数年前までは聞きなれない言葉だったカーリースも、近年は車のサブスクリプションサービスの普及もあり聞いたことがある方、知っているという方が増えたように感じます。カーリース事業自体も、以前はレンタカー会社が運営していることが多かったのですが、今は自動車メーカーが直接、自社の車をサブスクサービスとして提供している場合も増えています。
こちらの記事では、普及し始めているカーリース(車リース)とはどんなサービスなのか、カーリースにはどんなメリットやデメリットがあるのかについて詳しく解説します。現在行われている人気の個人向けカーリースのサービスも、いくつかご紹介していますので参考にご覧ください。
個人向けカーリースの仕組みとは?
カーリースというと法人や個人事業主など業務に使用する車のリースをして、賃借契約期間後に返却をするというイメージを持っている方も多いでしょう。まずは、法人とは異なる個人向けカーリースの仕組みについて解説します。
カーリースは月額料金のみでマイカーに乗れる仕組み
個人向けカーリースは、リース会社に月額料金を支払うだけで、ご自身で選んだ新車に乗ることが出来るサービスです。新車を購入するためにローンを組み、カーローンの残債を毎月支払って完済することと同じように思う方もいらっしゃるかもしれませんが、大きく異なるポイントがあります。
カーリースの月額料金には車の税金やメンテ料金が含まれている
個人向けカーリースの特徴として、月額料金に車両本体価格の分割払いだけでなく、自動車にかかる税金やリース契約期間内にかかる車検代、車のメンテナンス料などが含まれているということは車をローンで購入する場合と異なります。カーローンの場合、税金やメンテナンス費用などはご自身で払う必要があり個人的な負担が増えてしまいます。定期車検の費用や毎年の自動車税は、二年毎や毎年と支払いがあり、金額も決して少なくありません。カーリースの場合、月額料金プランを選ぶことによってメンテナンスの内容の差はありますが、自動車税等の負担は使用者にはありません。
個人向けカーリース、マンションの賃貸契約に似ている?
個人向けカーリースの場合、リース会社と契約を結ぶだけなので、車の所有者はリース会社であり、ドライバーは使用者という立場です。車両新車購入価格から契約期間内に支払う金額を引いて残る残価を設定し、契約期間が終了した時に支払ってその車を買い取るか、残価は支払わずにリース会社に返却するか選択することが出来ます(選択できないプランもあります)。その点ではアパートの賃貸借契約に似ているかもしれません。
ナンバープレートの登録番号を自由に選べる
リース会社によっては、国産車の中から自由に車種を選べて、グレードや色、ナンバープレート(車両登録番号)の指定、オプションの追加も可能です。レンタカーと違ってカーリースのナンバープレートの表記は「わ」や「れ」ではなく、普通の車と同じひらがなとなります。リースと気づかれることなく車を使用することが出来るので、レンタカーを借りると印象が気になるという方にもおすすめのサービスといえるでしょう。
法人契約などでカーリースをご存知だったという方も、個人向けカーリースがあるとは知らなかった方も多いようですが、実はこの維持費が少なく抑えられる点や、まとまったお金の用意が難しいというユーザーから、個人向けカーリースはメリットが大きいと認知度が上がっているのです。現在はカーリースという名称ではなく、車のサブスクリプションとしてサービス展開されている業態もあります。
新車でもカーリースなら1万円からOK!リースが安いのは何故?
個人向けのカーリースは、リース会社にもよりますが、月額1万円台から利用できるところが多くなっています。月額料金が1万円台の場合、選ぶことが出来る車種は基本的に軽自動車が多くなっているようです。
リース契約の期間は短期であれば半年から、長期になると長いリース会社で11年のところもありました。契約のタイミングは車検と同時期に設定しているところがほとんどです。契約期間内の月額料金については、インターネットで見積もりがとれたり、シミュレーションできるようになっています。
カーリースの月額料金に含まれるもの、含まれないもの
カーリースの月額料金に含まれるものは、契約期間に相当する車両本体価格の分割払いと各種税金、自賠責保険料、車検代、メンテナンス料などを総計し、契約期間で均等割にした金額が月額料金となります。一般的なカーリースのプランに含まれるものを以下の表にまとめました。
個人向けカーリースの月額料金に含まれるもの
重量税 | 自動車税 | 環境性能割 |
自賠責保険料 | 車両登録費用 | その他諸費用 |
仲介手数料 | お客様サポート料 | 車両本体価格 |
さらに月額料金の中に定期メンテナンス費用や、車検費用を含めるプランがあるリース会社もあります。
個人向けカーリースの月額料金に含まれないもの
車の駐車場代 | 車のガソリン代 | 任意自動車保険 |
リース契約する期間によっては自分で新車を購入して維持費を支払うよりも、カーリースを利用したほうが安上がりになることもあります。車を返却することを前提としたカーリースは、車両本体価格のうち、車の残価を設定出来るため、分割で月額支払うのは残価を除いた車両本体価格だけになります。そのため、新車購入費用で全額支払うことに比べると金額が下がります。
この残価設定とは、リースの契約期間が終了した時点における車両の予定価格(価値価格)を指します。例えば、150万円の新車を7年間リースする場合、7年後の残価設定を30万円に設定したら、支払うのは120万円分だけです。その分、毎月のリース月額料金を安くできるのです。カーリースのお得な仕組みをご紹介しました。次項では実際にカーリースを個人で利用する時の流れをご紹介します。
カーリースをしたい時はどうする?
どのように個人向けカーリースを利用して、車をリースすることが出来るのか、リース契約開始から納車までの流れや、カーリース契約をする上での注意点をご紹介します。
カーリース契約の前にまずは見積もりをとる
法人向けリースが主体であった以前までは、カーリースの契約をするためには、リース会社にリースを希望する使用者本人が出向いて契約を行うことが一般的でした。ところが、現在はインターネットを利用し、使用者自身が乗りたい車の車種やグレード、ボディカラーやオプション装備などを伝えるだけで、月額料金等のシミュレーションが出来て契約内容の確認や申し込みまで完了することが出来るようになりました。
スムーズにカーリース会社へ希望を伝えるため、予めチェックしておくことをおすすめする項目がこちらです。
カーリースで見積もりをとる前のチェックリスト
- リースしたい車のメーカー・車種・グレード・ボディカラー
- カーナビやETC、メンテナンスなどのオプションをつけるかどうか
- リースする賃貸契約期間
- 予算
例:長期出張により出張先で車が半年間必要なためのカーリースをしたい
出張先ではビジネスとしても車を使う可能性があるので、ボディカラーを白や黒、またはシルバーが希望。出張先は知らない土地のため、カーナビを付けておきたいという要望があります。特に出張期間までに間に合わせる必要があるため、契約開始期間までに希望の車の準備が出来るかは確認が必要です。
このように、見積もりをとる前に必ず抑えてほしい要点をリース会社に伝えると、見積もりや日程の相談もスムーズです。また、希望車種が選べない時も予め連絡がもらえます。リース後に残価を支払い車を買取する可能性がある方は、車種やグレードの希望など希望を伝えてもすぐには調達が難しいことがありますので、早めに相談しておきましょう。
カーリース契約をする時は審査が発生
見積もりの内容を確認し、契約の意向があるとなった場合はリース会社より審査を受けます。賃貸契約になるため、返済能力があるかどうかの審査は必ず発生するでしょう。審査に通れば、リース契約内容の契約書が届くので必要な書類を記名捺印して返送し、リース会社に到着すれば締結です。
カーリース契約後、車両が納車される
契約が完了するとリース会社が提携するディーラーから希望の新車を調達します。その間に自分で車庫証明を取得するなどの手続きが必要です。新車のため、受注になると数日程度で納車できるところもあれば、1~2ヶ月ほどかかるところもあります。特に人気車種は待つ可能性がありますので、車が必要になるタイミングに間に合うよう早めに動くようにしましょう。
納車は自宅まで届けてくれたり、店舗まで取りに行かなければいけなかったりするなど、リース会社によって様々です。契約の始期は税金や車検の都合上、ナンバーを取得した登録日となります。納車日前委に契約していると数日ほど早い場合があります。
カーリースを利用する時の注意点
カーリースはあくまでも所有者(リース会社)の車を借りているだけなので、利用にあたっては様々な制約がありますので、注意しておかなければいけません。そのため、リース会社の説明にはしっかりと耳を傾けて、本当に自分の使い方にカーリースが合っているのか確認しましょう。
カーリースする前に「審査・契約の条件」を確認
カーリースは契約期間中、リース車両の使用条件を決められていることがほとんどです。
例えば走行距離です。1ヶ月あたり平均走行距離を1,000~2,000kmを上限としているところが多く、超過すると契約満了時に追加料金を支払わなければいけません。走行距離によって車の価値が設定した残価を下回る可能性があるからです。
同様に傷や凹み、汚れも追加料金を請求されます。JAAI(日本自動車査定協会)が発行する「中古自動車査定基準及び細則」によると、中古車の標準は外装や内装が無傷で、事故による修復歴や改造が無い状態です。さらに定期点検や整備を欠かさず受けているのが前提となります。ここから傷や凹み、汚れがあると減点されますが、外装は1cm未満の傷や凹みなら減点の対象外です。
査定の基準はリース会社によって異なりますが、通常は契約期間利用したときの走行距離や劣化状況を考慮して、残価を設定しています。それを超えてしまうと、追加料金を請求されると考えておきましょう。
リース契約期間中の中途解約は注意が必要
特に気をつけたいのが中途解約です。ライフスタイルによって最適な車は変わりますし、家庭の事情で車が必要なくなったり、月額料金を支払えなくなったりすることも無いとはいえません。カーリースでは中途解約を受け付けていないところが多く、どうしても解約をしたいと希望する場合は、支払予定額を一括で請求されます。
これらはリース会社の説明だけではなく、契約書にも明記されているので、どのようなリスクがあるのか把握しておきましょう。
月額料金の支払いプランもチェックする
また、リースの月額料金の安さにも要注意です。先述のとおり、月額料金には車両本体価格の分割払いと各種税金、自賠責保険料、車検代、メンテナンス料などが含まれています。ですから、カーリースといえども相応の月額料金がかかるはずです。
極端に安いのは、月額料金の他にボーナスの際に別途支払いがあったり、車両本体価格以外の費用が別料金になっていたり、選べる車が限られたりするなどの裏事情があります。小さく表記するなどしてミスリードを招く悪質な業者も少なくありません。残価をありえないほど高く設定して、契約期間が終了したときに不足分を請求するところもあります。
月額料金にどこまで含まれているのか、別料金はないのか、残価は適切なのか、不明な点があれば契約前に確認しておきましょう。
カーリースのメリットとは?車を買うよりもお得?
カーリースは車を買うのと比べて、どのような利点があるのでしょうか。レンタカーやカーシェアとも比べてみましょう。
車のローンではなくリースなので維持費が安い
新車は安くても100万円ほどしますから、多くのドライバーにとって一括払いで購入するのは現実的ではありません。ローンを組むのが一般的ですが、それでも自動車取得税や自動車税、自動車重量税、自賠責保険料など頭金として最低でも10~20万円ほどが必要です。
さらに、購入したあともローンの支払いに加えて、不定期に維持費が発生します。税金や自賠責保険料は金額が決まっていますが、整備や点検にかかる費用は実際に受けてみないと分かりません。
その点、カーリースは月額料金を支払うだけですから、最初にまとまった金額を用意しなくても新車に乗れます。月額料金は1万円台からなので、大きな負担にはならないでしょう。ドライバーはガソリン代や任意保険料、駐車場代を気にするだけで済みます。
リースによって車の管理が楽になる
リース会社から指定されたとおりに定期点検や整備を受ければ、ドライバーが意識しなくても常に良いコンディションで車に乗れるはずです。リース会社としても自社で点検や整備することで、残価どおりの状態を保ちやすくなり、返却された車両の再販もしやすくなります。
他にも、車は7年以上乗り続けると、経年劣化による不調が表れてきやすいものです。カーリースなら、契約期間を3年や5年に設定も出来るので、年式が古くなってくることに対する悩みとも無縁で居られるでしょう。契約終了後、引き続き次の新しい車をカーリースで利用すれば、まとまったお金を用意せず、定期的に新しい車に乗り換えることが可能になります。
レンタカーとカーリースでお得なのは?
レンタカーは、必要なときだけ車を借りれば購入するよりも安上がりで維持費の負担もなく、任意保険に加入する必要もありません(レンタカー会社によります)。ただし、月に4~5回以上レンタカーを利用するのであれば、カーリースよりもレンタカー料金のほうが割高になります。
短時間の利用ならカーシェアなどのレンタルの方法を選ぶことで費用を抑えられますが、利用したいときに車があるという保証がありません。また利用する車種も限定されてしまいます。
車の利用頻度や利用の仕方によっては、カーリースのほうが使い勝手に優れているでしょう。
法人のカーリース利用も節税のメリットが
企業で車を保有すると固定資産という扱いになり、経費として処理するには長期(一般企業の乗用車なら新車で6年)にわたって減価償却しなければいけません。他にも、税金や自賠責保険料の支払い、車の整備や点検といった煩わしさも発生します。
カーリースなら月額料金は賃借料になるため全額経費として処理することが可能です。税金や自賠責保険料の支払い、車の整備や点検もリース会社が全部引き受けてくれます。契約期間が終了したら、返却して新しい車をリースできるため、乗り換えも簡単です。企業にとっては車にかかる資金や労力を、本来の事業に注ぎ込めるというメリットがあります。
お得なカーリースにもデメリットがある?
カーリースにはメリットが沢山あることをお伝えしました。しかし、カーリースにはデメリットもあります。カーリースはお得ですが、デメリット次第で損をすることもあります。
常に車を気にしながら運転しないといけない
リースした車の所有者はリース会社であり、ドライバーは使用者という位置付けです。通常通り運転し使用する分には問題ありませんが、契約期間中には様々な制約があります。
リースした車は、リース会社が設定したとおりの価値を保った状態で返却しなければいけません。走行距離を超過したり、車体に傷を付けたりすると返却をする時に追加料金を請求されるのもそのためです。走行距離については、よほど遠出をしたり遠方に通勤したりしない限り月1,000km以内に収まるでしょう。リース会社によっては、月の走行距離平均を1,500kmまでとしているところもあります。走行距離がネックになる方は少ないでしょう。
むしろ、車体の状態に気を遣いながら運転することに苦痛を感じるドライバーは多いかもしれません。特に内装の汚れなどを心配されるとすれば、小さなお子様がいらっしゃる家庭であればなおさら心配でしょう。
また駐車場を借りる場合、隣の車のドアパンチを受けそうなところは停められませんし、自宅で保管するときは外装に傷をつけられないようにいたずらを防ぐ対策をしなければいけません。ご自身の名義として車を購入するのと比べると、はるかに面倒だと感じます。
契約期間満了時の支払いが想定より高い?
車の契約期間が満了になると、残価設定していた金額を支払うことでカーリースしていた車を買い取ることもできます。しかし、単に残価を支払えば良いわけではなく、契約期間中の金利が上乗せになります。残価を支払う時に、まとまったお金を用意しなければいけませんし、金利と残価を支払って車を買うとなると、リース契約期間中に支払った金額の総合計と合わせて比べると、結果として最初からカーローンを組んで購入するよりも割高な金額になります。
車を一括払いで購入した後や、カーローンを組んで購入し完済後に手放す時の買取価格と、上記と同じ所有期間リースして買取る時に払う残価の金額を比べると、買取価格の方が高くなる可能性もあります。残価金額以上の価値が車にあれば、残価を支払って自分の所有する車にしてから売却すれば、差額ででたプラスの買取価格を手に入れることが出来ます。
オープンエンド方式とクローズエンド方式に注意
リース車の残価設定は、オープンエンド方式と、クローズエンド方式があります。
オープンエンド方式とは、最初のリース契約時に月額料金を抑える代わりに残価を高く設定し、リース契約期間後に車の価値が当初の設定残価価格よりも下回った場合、差額の金額を支払わなくてはいけません。残価を高く設定し、月額料金は安くなる分お得ですが、車の価値がモデルチェンジや生産終了などがあって大きく下がった場合は支払う差額が多くなるため、リスクがあります。
クローズエンド方式であれば、リース契約開始前にリース会社が設定した残価価格から、契約終了時の残価価格が変わることがありません。車の価値が下がってしまってもリース会社の責務となり、差額を支払う必要がないのです。しかしクローズエンド方式の残価設定の場合、基本的に残価を支払って買取をする選択ができません。
車の乗り換えを安定して行いたいという方にとっては、クローズエンド方式が、車の買取を行う予定がある方はオープンエンド方式があっているといえるでしょう。
もしもリース車で事故を起こせば違約金が発生することも
カーリースで最も大きなリスクは事故によるリース車の破損です。特に修理できないほど壊れてしまった場合(全損)は、契約を継続できなくなり、中途解約と同様に違約金が発生してしまいます。全損時の違約金は残りの支払予定額に加えて残価が上乗せされるため、中途解約よりも高額です。
こうした事態に備えて、カーリースでは任意保険に加入して車両保険を付帯するのが必須です。ただし、一般的な車両保険では車の再調達価額までしか保証してくれないため、そのままでは違約金を下回る恐れがあります。 最近では、カーリース向けに違約金まで補償してくれる特約があるので、付帯しておきたいところです。
カーリース会社の中には自社で任意保険を用意し、月額料金の中に含めたプランを設定しているところもあります。 事故時の負担をできるだけ抑えるためには、本来の事故対応に加えて必ずリース会社に連絡し、指定された工場で修理しなければいけません。事故でできた傷がどんなに軽微であっても同様です。これらを守らないと、後で追加料金や違約金を請求される恐れがあります。
任意の自動車保険を加入する時に、車両保険や違約金の補償特約まで付帯すると、毎月の保険料の設定が高額になる可能性があります。せっかくリース契約の月額料金が安くても保険料を加えると、カーローンを組んで新車購入し、車両保険を付帯するのと、毎月の支払いによる負担はあまり変わらないかもしれません。
個人向けカーリースを利用するのに向いている人は
ここまで説明したとおり、カーリースはメリットが多い反面、デメリットやリスクもあります。車の利用状況や車の扱い方、家族構成など、どんなドライバーにとってカーリースは向いているのでしょうか。
個人向けカーリースに向いている人はどんな人?
- まとまった出費を抑えたい学生や新社会人
- 定期メンテナンスの手配やスケジュール管理を任せたい人人
- 最新の安全技術が搭載された車両に乗りたい人
まとまった出費を抑えたい学生や新社会人の方
カーリースは月額料金が定額で、車によっては1万円台から利用できます。その中には税金や車検代などが含まれているため、突発的な出費もありません。まとまったお金を用意するのが難しく、毎月の出費を抑えたいドライバーには重宝するでしょう。
定期メンテナンスの手配やスケジュール管理を任せたい人
また、カーリースはリース会社によって、あらかじめ点検や整備の時期が定められています。これらを守れば、常に良いコンディションで車に乗れるわけです。自分で点検や整備するのは難しかったり、面倒だったりするドライバーにとっては、指定された時期に工場へ行くだけですから負担になりません。
最新の安全技術が搭載された車両に乗りたい人
常に最新の技術を搭載した車に乗りたいドライバーにも向いています。車の進化は目覚ましく、このようなドライバーには、3年も同じ車に乗ると時代遅れに感じてしまうでしょう。カーリースなら契約期間が終了すれば最新の車に乗り換えるのも簡単です。また、新車で乗り換えになるため、燃費が良い車に乗りやすいのもメリットでしょう。月額のリース料金と燃料費が負担となるため、燃料費を抑えられる点は大きなメリットになります。
個人向けカーリースに向いていない人はどんな人?
- 長く同じ車に乗り続けたい
- まとまった金額を用意できるので資産として所有したい
- 車にこだわりがありカスタマイズなどを行いたい
- 毎日の通勤で長距離移動が多い
長く同じ車に乗り続けたい
逆に向いていないのは、1つの車にずっと乗り続けたいドライバーです。カーリースは契約期間が終了したときに車を返却すれば安上がりですが、買い取りを選択すると、ローンで購入するよりも高くついてしまいます。
まとまった金額を用意できるので資産として所有したい
一方、一括払いで購入したりローンを完済したりした車は資産となり、下取りで新たな車に乗り換えられるだけではなく、必要に応じて現金化することも可能です。
けれども、カーリースはずっと賃借料を支払うだけなので、契約期間が終わっても買取しなければ何も手元に残りません。次もカーリースを利用しないのであれば、一から購入費用を貯めるか、ローンを組むことになります。
車にこだわりがありカスタマイズなどを行いたい
車を自分好みにカスタマイズすることや、改造を行いたいドライバーにも向いていません。あくまでもカーリースは原状のまま返却するのが原則で、カスタマイズや改造した場合は元に戻す必要があります。
毎日の通勤で長距離移動が多い
月に1,000~2,000km以上走る長距離ドライバーも、慎重に考えたほうが良さそうです。例えば東京と大阪間を1往復するだけでも1,000kmを超えてしまいます。毎日の通勤が往復で50km以上ある場合も1ヶ月で1,000kmを超えてしまうため、リース契約条件と合わなくなり、乗り放題プラン等による月額プランを変えなければ利用自体出来ない可能性があります。
個人向けカーリースが出来る主な会社
カーリースもしくは車のサブスクリプションを行っている会社は、全国に数多くあります。それぞれにリースできる車の種類や、契約期間の設定、月額料金が異なります。ご自身の利用目的にあったリース会社を選びたいところです。ここでは、独自のカーリースサービスを展開している3社についてご紹介しています。
コスモMyカーリース(コスモ石油)
「コスモMyカーリース」はコスモ石油のサービスです。インターネットだけではなく、全国にあるコスモ石油のサービスステーションで契約することも可能です。
- サービスステーションまたはインターネットより車種・プランを選び見積もり請求
- 審査申込み(結果のご連絡まで3~7日程度)
- 審査合格の場合、サービスステーションで発注内容確認
- 契約書作成、必要書類の提出後契約完了
- サービスステーションにて納車
自宅付近にコスモ石油のサービスステーションがあるのであれば、立ち寄りやすく見積もりなども確認しにいきやすいというメリットがあります。
また、コスモ石油が直営のためコスモ石油の指定カードによる給油であれば、ガソリン代が値引きされるプランがあります。プランはゴールド・シルバー・ホワイトと分かれています。ゴールドならフルメンテナンス費用や税金、整備、車検費用などが月額料金の契約に含まれていて、万が一のロードサービスもついています。シルバーは車検やメンテナンス費用は含まれますが、整備費用やロードサービスはありません。ホワイトプランは自動車にかかる税金を含めての月額料金です。
リース契約期間は3年(36か月)、5年(60か月)、7年(84か月)の3つから選ぶことが出来、現時点では5年コースを選ばれている方が比率として多いようです。走行距離の制限は月1,000km以内が標準とされています。頭金・ボーナス払い設定も用意されているので、まとめてのお支払いが出来るタイミングがあるという方は、設定をすると月額料金をおさえることが可能になります。
また、運転免許の自動車教習所とリース契約がセットになったプランも用意されています。新社会人や学生の方にとっては、教習費用と車購入費用の金額を用意したり、ローンを組むのは難しくハードルが高いと感じる方も多いでしょう。コスモマイカーリースであれば、まとめての月額支払いが可能となるため、まとまった費用を準備するのが難しい方にとっても、初めて車を所有するきっかけになるのではないでしょうか。
他のカーリースに比べるとプラン次第の月額料金設定は割高かもしれませんが、その分しっかりとサポートを受けられるのがメリットです。普段からコスモ石油で給油しているなら、より利便性が高まるでしょう。
カーリース・オンライン(オリックス自動車)
カーリース・オンラインは、オリックス自動車の運営するマイカーリースサービスです。
リースのお申込はインターネット上で受付し、審査が通れば電話で内容を確認、書類は郵送で対応、車の納車はご自宅までという流れですので、ユーザーが直接どこかに行く必要はありません。
リース車のメンテナンスは指定工場で行います。実店舗を持たないために月額料金が1万円台からと抑えられているのが特徴です。車は国産の乗用車すべてから選べて、新車だけでなく中古車のリースも可能です。エンジンオイルやオイルエレメントの交換、車検代はクーポンの利用で無料になります。
カーリース・オンラインの新車リース契約プラン
契約年数 | 返却可能になる年数 | |
いまのりくん | 5年 | 2年経過以降 |
いまのりセブン | 7年 | 5年経過以降 |
いまのりナイン | 9年 | 7年経過以降 |
新車のリースプランは3種類あり、それぞれの契約満了期間より2年前の経過年数以降であれば、自由に乗り換えまたは返却ができます。家庭環境や家族構成などライフスタイルの変化による乗り換えにも柔軟に対応できるでしょう。早く返却しても走行距離や車体の状態に問題が無ければ、違約金は発生しません。さらに、いまのりセブン(7年)、いまのりナイン(9年)は、契約満了まで乗り続けると追加料金無しで無償で車をもらうことが出来ます。いまのりセブンで満了後にリース車を返却することを選んだ場合は、キャッシュバック(4年間リース料の20%分)を受け取ることが出来ます。
インターネット上で契約できるため、近くにリース会社が無くても利用できるのが強みです。中古車をリースして費用を抑えることもできます。一方で、問い合わせは電話とメールに限られるため、行き違いが発生するかもしれません。また利用にあたっては、ある程度の車やカーリースの知識は持っていた方が安心でしょう。
Carsma(住友三井オートサービス)
住友三井オートサービスは法人向けのカーリースに力を入れており、メンテナンスだけではなく、車両管理やコンプライアンス、安全運転のサポートも行っています。特に次世代モビリティ導入サポートに力を入れており、電気自動車や水素自動車などの次世代モビリティを企業が導入するきっかけにもなっています。電気自動車となると充電器等インフラも必要となりますが、住友三井オートサービスではインフラも含めての運用サポートを行われています。
個人向けカーリースでは、「Carsma」というサービスを提供しています。リース契約期間は、3年・4年・5年・6年・7年から希望の期間を選ぶことが出来ます。ご自身の予算や、使用状況によってお好みのプランを下記の3通りから選びます。
- フルメンテプラン
- マイメンテプラン
- メンテなしプラン
メンテナンスにこだわりがあったり、指定工場以外でメンテナンスを受けたい方や、月々のリース料を抑えるならメンテなしプランがあります。車の使用頻度が高く、メンテナンスなどは内容も全て任せたいという方ならフルメンテプランが手間なくおすすめです。
Carsmaでは、他社で扱いの少ない軽バンなど商用利用で人気の車も個人向けカーリースで提供されています。Carsmaは応対店舗はなく、問い合わせ窓口はお電話またはお問い合わせフォームからのみとなっています。法人向けカーリースに比べると、個人向けはサポート面で物足りなさを感じるかもしれません。ただし、法人向けでのカーリースの強みを生かした車種の提供や、細かいメンテプランなどは利用次第でお得に感じるでしょう。
まとめ
カーリースは少ない費用で車を保有できるのが一番のメリットで、メンテナンスもお任せできます。一方で走行距離やカスタマイズが制限されており、傷を付けたり汚したりできないため、利用するときには、契約内容をしっかりと確認したいところです。乗り換えも簡単なので、常に最新の車に乗りたい人にも向いているサービスといえます。
カーリースを利用することになり、現在お持ちの車を手放すときは、リース会社では基本的に下取り等のサービスはありませんので買取業者へ車買取を検討してみましょう。特に年式が古かったり、走行距離が多かったりする車は、中古車買取店では査定が付きづらい傾向にあります。廃車買取であれば、古い車や多走行車でも買取が出来る可能性が高くなりますので、一度見積もりをとってみることをおすすめします。
車の買い替えを検討の場合には
今の車を処分して新車への買い替えを検討する場合、今の車を高く売る事でトータルコストを抑える事が可能となります。そこで必要になるのは車の売り先を海外販路持ちの業者にする事です。近年の傾向として日本で出た中古車は国内ではなく海外で売った方が高値になる事が多く、それに伴い輸出販路のある業者での買取額が上昇傾向にあるのです。
もし車を売る場合は、海外販路持ちのカーネクストをご利用いただき、少しでも高値で売っていただければと思います。カーネクストでも0円以上の買い取りを保証しております。たとえ買値がつかなくても、査定料や手続きにかかる費用、レッカー代は無料です。乗り換えをお考えなら、ぜひともご相談ください。