車のフロントガラスが汚れると目につきやすいこともあり、洗車時に合わせて掃除する方も多いでしょう。しかし、ガラスの内側については、定期的にお掃除できていない方も多いかもしれません。
外気に触れる機会は少ない車の内窓ですが、実はホコリやチリ、エアコンの外気導入に含まれる油分等で汚れています。この内窓の汚れは、結露の発生やガラス曇りの原因にもなりますし、視界不良になってと事故もつながる可能性も0ではありません。特に日本の夏(7月から8月にかけて)は湿度が最も高くなり、結露が起きやすい季節ですので早めの対策が必要です。
本格的な夏が来る前に、内窓の最適な掃除方法を知っておきましょう。こちらの記事では、車の内窓の掃除方法で綺麗に仕上げるコツや、おすすめの掃除アイテムをご紹介します。
車の内窓をきれいに掃除する方法
まず、車の内窓(フロントガラス・リアガラス・サイドガラスの内側など)を拭き掃除する際に用意するものは、使い込まれたタオル2~3枚です。
車のボディの洗車時に拭き取りで使うと、傷がついてしまいそうな使い込まれた綿タオルが、ガラスの拭き掃除には活躍します。新しいタオルではなく、吸水力があって小さな繊維が残ることもない、使い込まれた綿素材のタオルが一番おすすめとなっています。
車の内窓掃除を上手に進める手順
必要な分のタオルが用意できたら、水道水で内窓を拭き掃除する順番をご紹介します。
- 1枚目のタオルを水で濡らし、硬めに絞る
- 先ほど絞ったタオルで内窓を水拭きする(縦からと横からを交互に手早く)
- 水分が乾ききる前に、使用していない綿タオルで拭き取りする(1~2枚使用)
フロントガラスの奥やアンテナの裏側などの手が届きづらい部分は、ヘラにタオルを巻きつけて拭きましょう。サイドガラスを拭き掃除する際は、最初に窓を少しだけ下げた状態で拭き始めて、拭き取り終えたら次はすべて閉めた状態で拭くようにすると、窓枠で掃除しづらい部分も綺麗にすることができます。
拭きムラ・拭きスジをつくらないコツ
水道水を使うのではなく、精製水を使用することで、より拭きムラや拭きスジが残りにくくなります。水道水には、乾くと白くなるミネラル成分などの不純物が含まれています。しかし、精製水は純水になりますので不純物が少なく、拭き上げた時の拭きスジなども気になりづらい傾向にあります。
精製水はドラッグストアなどで販売されていて、水拭きのように完全に濡らして絞るのではなく、タオルにある程度直接かけてから拭くことがおすすめとなっています。
掃除が面倒、時間を掛けずに終わりたいと言う方は、精製水であればある程度拭き取りの工程を省いてしまっても、拭きスジなどを気にせず掃除を終わることができるでしょう。
内窓についたタバコのヤニ汚れを落とすコツ
車内で喫煙すると、内窓にはホコリやチリだけでなくヤニ汚れも付着します。ヤニ汚れは水溶性のため、まずは前述のように水拭きで拭き取りを繰り返します。ヤニ汚れの場合、白いタオルで拭き掃除をすると汚れが落ちるとともに、タオルの色が黄色くなっていきますので、タオルの色が変わると水で洗って汚れが拡がらないように気を付けましょう。ヤニに含まれる植物樹脂は油分になります。水拭きでは取り切れない油分については、乾いたタオルで拭き取りまで終えた後に、無水エタノール(またはアルコールスプレー)を乾いたタオルにしみ込ませて、拭き掃除をして仕上げます。
車の内窓掃除におすすめの掃除アイテムは

前項でご紹介した基本の拭き掃除アイテムだけでなく、さらに車の内窓掃除を綺麗に仕上げるためのアイテムをいくつかご紹介します。
車の内窓用ガラスクリーナー
ガラスクリーナーは、カー用品店やホームセンターなどのお店で販売されています。車の窓専用のガラスクリーナーもありますが、内窓の掃除の場合は車用に強くこだわる必要はありません。ただ、泡状タイプのガラスクリーナーなどは油分を含むものがあり、油分で拭き跡が残りやすかったり、液だれがしやすいものは車内の他の部分にかかると変色や劣化の原因にもなりますので、気を遣わずに掃除をするのであれば、内窓用を選ぶといいでしょう。
選び方のポイントとしては、掃除中に液だれが起こりづらい容器や液状タイプを選ぶと良いでしょう。フロントガラスを拭いている最中に液だれが起こってしまうと、ダッシュボードやハンドル近くのパネルに液剤が付着して、変色してしまう可能性があります。乾いたタオルにつけて、拭き掃除を行うようにしましょう。また、成分表を見て有機溶剤と水分、と表記されているクリーナーの場合は、水分に含まれるものが純水や精製水以外となると、乾くと拭きスジが残る可能性がありますので、乾ききってしまう前にタオルで拭き取ることを忘れないようにしましょう。
内窓の拭き取り仕上げに温泉タオルがおすすめ
洗車をする時、洗い流し後の水分の拭き取り工程は大変重要なポイントです。ボディの洗車後に活躍する拭き取りアイテムといえば、大判の吸水力が高く傷がつきづらい柔らか素材を使用したマイクロファイバークロスとなっていますが、内窓ガラスの仕上げに水分を拭き取るアイテムでいえば、温泉タオルのような薄い綿タオルがおすすめです。
窓ガラスの拭き取り作業にマイクロファイバークロスを使用すると、ガラス面に小さな繊維等が残ってしまうことがあります。細かい繊維がガラス面に残ると、一つ一つ取らなければならなくなり手間を増やしてしまいます。細かい繊維残りを気にせず拭き取りをするのにおすすめは、大きなサイズの綿タオルです。特に温泉タオルのような薄手で吸水力が高く、毛羽立ちが起きにくいようにある程度繰り返し洗濯されているタオルがおすすめです。
アルカリ電解水が汚れを浮かして◎
アルカリ電解水には、除菌や消臭といった万能な掃除アイテムとしてのメリットと、油分を分解する効果によって皮脂や手垢、タバコのヤニ汚れなどの油汚れにも効果を発揮するという2つのメリットがあります。
ただ、気を付けなければならないポイントとして電解成分は機械との相性が悪く、ガラスや本革、液晶画面などにかかってしまうと故障や劣化の原因になりやすいため、液だれには相当気を付けなければならない点と、拭き取りをしないと不純物が残って拭きスジが残りやすいため、二度拭きが必要になるかもしれません。

車の内窓の掃除をする時の注意点

車の内窓の掃除は、前述したアルカリ電解水を使用した時のように、いくつか注意しなくてはいけないポイントがあります。こちらでご紹介しますので、お掃除を始める前にぜひチェックしておいてください。
液だれの防止をしっかりしておく
車の内窓は、フロントガラスならダッシュボードやハンドル、サイドガラスならドアの内張りやドアモール(ゴム)に近い部分となります。水拭きをするにしても絞りが弱ければ水滴が落ちることがありますし、スプレー製品などで直接スプレーすると窓ガラス以外についてしまう可能性も高くなります。
水拭きの場合は、液だれしないようにしっかりめに絞って拭き掃除をするように気を付けましょう。また、クリーナー類は直接窓に吹き付けるのではなく、タオルにつけて拭き掃除することをおすすめします。
手荒れの防止のためにゴム手袋を常備する
ガラスクリーナーに含まれる有機溶剤や、無水エタノールなどは、油汚れやヤニ汚れの除去効果が強い分、手肌からも水分・油分を取り除こうと作用します。手荒れや肌荒れ、アカギレ等の原因になりますので、拭き掃除の際は必ずゴム手袋を使用するようにしましょう。
拭き取りいらずでも乾タオルで仕上げるのがおすすめ
無水ガラスクリーナーや、精製水を利用しての内窓掃除の方法を見ると、一度の拭き取りでも拭きスジが残らないと書かれていることも多くはなっているかもしれません。しかし、自然乾燥をさせて後々見てみると薄く拭きムラや拭きスジが残っていることも少なくありません。できれば水分が乾ききる前に、水分を拭ききることをおすすめします。
まとめ
こちらでは、車のフロントガラスやサイドガラスの内側部分、いわゆる車の内窓の掃除の最適な方法について詳しく解説しました。
車の内窓の掃除の仕方については、正しい方法を知らずに水拭きをしてしまうと拭きスジや拭きムラが残ってしまい、却って視界不良に悩むような結果になりかねません。車の内窓掃除を始める前に、かしこく掃除をするコツや注意点を知って、当日お役立てください。