日常的に使うものとしては、高額商品といえる車。せっかく購入したのであれば、できるだけ長く安全に乗り続けたいものです。
ここでは、車を長持ちさせるための秘訣を解説します。できることは自分で行い、車の寿命を伸ばしましょう。
自分でメンテナンスをするメリットとは
車を長持ちさせるための秘訣として、自分でメンテナンスすることをおすすめします。
車検やディーラーの点検に任せるだけでなく、自分でもできる範囲でメンテナンスをするのです。まずは、自分でメンテナンスをするメリットを確認しましょう。
車検の費用負担が軽くなる
車を持っている人を毎度悩ませる、車検費用。安全な車を維持するために必要といえども、やはり金額の高さには辟易してしまいます。
しかし、自分で車をメンテナンスすれば、車検時に整備する箇所が少なくなることも。直すべきところが少なくなれば、それだけ車検費用は安くなります。
車検の費用負担が軽くなることで節約につながり、経済的な余裕も出てくるでしょう。
故障を予防できる
常日頃から車を自分でメンテナンスしておけば、故障の予防につながります。
運転中の故障は事故につながる可能性も高くなるため、事前におかしなところがないかチェックしておくことで、自分の身を守ることができるのです。
「メンテナンス」を難しく考えない
メンテナンスと聞くと、ボンネットを開けて小さな部品を取り出してという大々的な作業をイメージしてしまいがちです。
しかし、それだけがメンテナンスではありません。あまり難しく考えず、自分でできる範囲でメンテナンスをしてみましょう。おかしなところがないかチェックすることも、立派なメンテナンスです。
安心して安全な車に長く乗ることができるよう、自分でメンテナンスを取り入れましょう。
車の心臓部分、エンジンオイルのメンテナンス
まず、車を長持ちさせる秘訣として、エンジンオイルのメンテナンスが挙げられます。
エンジンオイルの役割
エンジンオイルの主な役割は潤滑、密封、冷却、洗浄、防錆の5つ。これらの役割をエンジンオイルが担っているから、エンジンが動くのです。
エンジンオイルは寿命を超えて無理に使用しても即座に問題は起きません。しかし、劣化が進むと性能が低下し、徐々に車の燃費悪化やパワーダウンにつながるのです。
また、オイルが漏れることでエンジンが傷み、故障や引火の原因にもなり得ます。
エンジンオイルのメンテナンス方法
エンジンオイルのメンテナンスでチェックすべきポイントは、量・状態・漏れです。
まずは、オイルレベルゲージという棒状の測定器具を用いて量を測定します。
オイルレベルゲージはエンジンに付いていて、先端がオイルパンに浸かっているのが特徴です。引き抜いて付着しているオイルを拭き取り、もう一度差して引き抜けば、どの程度オイルが残っているかがわかります。
下限と上限を表す目盛りが付いているので、その間にエンジンオイルがあれば問題ありません。
エンジンオイルの交換時期は走行距離と使用時間によって決まりますが、車種によっても大きく異なります。そのため、月に1回を目安にして、下限よりも少なければオイルを交換しましょう。
オイルレベルゲージに付着したオイルで、状態もチェックできます。黒っぽく透明感がなくなっていると、劣化しているサインです。
そして、エンジンオイルが漏れていないかを確かめましょう。ドレンプラグやオイルフィルターの取付部など、車の低い位置ではエンジンオイル漏れを起こしやすいので、特に念入りにチェックしてください。
乗車員の安全に直結する、タイヤのチェック法
タイヤの状態をチェックすることも、車を長持ちさせる秘訣の1つです。
タイヤは車全体を支えながら、走る・曲がる・止まるなどの動作を細かくコントロールしています。そのため、タイヤの不具合が原因による事故は、重大なものが多いのが特徴です。
例えば、タイヤの溝がなくなっている状態で運転すると赤信号で早く止まれず、前の車に追突する事故が起こります。
また、タイヤの空気圧が低い状態で運転したことでバーストしてしまい、ハンドルが制御不能になって事故を起こすというケースもあるのです。このような重大事故を起こさないよう、タイヤのメンテナンスを定期的に行いましょう。
タイヤのチェックポイント
自分でメンテナンスをするとき、確認すべきポイントは以下のとおりです。
- 空気圧が適正か
- 溝が十分に残っているか
- 偏摩耗していないか
- 傷がないか
- ひび割れしていないか
- サイド部が膨らんでいないか
不自然に摩耗していたり、傷がついたりひび割れていたりした場合、走行に悪影響が出ます。明らかに正常ではない場合は、すぐにタイヤを交換しましょう。
タイヤの空気圧はガソリンスタンドで簡単にチェックできるので、ガソリンを入れたついでに確認してみてください。また、新品のタイヤには8mm程度の溝があります。大体残り3〜4mmほどになると性能が落ち始めるので、交換を検討しましょう。
晴れた日のうちにしっかり!ワイパーのチェック
晴れている日にチェックしておくべきなのが、ワイパーです。車を長持ちさせるための秘訣として、ワイパーのメンテナンスも怠ることはできません。
ワイパーのメンテナンスをすべき理由
ワイパーが劣化したまま運転すると、フロントガラスの雨水を綺麗に拭き取れず、視界が悪くなります。その結果、前の車との車間距離がつかめず、追突事故につながることがあるのです。
さらに、ワイパーのゴムが切れたり劣化したりした状態で使用を続けると、金具部分がフロントガラスに接触して傷が付く可能性も高いです。
ワイパーの交換時期
ワイパーは雨風や紫外線にさらされているので、劣化しやすい部品です。
しかし、ワイパーブレードのメンテナンスをしていない方は多く、2年に1回車検時に交換することが多いです。ワイパーゴムの寿命は1年といわれているので、不具合を見付けたら自分で交換しましょう。
ワイパーブレードもゴムも、ホームセンターやカー用品店で購入できます。自分の車に合ったものを購入しなければならないので、車名や型式などをメモして、合致する商品を購入してください。
異音がする…などの異常が見られる!すぐに整備工場へ
車に何か致命的なトラブルが発生する前には、必ず前兆があるもの。
その前兆を見逃さないためにも、こまめに自分でメンテナンスを行うことが車を長持ちさせる秘訣です。
多くの場合、車の不具合の前兆として発生するのは異音でしょう。車を使う際は車から変な音がしないか、常に気を付けておく必要があります。
気を配っておけば走行中やメンテナンス中に異音に気付くことができ、重大な事故の発生を抑えられるはずです。異音などの異常に気づいたときは、気のせいだと思わずすぐに整備工場で見てもらってください。
あのとき工場に持っていけばよかったと後悔しないよう、早めの対策が肝心です。
自分で洗車をすることでボディの傷や異常がないかをチェック
車を長持ちさせる秘訣であるメンテナンスの一貫として、自分で洗車をするのもおすすめです。
自分で洗車をすれば車に傷がついていないかチェックできますし、異常があった場合もすぐに発見できます。また、自分で洗車をすることで、車への愛情がより深まることでしょう。
ガソリンスタンドの洗車機を使えば手軽に済みますが、洗車機のジェット水流はボディに小さな傷を作ってしまいます。
自分で洗車をするのは面倒に感じるかもしれませんが、正しく洗えば洗車機を使うよりも優しく洗えるので、長持ちさせたいのであれば手洗いがおすすめです。
自分で洗車をする際のポイント
意外と知られていませんが、洗車をする際は以下のポイントを守りましょう。
- 曇りの日か、早朝や夕方に行う
- ボディより先にタイヤやホイールを洗う
- ゴミを落としてからスポンジで擦る
- ジェット水流は基本的に不要
晴れた日の昼間に洗車をしたくなる気持ちはわかりますが、天気がよいときに洗車すると、ボディに残った水分が乾燥して白い斑点のように残ってしまいます。
これはウォータースポットと呼ばれるもので、せっかく洗っても汚れているような見た目になってしまうので注意してください。
また、ボディより先に泥などの汚れが付着しているタイヤを洗いましょう。
ボディを洗うときは、砂やホコリなどの小さな汚れを水で洗い流してから、スポンジを使って洗います。基本的に手洗いの際は、ジェット水流など水の勢いで汚れを飛ばす道具は不要です。
慣れるまでは大変かもしれませんが、以上の点を守って洗えば車は綺麗に長持ちします。愛車の異常に早く気付けるようになるためにも、洗車は自分で行いましょう。