届出済未使用車とは?新車とどう違うの?

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チラシやディーラーの店頭などで届出済未使用車と表記された車を見たことはないでしょうか。文字通り、届出だけ済ませていて、実際に使用していない車のことです。実質的にほとんど新車と変わりません。

しかし新車は通常受注生産されるはずです。なぜ新車の在庫品が登録を済ませた状態でディーラー店頭にあるのか気になるでしょう。ここでは届出済未使用車について詳しく解説していきます。

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届出済未使用車が生まれる経緯

PARIS, FRANCE – OCT 10, 2015: Man choosing new car – looking at the big trunk – new car to choose the most precious one

自動車は原則として受注生産で製造していますが、例外的にディーラーの見込み発注があり、これにより届出済未使用車が生まれます。

新車は契約締結後に製造する

新車を購入する際には、ディーラーの店頭で営業担当者と相談しながら付けるオプションやボディカラーなどを決めます。試乗なども行うことが多いです。新車を買いたいというだけで、車種がはっきりと決まっていない場合には、車種を決めるところから相談します。

購入を決める際に値引き交渉も行いましょう。ディーラーでは、ある程度の値引きに応じてくれます。そして売買契約を交わすという流れです。

そして、売買契約の締結後にディーラーから自動車メーカーに発注されます。自動車メーカーの方では、ディーラーからの注文を受けてから車の製造に取りかかる仕組みです。つまり受注生産になっています。

また陸運支局で登録手続を行わなければなりません。登録手続はディーラーで代行してくれることが多いです。そして実際に新車が納車されて乗れるようになるまで1ヶ月程度かかります。新車を購入する人にとって、この約1ヶ月間がけっこう長く感じられるでしょう。ワクワクして楽しい時期でもあります。

ディーラーの見込み発注によりできるのが届出済未使用車

自動車メーカーが受注生産のみで車を製造しているのであれば、在庫品は発生しないと考えるでしょう。しかし自動車メーカーでは完全に受注生産だけで車を製造しているわけではありません。見込み生産も併用した上で、車の製造を行っています。

また、人気のある車種に関してはディーラーの方でも見込み発注を行うことが多いです。見込み発注だと人気のある車種でも、すぐに売れるとは限りません。見込み発注の結果、売れ残ることもあります。

一方で車は製造後9ヶ月を経過してしまうと、新車登録ができません。そのため売れ残った在庫は、ディーラーを所有者として新車登録することになります。こうして誕生するのが届出済未使用車です。

見込み発注とは別に、ディーラーが販売実績を作る目的で自動車メーカーに発注することもあります。

届出済未使用車は、既にディーラー名義で登録されているため、形式上は中古車という扱いです。しかしディーラーでは展示しているだけで、実際に乗り回しているわけではありません。そのため実質的には新車と同じだと捉えていいでしょう。

届出済未使用車のメリット

届出済未使用車は通常の新車と比べても中古車と比べてもメリットがたくさんあります。届出済未使用車を購入したくて小まめにチェックしている人も多いです。では具体的にどんなメリットがあるのか見ていきましょう。

通常の新車にはないメリットがある

届出済未使用車の購入を検討している人は、新車と比べることが多いでしょう。新車と比べて届出済未使用車は金銭面でのメリットが大きいです。新車を購入したくても、予算的に厳しいという人は中古車に甘んじる前に届出済未使用車を検討してみるといいでしょう。

まず分かりやすいのが車両本体価格です。届出済未使用車は同じ車種の新車と比べて、車両本体価格が20万円程度安くなっています。

車を購入する際には諸費用も無視できません。その点、届出済未使用車なら諸費用が大幅に安く済むケースが多いです。例えば自動車重量税や自賠責保険料などが既に支払われているので、購入者が改めて支払う必要はありません。

納車まで時間がかからないことも、届出済未使用車の大きなメリットです。登録手続を済ませてナンバープレートも付いている実物がその場にあるので、すぐに乗れます。購入手続きを済ませて代金を支払えば、ディーラーの店舗から自分で運転して自宅に持ち帰ることも可能です。次の日から通勤でもレジャーでも使えます。

新しいからこそ実感できるメリットもある

届出済未使用車は一応中古車という扱いですが、通常の中古車と比べると非常に綺麗です。運ぶときくらいしか走行していないため、各部のパーツなどもほとんど摩耗していません。通常の中古車は、年式が新しく綺麗に見える車でも、パーツなどが摩耗しているケースがよくあります。前の持ち主の使い方によっては、故障しやすいこともあるでしょう。しかし届出済未使用車なら、故障のリスクは新車と同様にかなり低いのが大きなメリットです。

中古車の場合には、次の車検までの期間は長くても2年でしょう。購入から数ヶ月程度で車検を迎える中古車や、車検切れで車検を受けないと乗れない中古車もあります。

その点、届出済未使用車なら次の車検までの期間が長いのが1つのメリットです。新車の場合には車検有効期間が3年間あります。届出済未使用車の場合、数ヶ月程度経過していても、2年半程度は残っているでしょう。

また、通常の中古車だと購入後数年経過すれば、中古車としての価値がゼロになってしまうことが多いです。その場合、買い替えをするには廃車にせざるを得ません。

これに対して、届出済未使用車なら新車と同様に新しいことから、数年後に飽きてしまったら中古車として高値で売却できます。

届出済未使用車のデメリット

届出済未使用車はメリットばかりではありません。購入の際にはデメリットも認識しておきましょう。

完全な新車でないゆえのデメリットがある

新車を購入しようとしている人の中には、購入したい車種が既に決まっている人もいるでしょう。車種までははっきり決まっていなくても、ボディタイプやボディカラーなどをだいたい決めている人は多いです。新車であれば、車種もボディカラーも自由に選べますが、届出済未使用車の場合に希望に合う車があるとは限りません。

また届出済未使用車の場合には、オプションなどは特に付いていないものがほとんどです。オプションを付けたい場合には、後付けすることになります。よって、メーカーオプションは選択できず、ディーラーオプションから選択することになります。

そして多少なりとも人が触ったり座席に座ったりしている可能性も考慮しておきましょう。特に展示されている場合には、他のお客さんがドアを開け閉めしてみたり、実際に座席に座って乗り心地を確認したりしていることがあります。

希望に近い届出済未使用車がないかどうか小まめにチェックしよう

届出済未使用車はデメリットはあるものの、通常の新車と比べても中古車と比べても格段に魅力的です。そのため届出済未使用車を購入しようとする人は多く、売り出されるとすぐに買い手がついてしまいます。そのため届出済未使用車を購入したいのであれば、小まめにチェックしておかなければなりません。

特に急いでいない場合には、ディーラーのスタッフに届出済未使用車の購入を希望していることを話しておきましょう。希望する車種やボディタイプ、ボディカラーなどを伝えておけば、入荷したときに連絡してもらえることもあります。

また届出済未使用車はディーラーの他にも中古車販売店でも取り扱っている場合もあるので、幅広くチェックしてみてください。

まとめ

届出済未使用車は形式上は中古車という扱いでも実質的には新車と変わりません。通常の新車よりも安く買えて諸費用の面でもお得なので人気が高いです。実物が既にあるので、納車もすぐに済みます。

車の買い替えを検討している人は、ディーラーや中古車販売店で届出済未使用車を取り扱ってないかどうかチェックしてみましょう。

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