車を運転していると、いつの間にか「虫」がついていることがあります。
仮に実害がないとしても、大切な車に虫がついているのは嫌な気持ちになります。
そこで、車についた虫の対処法、車につく虫の対策法についてこちらで解説します。
車に虫がこびりつくことはよくある
夜間など特定の条件下で車を運転していると、虫が寄ってきて車体にこびりつくことがあります。
走行中の車に付着してしまった虫の死骸をそのままにしていると、最終的に取りづらくなり汚れだけでなく傷として残ってしまう可能性があります。こちらで解説します。
夜間や高速道路を走る時に虫が付きやすい
夜間に車を運転していると、ヘッドライトの光に虫が寄ってきてしまうため、車の前方に虫があたってしまい付着しやすくなります。
また、高速道路の走行中も虫があたりやすく、あたった虫の死骸がそのままこびりついてしまうことも多くなります。
こうした条件下で走り終わったあとの車は、フロント周辺など大量に虫の死骸があることも珍しくありません。
夜間に車を走らせると虫がつきやすいのはなぜ?
虫がつきやすい条件の一つが、夜間に車を走らせることです。
一部の虫の習性に、光の刺激に反応して移動する走光性というものがあります。走光性のなかでも光のある方向に向かって飛んでいく、正の走光性を習性に持つ虫は、光に対して一定の角度で飛んでいます。
太陽や月とは異なり、車のヘッドライトの発光は高速点滅によるものです。街の灯も高速で点滅しているため、光に集まった虫は光源までの距離が掴めず周囲をループして飛んでいるようにみえます。
夜間走行中の車のヘッドライトも光が高速点滅しているため、虫は光のある方向に向かって飛んで集まってくるのです。
ただ、近年の車のヘッドライトに使用されているLEDライトは、従来のハロゲンランプやHID球に比べると、虫が光と判断する紫外線の放出量が少ないため、寄り集まってくる虫も少なくなっています。
高速道路の走行中は虫が張り付きやすいのはなぜ?
車体に虫がつきやすい条件の二つ目は高速道路の走行です。高速道路の中でも山間部を夜間に走行すると、大量の虫が車に張り付きやすくなっています。
特に夏場は夜間でも気温が下がりにくいため、虫の行動も活発になっていることから、虫汚れが増える傾向です。高速道路は走行時のスピードが一般道に比べて早くなるため、衝突する虫の量が増えることも要因になっているようです。
こうした特定の条件下での走行後に車の状態をみると、車の前方に大量の虫の死骸がついていることが多いです。人によってはそれが嫌で、夜間や高速道路の走行を避けるという方もいます。
車に虫が付いたまま放置すると取りづらくなる
上記のような条件下で走行中に、車に虫が付いてしまった後にそのまま放置するのはNGです。
車に付着した虫の死骸は放置するとこびりついてしまい、落としづらくなります。車の状態を良く保つには早めに対処する必要があります。
特に車のボディについてしまった虫の死骸は、フロントガラスへ付着時以上に影響が出やすいため早めの対応が必要です。
虫の死骸にはシュウ酸カルシウムやたんぱく質、多糖酸、蟻酸などの酸の性質を持つものが含まれます。車のボディに虫の死骸が付着したまま置いておくと、酸性の物質によって塗装面に酸性クレーターが出来てしまいます。
塗装面は酸化に弱いため、虫の死骸が付着したまま2~3日放置すると、例え汚れ自体は拭き取れてもクレーターが残ってしまう可能性があるのです。
放置した日数が長いほど車の塗装面へのマイナス影響は強く現れてしまうため、虫を出来るだけ付着させない、もしくは付着してしまったらすぐに対処する必要があります。車に付着する虫対策について、次項で詳しく解説します。
車に虫をこびりつかせない!虫対策を紹介
こびりついた虫はとくにボディに悪影響を及ぼします。そこで、虫がこびりつかないようにするための対処法について解説します。
ワックスやガラスコーティング剤をつける
夜間に走行をすることが多かったり、高速道路を利用して移動することが多いのであれば、前もってワックスやコーティングをしておくとよいでしょう。
たとえ虫が付いてしまっても、取り除く際にこびりつきにくいため、除去がしやすくケアしやすくなります。これは自分でやるのもよいですし、プロに任せるのもOKです。
ご自身でされるのであれば、ボディにはワックスを、フロントガラスにはガラスコーティング剤をあらかじめ塗り込んでおくと、運転後のケアがしやすくなるためおすすめです。こびりつくリスクを大幅に下げることになるので、余計な出費を抑えることが出来ます。
なお、コーティングは自分で実施するかプロに任せるかの2択があります。
自分で実施する場合は手間がかかりますが、費用を抑えられるでしょう。プロに任せる場合は、施工とコーティング剤の確保が不要であるメリットがあります。自分で実施するよりもちろん費用はかかりますが、仕上がりのクオリティは高いでしょう。
ただし、日常的に虫が付きやすい車の使い方をしている場合は自分で実施するほうがランニングコストを抑えられるので便利といえます。
カーコーティングを業者へ依頼した場合の費用相場
大手カーコーティング専門ショップやカー用品店などで、カーコーティングをお店に依頼した場合の費用は、車のボディサイズとコーティング剤の種類によって相場が異なります。
一般的なコーティングの費用相場をご紹介します。コーティング剤の種類によっては相場の3倍程度の価格になることもあるため、予め確認する必要があります。
また、コーティングをお店に依頼すると施工時間に4時間~8時間、種類によっては1日程度かかることもあるため、車がない期間が出来ることを想定して依頼する必要があります。
ボディサイズ | コーティング費用相場 |
軽自動車 | 50,000円~ |
コンパクト | 55,000円~ |
中型車 | 60,000円~ |
大型車 | 70,000円~ |
大型車以上 | 90,000円~ |
完全に車に虫を付けない方法はない
車を走らせた日が雨天だったり夏場などは、どうしても虫がつきやすいでしょう。
高速道路での虫の付着を少なくするために、速度を少し落とすことを考える方もいらっしゃいますが、高速道路を安全に走行するためには一定以上の速度を保って走る必要があります。
虫の付着を少なくしたり、除去しやすくなる対策をしても100%虫が付かなくするのは難しいでしょう。しかし通勤や通学で夜間に車を利用する機会があったり、高速道路を利用する機会を減らすことが難しいという人もいらっしゃるのではないでしょうか。
このような時間帯に走行し、車に虫が付着してしまっても、まめに掃除をすれば、虫の死骸がこびりついて頑固な汚れになるのを防げます。
コーティングをしても完全に虫がつくのを防止することはできません。車を走行させない以外に完全に虫の付着を防止する方法はないでしょう。では、コーティングは無意味なのかといえば、そうではありません。コーティングをすると虫が付きにくくなり、虫の付着を軽減させます。付いたとしても簡単に取り除きやすくなるので、コーティングをしておくことはプラスに働くでしょう。
虫対策!車に付いた虫を掃除する方法
最後に、車に付いてしまった虫の死骸を掃除して取り除く方法について解説します。
虫取りクリーナーを使う方法
こびりついてしまった虫の死骸を除去するには「虫取りクリーナー」が効果的です。
虫取りクリーナーは手軽に使えて、キレイに落とせます。前述のとおり、虫を放置したままだと車のボディの塗装にも悪影響なので、これで掃除してリスクを減らしましょう。
虫取りクリーナーは、配合されているケミカル剤によって虫の体液が分解され、汚れが落ちやすくなります。カー用品店などで虫取りクリーナーと作業用のペーパーウエスを購入して車内に常備しておくと、外出先でも虫の死骸の除去が可能なのでオススメです。
虫の死骸が汚れになるのは体液の酸性がボディの塗装に悪影響を及ぼすためです。2~3日放置しただけでシミになりやすく、それ以上放置するとさらに頑固な汚れになって、簡単には落としにくくなってしまいます。そうした汚れに対応するためには、ひどい場合はプロに依頼して余計な出費を強いられる結果になりかねません。
出張や旅行などで数日外出する場合、自宅にカー用品を置いておくと外出中は虫の汚れを取り除けなくなり、数日経過して頑固な汚れになりやすくなります。防ぐためには、外出先でも虫汚れの除去ができるように、虫取りクリーナーと清掃用品を車中に常備しておくことをオススメします。
虫取りクリーナーを使って車の虫汚れを落とす流れ
- 水で車全体のホコリや砂などを洗い流して予洗いします
- 虫の死骸が付着している部分へ虫取りクリーナーを吹きかけます
- 液が乾かないように注意し虫取りクリーナーに記載されている時間分放置します
- 乾く前にスポンジやマイクロファイバークロスで虫汚れを擦り取ります
- 虫汚れが取れたらクリーナーが乾ききる前に全体を水で洗い流します
- 水で洗い流し終えたら水が乾く前にクロスで水分を拭き取ります
注意するポイントは、虫取りクリーナーによって放置時間が異なるため確認することと、乾ききる前に擦り取ることです。乾いてしまうと傷がつく可能性が高くなります。
また、広範囲にクリーナーを吹きかけるのではなく、虫汚れの部分ごとにクリーナーで取り除くようにしましょう。洗い流した後の水分のふき取りは吸水クロス等を使用し、時間をかけず早めに拭き取ると水滴跡などが残らず綺麗に仕上げることが出来ます。
虫の汚れを水で洗い落とす
虫取りクリーナーなどのカー用品を使わずとも、虫が付いてしまってからすぐであれば、水やお湯で洗い落とすのも十分に可能です。外出先などで気付けば虫がついていた時、簡単に虫汚れを取り除く方法をご紹介します。
水で落とすには、高圧洗浄機やホースで水圧を起こすことが出来れば手早くきれいに落とすことができます。しかし、高圧洗浄機を持っていない方や外出中で高圧洗浄機などがない場合には、ペットボトルに水を入れて持ち歩くことで外出先でも虫汚れの除去に対応しやすくなります。
早めの対策限定!虫汚れを水で落とす方法
- 虫の汚れが付いている部分に水をたっぷりかける
- 水に浸したクロスやスポンジで虫汚れに水を含ませふやかす
- やわらかくなったらクロスやスポンジで拭き取る
- 虫の汚れがとれたら乾く前に吸水タオル等で水分を拭き取る
水ではなく少し温度の高いお湯であれば、ふやかしやすく、よりキレイに取れるでしょう。ただし、虫取りクリーナーに比べて確実に汚れを落とせない場合があるので、気づいたらすぐに虫汚れを乗り除くことが必要です。また、水で洗う場合は拭き取りをしないと水滴跡によって車体にウォータースポットが出来てしまうことがあるので、拭き取るものを前もって用意しておきましょう。
虫汚れを落とすためのアイテムは常備できるものがおすすめ
虫取りクリーナーは使い捨てのふき取り用虫取りクロスなども市販されています。車内に常備しやすいアイテムになりますので、普段あまり高速道路や夜間に走行する機会が少ないという方は載せて置いて、気になった時にすぐに拭き取ると良いでしょう。
ただ、よく虫がつきやすい条件下での走行をする方であれば、虫取りクリーナーや使い捨て拭き取りクロスはコストがかかってしまいます。水を確保できる場所であれば、空のペットボトルだけ常備しておけばすぐに対応できますので、高速道路で移動中に付着して気になったという時はサービスエリアなどで停車した際にすぐに取り除くようにすると、水でも落としきりやすいでしょう。
また、前もってコーティングをすることで水だけでも虫汚れを落ちやすくすることが出来るので、ご自身の運転される環境次第で対応方法を合わせることをおすすめします。
また、あくまで水で落とす場合は、虫が付いたばかりで固まっていない状態であることを前提としています。すぐにであれば落としやすいかもしれませんが、ある程度時間が経過していると水だけでは落とせない可能性が出てきます。一日経過すると乾ききって張り付いてしまうこともありますので、早めの対策が良いでしょう。
まとめ
車を走らせる以上は、虫がついてしまうことを完全に避けることは不可能に近いです。
そのため、基本的に虫が付いた後に対応することになりますが、あらかじめコーティングしておき、専用のクリーナーを用いることで影響を最小限に抑えることができます。
放置すると塗装に悪影響なので、少なくとも水で洗い落とすなどして対応してください。
なお、訪問査定なしのカーネクストに車を売る場合は、塗装面に虫が付いてしまっていても査定額には影響はありません。