タイヤを長年交換していないと、いざという時に交換費用がかかるのではと心配するのではないでしょうか。
タイヤは消耗するものですから、いつかは交換が必要なのは理解できますが、適したタイミングというのは詳しい人でないと判断が難しいでしょう。
そこで、タイヤ交換が必要になるタイミングや、費用を抑えるコツについて解説します。
車検では、タイヤの何をチェックされるのか?
タイヤは、車が走行する上で重要なパーツの一つです。ということは、車の安全性を検査する「車検」においても、タイヤは検査対象になるということです。
では、具体的にタイヤの何を車検で見るのかについて解説します。
タイヤのチェック項目は?
車検では、タイヤに関する以下の項目がチェックされます。
- タイヤの空気圧
- タイヤの溝
- タイヤのひび割れや傷
車のパーツの中で唯一、路面と接しているのがタイヤであり、車が「走る」「曲がる」「止まる」といった基本的なアクションはすべてタイヤを通じて路面に伝えられます。そんなタイヤに何か不備があれば問題です。問題のあるタイヤは、交換しないと車検に通ることはできません。
タイヤの側面を見ると、所々に三角のマークがあるのがわかります。この三角マークの先の溝に少し盛り上がった部分があり、これを「スリップサイン」といいます。タイヤが磨り減るとスリップサインが浮かび上がって、やがて溝が途切れてしまいます。この状態は非常に危険であり、車検においては確実に不合格の原因となるでしょう。
偏摩耗やひび割れ、キズの有無については、パッと見でもすぐにわかると思います。問題があるとすればタイヤの「空気圧」ではないでしょうか。空気圧はタイヤや車に詳しい人でないと判別が難しいかもしれませんが、タイヤの空気が抜けると側面がたるんできます。ただし「ロープロタイヤ」の場合は、空気が抜けていてもたるみが見られない傾向にあります。
日頃から、以下のポイントに注目してタイヤの状態をチェックしておくことをオススメします。
- 空気圧は適正か?
- ミゾは充分に残っているか?
- 偏摩耗していないか?
- サイド部が膨らんでいないか?
- ひび割れていないか?
- 傷はないか?
また、月に一度のペースで、業者にタイヤ点検をしてもらうことをオススメします。タイヤに問題があれば車検に通らないだけでなく、日頃の運転にも問題が生じます。場合によっては死亡事故にもつながるトラブルがタイヤを原因として発生することも考えられますので、安全な運転のためにもタイヤの状態には常に目を光らせておきたいところです。
タイヤ交換の費用は?
次に、タイヤ交換の時期と費用について解説します。タイヤ交換の費用を決めるカギは2つ存在するので、それについても解説します。
1.タイヤ交換時のタイミング
結論からいうと、車検前にタイヤ交換をした方がよいでしょう。
前述のとおり、タイヤに問題があれば車検に通ることはありません。問題のあるタイヤは交換が必要です。もちろん車検時にタイヤ交換する方法があります。手間が省けてよいと考える人もいると思いますが、実はこの方法は費用面でデメリットが大きくなります。
車検をどこに依頼しているかによっても異なりますが、業者によっては車検時のタイヤ交換を「外注」するケースがあります。通常、タイヤ交換には「交換用のタイヤ購入費用」と「交換の工賃」が必要です。ところが車検時にタイヤ交換をすると、この他に「車検を依頼した業者のマージン」がかかるのです。その分だけ料金が上乗せされるので、割高な交換費用がかかるということなのです。
車検時のタイヤ交換は割高になるので、タイヤを交換しないと車検に通らないのであれば車検前にタイヤ交換を済ませておきましょう。
2.タイヤ交換をする場所
車検前にタイヤを交換する場合でも、どこに依頼するかによって費用相場が異なります。まずは「ディーラー」にタイヤ交換を依頼するケースですが、費用面を考えるとオススメできません。交換費用が高くなりやすいのです。ディーラーは車の販売よりも、関連するサービスで利益を上げる傾向があります。そのため、質の高いサービスを受けられますが、割高な費用がかかるケースが多くなります。
費用面を考えてオススメなのは「カー用品店」です。ディーラーにタイヤ交換を依頼するよりも安く済むケースが多いですが、カー用品店ごとに交換費用やタイヤの販売価格も異なりますので注意が必要です。
タイヤ交換費用の安さにこだわりたいのであれば、インターネット上で業者を探すこともオススメの方法です。ネット上では、タイヤ交換を格安で提供しているところがありますので、時間があれば価格比較してから決めるとタイヤ交換費用を大幅に節約できます。
自力でタイヤを交換する方法もある
タイヤ交換をもっとも安く済ませる方法は「自力でタイヤを交換する」ことです。
自力でタイヤ交換をするには?
自力でタイヤを交換するためには、まず交換用のタイヤを自身で購入する必要があります。「ジャッキ」など、タイヤ交換用の器具も用意しましょう。ジャッキで車体を上げる必要があるので手間がかかる方法ではあります。
タイヤ交換は、以下の流れで行います。
- 交換用のタイヤと、交換用の器具を用意する
- タイヤのボルトを緩め、ジャッキアップする
- ボルトを外してタイヤを取り外す
- 交換用のタイヤを取り付ける
- ジャッキダウンし、ボルトを締める
少しでも費用を抑えたいのであれば、交換用のタイヤの購入費用についても考慮する必要があります。タイヤを安く購入するのであれば「輸入タイヤ」を取り扱っているネットショップがオススメです。国産タイヤに劣らない品質と、半額以下の販売価格が魅力です。
自力でのタイヤ交換はリスクが大きい
自力でタイヤ交換すれば工賃の分だけ費用を抑えられますが、デメリットも少なくありません。ケガや事故につながる恐れがあり、素人にはタイヤ交換は難しいです。これらのリスクを考慮すると、工賃を支払ってでもプロにタイヤ交換を依頼することをオススメします。
自力でタイヤ交換する場合、まず「作業中のケガ」のリスクがあります。重たい車体をジャッキアップし、重たいタイヤを取り扱わなければならないので、少なからずケガのリスクはつきまといます。場合によっては重傷を負う可能性があり、命に別状はなくても治療費や入院費がタイヤ交換費用の節約分をはるかに上回るのは、本末転倒な結果になりかねません。
次に「走行中にタイヤが外れるリスクがある」ことです。タイヤを取り付ける際に取り付けが甘いと、走行中にタイヤが外れてしまう可能性が出てきます。当然ながら大事故につながることなので、命の危険と事故発生時に支払う費用を考えるとやはり危険です。
以上の観点から、タイヤ交換を自力で行うことはリスクを伴う方法であることがわかります。車の整備に精通していれば別ですが、そうでない人は素直に業者にタイヤ交換を依頼しましょう。
まとめ
タイヤ交換費用を抑える基本は「車検前に済ませておく」ことが重要です。自力で交換しようとすれば余計に費用をかけるリスクを伴うため、オススメできません。
費用を抑えることも重要ですが、安全に車を運転できるようにしてもらうことも大切なことであると理解しましょう。