クラクションを鳴らされて不快な思いをしたことのある人は多いでしょう。逆に、自分がクラクションを鳴らしたことで、相手から嫌な顔をされたことのある人もいるかもしれません。
ここでは、クラクションにまつわるトラブルについてご紹介します。
クラクションはトラブルの元
クラクションは普段はあまり鳴らさず、危険を相手に知らせたいときにだけ鳴らすのが一般的なのではないでしょうか。衝突しそうになったときに鳴らせば、相手が危険に気付きぶつからずに済むことも多いです。鳴らされた相手は、自分が不注意だったと気付けば、軽く謝って通り過ぎて行くでしょう。
しかし、自分の不注意を認めようとせず、立腹してしまう人も多いです。大半の人は、不愉快に思いながらもそのまま通り過ぎて行きますが、車を降りて抗議しようとする人もいます。
そうなると、トラブルに発展する可能性が出てくるでしょう。少し文句を言うくらいで済めばいいですが、クラクションを鳴らした相手が反論し、喧嘩になってしまうこともあります。
お互いに激怒してしまうと、なかなか収拾がつかなくなり、警察も介入するような事態に発展してしまうこともあるかもしれません。
危険を知らせるためではなく、単に邪魔だという意思表示のためにクラクションを鳴らす人もいますが、トラブルを誘発するだけです。
今までトラブルに遭わなかったとしても、何度も続けていれば、いつかトラブルに遭ってしまうでしょう。必要のないときには、極力クラクションを鳴らさない方が無難です。
実際に、クラクションで相手を激怒させたことが原因の傷害事件も発生しています。安易にクラクションを鳴らしたことや、それに立腹し抗議したことで、大きなトラブルのもとになってしまうのです。
そういったトラブルを避けるために、少し腹が立っても挑発するような行為に出るのは避けて、通り過ぎるのが無難です。
たまに、しつこくクラクションを鳴らしてくる人もいますが、そのような場合には、ナンバーを控えて警察に通報しましょう。車を降りて自分で抗議してしまうと、被害者にも加害者にもなってしまう可能性があります。
道路交通法にクラクションに関する規定がある
クラクションはそう頻繁に使うものではありません。ほとんど使わない人も多いでしょう。実は、クラクションの使用に関しては、道路交通法で規定されています。罰則もあり、クラクションを使用してはならない場所で使用した場合には、2万円以下の罰金です。
逆に使用すべき場所で使用しなかった場合にも罰則が設けられています。こちらの方が罰則が重く、5万円以下の罰金です。ただし、実際に警察の取り締まりの対象になるのは、かなり悪質なケースに限られるでしょう。
クラクションを使用すべき場所というのは、道路標識で分かります。道路標識の中に「警笛鳴らせ」というものがあり、その道路標識がある場所では、クラクションを鳴らさなければなりません。運転免許を取得する際に、自動車学校で習った記憶のある人も多いでしょう。
実際にはあまり見かけることのない道路標識ですが、主に見通しの悪い交差点や曲がり角などに設置されています。大きな坂の頂上などに設置されていることもあるかもしれません。
クラクションを鳴らすことで、見通しが悪くても、車が来るということを歩行者や他の車の運転手に伝えることができるでしょう。この「警笛鳴らせ」の道路標識がある場所を通るときは、道路交通法で規定されているクラクションを使用すべきときに該当します。
クラクションを鳴らされた場合には、近くに「警笛鳴らせ」の道路標識がないかどうか確認してみましょう。もし、あった場合には相手には何の悪意もなく、道路交通法を遵守していただけということになります。
「警笛鳴らせ」の標識がある場所以外でクラクションを使っていいのは、危険を避ける目的で鳴らす場合だけです。邪魔な車や歩行者に対してクラクションを鳴らした場合には、使用してはならない場所での使用ということになります。
信号が青に変わっても前の車が気付いていないようなときに、後ろの車が軽くクラクションを鳴らして知らせることがよくあるでしょう。
そのような使用方法も、本来は禁止されています。道を譲ってもらったときや、逆に先に行って欲しいときなどの合図としての使用もいけません。
なぜクラクションの使用が制限されているのか
クラクションは、危険を知らせるために使うことを想定して作られているものです。そのため、音量がかなり大きく、不快感を与えるような音が出るようになっています。
日常生活を送る上で、他ではあまり聞かない音です。あの音を聞けば、多少耳が遠い人や鈍い人でも、音がする方に自然と注意が向くでしょう。クラクションの音を聞いて、驚いてしまう人も多いです。だからこそ、危険を知らせるのに役立ちます。
しかし、クラクションをあまり頻繁に使ってしまうと、重要性が薄れてしまいます。ただのうるさい音としか思わなくなってしまうかもしれません。そうなると、危険を知らせる意図でクラクションを鳴らされた場合でも、危険だと認識せずに衝突してしまうこともあるでしょう。
また、クラクションを使わなくても済むようなときに、クラクションを鳴らすと他のことから注意が反れてしまいます。その結果、危険を招いてしまうこともあるでしょう。
そのようなことを防ぐために、道路交通法ではクラクションの使用を制限しています。
本当に危険を知らせたいときだけ使うからこそ、重要性を保てるのです。また、クラクションの音は、注意を促したい相手だけでなく、他の車や近所の家などにも聞こえます。
頻繁にクラクションの音が聞こえると、かなり迷惑になってしまうでしょう。クラクションの使用が制限されているのは、迷惑にならないようにする目的もあります。
とく古い車だと、動作に不具合が生じやすくなり、クラクションを鳴らされることも増えてくるかもしれません。そんなときには、なるべく早めに修理に出しておくのが無難でしょう。正常に動作しない車は危険です。クラクションと同様にトラブルのもとにもなるでしょう。
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合図やお礼などのときはパッシングを使おう
お礼や合図などの意味でクラクションを一瞬だけ押す人もたまにいるかもしれません。しかし、中には不快に感じてしまう人もいるでしょう。
また、危険を知らせるわけではないため、クラクションの使い方として正しくありません。そこで、パッシングという方法があります。
パッシングはヘッドライトを一瞬だけハイビームにしてつけることです。普段からパッシングをよく使っている人や、他の人からパッシングをされたことのある人も多いでしょう。クラクションと異なり、パッシングに関しては、明確なルールはありません。
人によっては、危ない運転の仕方をしている人に対して、軽く抗議する意味で使う場合もあります。それでも、クラクションと異なり相手に対してあまり不快感を与えないため、喧嘩やトラブルに発展してしまうことは多くありません。
ただ、相手がどういう意味でパッシングしたのか判断しにくい場合もあります。状況により、意味を読み取る必要があるため、使い方がやや難しいです。対向車がパッシングを使ってきた場合には、ヘッドライトの消し忘れを指摘していたり、緊急事態を知らせていたりする場合もあります。
また、地域によっても意味や受け取り方の違いが大きいです。右折時に、関東では道を譲る意味でパッシングを使う人が多いのに対して、関西では主に自分が先に行くという意思表示として使います。
遠方の地域で車を運転する場合には、自分が住んでいる地域とはパッシングの意味が違う可能性を考慮しておきましょう。
まとめ
クラクションは道路交通法でも使える場面が限定されており、鳴らされると不快に感じる人も多くいます。クラクションが元で喧嘩やトラブルになり、傷害事件に発展するケースもあります。
そのため、できるだけ使用しない方が無難です。本当に危険なときや必要なときだけ使うようにしましょう。