情について解説します。
代車で事故を起こした場合の費用はどうなる?
車検業者によって、代車の保険加入状況は異なります。車両保険に加入しているケースもあれば、加入していないケースもあるのです。代車で事故を起こしたら、いくらかは利用者も負担しなければならないケースが多いです。
代車を利用中にも、事故が発生する可能性があります。問題なのは事故が発生した場合に発生する費用を、利用者がどれだけ負担しなければならないのかという部分です。それには、代車の「保険の加入状況」が深く関わります。まず、業者が代車ではなく「レンタカー」を紹介する場合です。レンタカーは必要最低限の保険に加入しなくてはならないという規定がありますので、貸し出される車は保険に加入しています。レンタカーを借りる際には、事故発生時の利用者の負担額についての説明もあります。問題は、業者が代車を用意しているケースです。この場合、業者が代車にかかる保険に加入しているかどうかは、業者によって異なります。また、同じ業者でも保険に加入している車とそうでない車を保有しており、加入している車が貸出中の場合は未加入の車を貸し出すというケースもあります。
個人的に保険へ加入するのも1つの手
業者の保険を利用できない場合は、個人で保険に加入して適用する方法があります。任意保険の中には、代車で事故を起こしたときに補償が適用される保険もあるのです。保険会社を比較して加入先を決めるのですが、保険会社によって費用やサービスが異なるため注意しましょう。
代車を借りる人は、自分の車を持っていて、多くの場合は自分の車に任意保険をかけています。個人向けの任意保険には、ほとんどのケースにおいて「他車運転特約」という特約が設定されています。これは自分の車以外を運転した場合に、自車の保険内容に準じた補償が適用される特約です。この特約は友人や知人の車だけでなく、車検時の代車に対しても有効です。車検は必ず受けなければなりませんし、その際には代車が必要です。任意保険に加入する際には車検時の代車への適用を考慮して、他車運転特約が設定されている保険に加入することをオススメします。なお、保険会社によって保険料やサービス内容が異なりますので、他車運転特約がついているだけでなく、費用やサービスについてもきちんと比較しましょう。
代車を借りる時と返す時の注意点
最後に、代車を「借りる時」と「返す時」それぞれの注意点について解説します。
代車を借りる時にチェックすべき内容は?
代車を借りる際には「代車に傷が付いていないか?」「ガソリンの量はどうなっているか?」「契約書の内容に怪しい箇所はないか?」の3点は、最低でも確認しておくことをオススメします。
代車を借りる際に費用がかかるかどうかは別として、いかにトラブル無く返却できるかが重要なポイントになります。そのためには「借りるときの状況」について、きちんと把握しておくことが重要です。代車に傷がついていたり、ガソリンの量を確認していないと、返却の際にトラブルになる可能性があります。また、レンタル時の契約書がしっかりしていることも、重要なチェックポイントです。
とくに契約書の内容については、一通り目を通しておいてください。契約後や返却後にトラブルの原因となるのは、契約書の確認不足が原因であるケースが少なくありません。過不足なく必要な内容がきちんと揃っているか、必ず確認してください。
代車を返す時の注意点は?
代車を返却する際には、ガソリンを満タンにしておきましょう。基本的に「借りた時の状態にして返す」ことを心がけてください。借りた代車は、借りた時と同じ状態で返却することが基本です。
代車を扱う業者の人は「原状で代車を返してほしい」と考えています。代車を貸し出す時のガソリンは「満タン状態で貸す業者」や「数リットルだけ入れている業者」などまちまちですが、借りて消費した分のガソリンくらいは補充して返すのが最低限のマナーです。なお、業者によっては、あらかじめ返却時のガソリンの条件を提示することがあります。その場合は提示されている内容にしたがってガソリンを補充しておきましょう。代車を原状で引き渡せば、貸した側としても気持ちよく代車を引き取ることができるでしょう。これからもその業者を利用することを考えれば、マナーのよい客として覚えてもらうことは悪いことではありません。マナーの良し悪しでサービス内容が変化するとは考えにくいですが、利用する側としても居心地が悪くなるのは避けるべきです。
車検の時の代車の費用に関するよくあるご質問
車検時の代車の費用や、代車を借りる時に関して、よくいただくご質問にお答えします!
Q.車検で借りる代車の費用は発生するの?
A.車検で借りる代車の費用は、ディーラー、整備工場、自動車販売店など車検を請け負う相手次第になります。ディーラー車検の場合は、台数は限られるものの無料で貸し出しをしているところが多くなっています。整備工場などの車検専門店では、有料貸し出しの所もありますが、車検プラン次第で無料の場合や費用に含まれていることもあります。
Q.代車の運転中に事故を起こした場合はどうなる?
A.車検で車を預けていて、代車で事故を起こしてしまった場合の対応や費用はどうなるのでしょうか。これは、車検業者による代車の保険加入状況で対応が変わります。車両保険に加入している車であれば保険会社の負担も見込めるでしょう。ただし、代車を借りた利用者も負担は必要な場合がほとんどです。このように、他の車に乗っている時のことを見越して、個人的に保険へ加入しておくと安心です。任意保険の特約で他社運転特約というものがありますので、こちらを加入しておくといざ代車を借りる時にも安心することが出来るでしょう。
Q.代車を借りる時と返す時に注意することは?
A.もしも車検の間に代車を借りるならば、借りる前に車輌状態や代車の返却時の契約内容などをしっかりと見ておきましょう。無料で貸し出しだったため気軽に借りたが、トラブルが発生したということもあります。まずは代車の契約内容を確認し、返却時の確認点も見ておきましょう。特にガソリンの残量は、返却時に原状回復が契約になっている業者も多いので確認しておきましょう。
まとめ
代車に関する扱いは「代車を扱っているか」「有料か、無料か」「保険への加入はどうなっているか」「返却時の条件等はどうなっているか」など、何かと気になるポイントが少なくありません。
しかし、トラブル無く車を返してもらうためにも、注意すべきポイントはしっかりと押さえて、気持ちよく代車を使わせてもらいましょう。