ガソリン車ゼロへ?2050年カーボンニュートラル宣言とは

自動車のニュース

2020年10月26日に行われた菅内閣総理大臣による所信表明演説に続き、12月8日には国民の命と暮らしを守る安心と希望のための総合経済対策が閣議決定が発表されました。この中で自動車に関するニュースというと、デジタル改革・グリーン社会実現のための「2050年カーボンニュートラル宣言」です。カーボンニュートラルの実現には、再生可能エネルギーへの切り替えや輸送の電化が必須なことから、日本政府は2030年までにガソリン車ゼロを目指すのではないかと言われています。こちらでは、カーボンニュートラル宣言が自動車業界に影響することについてや、先日12月9日に新型発表会が行われたトヨタ自動車のMIRAIなど燃料電池自動車について詳しくご紹介します。

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ガソリン車がなくなる?カーボンニュートラル宣言って何?

カーボンニュートラル?と聞いてもピンと来ない方も多いと思います。菅首相が10月26日の所信表明演説で発表した2050年カーボンニュートラル宣言の内容は、2050年までに温室効果ガス排出ゼロを目指すというものです。それは、自動車から排出される温室効果ガスもゼロにすることが含まれていることから、2050年にはガソリン車が禁止となり、すべて電気自動車に変わるのでは?などの様々な憶測が飛び交っています。

所信表明演説で発信されたカーボンニュートラル宣言とは

2020年10月26日の第203回臨時国会における菅内閣総理大臣所信表明演説にて、「グリーン社会の実現のため我が国は、2050年までに、温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする、すなわち2050年カーボンニュートラル、脱炭素社会の実現を目指すことを、ここに宣言いたします。」とし、12月8日の総合経済対策の閣議決定された内容では「グリーンで災害に強い電気自動車や燃料電池自動車等の普及による『移動の脱炭素化』や断熱リフォーム等の支援による『住宅等の脱炭素化』を推進し、脱炭素ライフスタイルへの転換を図る。」という目標を発信しました。脱炭素とは、二酸化炭素の排出をしないライフスタイルであり、車を輸送に使用する際に排出される温室効果ガスをゼロにするため、2030年代までにガソリンエンジン車の新車販売終了が検討されているようです。

ガソリン車が2030年以降禁止になる?

経済産業省が12月10日に行った検討会で、2030年代半ばの脱ガソリン車に向けた議論を行いました。2050年カーボンニュートラル宣言の温室効果ガスの排出量実質ゼロの達成に向けて、政府は実行計画を年内中にまとめるべく動いており、その計画内容の中に「2030年代半ばには国内の新車販売から、純粋なガソリンエンジン乗用車をゼロにする」という目標が盛り込まれる予定となっています。ただし、ハイブリッド車にはモーターが併用されていることから目標に盛り込まれている「純粋なガソリンエンジン乗用車」ではないとされているため、ハイブリッド車の優位性から、ガソリン車からハイブリッド車への乗り換えが今後すすめられていくのではないでしょうか。また、2019年の日本国内での電気自動車の普及率は1%で、40%をハイブリッド車が占めていることから、電気自動車の普及率をあげていくことも簡単ではないだろうと言われています。次項では、カーボンニュートラル宣言に賛同するトヨタ自動車が、12月9日に発表した新型MIRAIについて詳しくご紹介していきます。

トヨタが勧める水素燃料電池自動車によるグリーン化

トヨタ自動車が12月9日にガソリンを使用しない水素燃料電池自動車新型MIRAIの発表会を行いました。その内容も2050年カーボンニュートラル宣言に触れており、今回の新型MIRAIのような多様化する燃料電池自動車の普及促進において、トヨタ自動車が行う今後について話されています。

トヨタの水素燃料電池自動車MIRAIの新型発表会

12月9日にトヨタ自動車によるMIRAIの発表会がありました。その際、トヨタ自動車のMIRAI担当者もカーボンニュートラル宣言について触れており、政府発表の方針に基づきトヨタ自動車も今後、環境に対応する自動車の製造や全方位電自動化、MIRAIのような燃料電池自動車の普及をすすめていくとしています。その一つである燃料の多様化を目指し、MIRAIのように水素を活用したモビリティが拡大し普及するために必要な拠点として、トヨタ自動車は太陽光発電の電力から水素の製造が可能な工場を福島県浪江町に電設したことを発表しました。

新型MIRAIについて

トヨタの担当者によると、新型MIRAIのスタイリングには初代以上にこだわっているようです。特にMIRAIというと燃料電池自動車(FCV)として購入を考える人が多いはずですが、担当者はデザインでMIRAIを販売したいと考えており、たまたま見つけた恰好いいクルマが実はMIRAIだったとデザイン先行で購入するユーザーがいるような車としてこだわったそうです。
最新のFCV技術を取り込まれていることもあり、MIRAIの新車販売価格は7,100,000円(税込)からと高額になっています。さらにグレードも、トヨタの高級車ラインであるクラウンのような高級感のあるエグゼクティブグレードが用意されており、同じクラスの価格帯になっています。燃費面でいうとノーマルのGグレードの場合、一度の満充填での走行距離は約850kmです。これは、初代から考えると250km程度長くなっており、タンクの数を増やしたことがポイントです。水素タンクの容量は約5.6kgまで充填ができます。水素ステーションでの水素1kgあたり約1000円とすると、満充填には約5000円程度かかるということです。

新型MIRAIとクラウンハイブリッドを比較

新車販売価格が同クラスになるトヨタの高級車クラウンハイブリッドのGエグゼクティブグレードと、新型MIRAIのGエグゼクティブグレードを比較してみました。

クラウンハイブリッドMIRAI
燃料タンク容量66L5.6kg
燃費消費率16.0km/L152km/kg
満充填走行距離約1,000km約850km
燃料費134.9円/L(ハイオク)1,000円/kg(水素ガス)
満充填燃料費約9,000円約5,600円

※クラウンハイブリッドの燃費率は、WLTCモードによるカタログ燃費を記載しています。

両車を比べると、充填できる容量としてはクラウンハイブリッドの方が長く走行出来ることがわかります。また、ガソリンと水素の燃料費を比較したところ、水素ガスはレギュラーガソリンとハイオクガソリンとの中間程度の価格となるため、燃費面ではあまり差が出ませんでした。
燃費面、販売価格ともに似ているクラウンハイブリッドとMIRAI、どちらも環境性能が高く、エクステリアデザインやインテリアデザインもこだわりがみられる車となっていますが、新型MIRAIを選ぶメリットはあるのでしょうか。

実は、MIRAIを購入する上での大きなメリットがあります。それは、MIRAIにはクリーンエネルギー自動車導入事業補助金制度があり、購入価格を大幅に値下げすることが可能なことです。

クリーンエネルギー自動車導入事業補助金とは
新型MIRAIは、2020年度CEV補助金対象車です。補助金を受けるには2020年2月22日~2021年2月19日までに新規ご登録済みの自家用車が対象となり、補助金を受給するには定められた期間(4年または3年)の保有義務があります。新型MIRAIのCEV補助金は1,173,000円となっており、エコカー減税やグリーン化特例措置と合わせると約1,419,000円が優遇されます。

ガソリン車ゼロへ?よくあるご質問

2050年カーボンニュートラル宣言をうけて、経産省も検討会に動き出しておりガソリン車がなくなる?という疑問など、よくいただくご質問にお答えします!

Q.2050年カーボンニュートラル宣言って何?

2020年10月に菅首相が所信表明演説をした際に、社会のグリーン化を目指す指針の一つとしてカーボンニュートラル宣言を行いました。カーボンニュートラルとは、炭素中立社会で、温室効果ガスを出さないライフスタイルを目指すというものです。ガソリンエンジン車は車を動かす際に二酸化炭素ガスの排出があります。このため、2030年代までに純粋なガソリンエンジン車の新車販売を終了する検討が行われています。

Q.トヨタが行う社会のグリーン化って何?

A.トヨタ自動車も、水素燃料電池自動車MIRAIやハイブリッドモデルの製造や開発をすすめることでグリーン化を目指しています。中でも、12月に発表された新型MIRAIは、多様化する燃料電池自動車の中で水素で走行するクルマの二代目モデルで、走行中に排出するものは水素が化学反応を起こした水となり、化学反応を起こすために吸い込んだ空気は、浄化されて排出される車となっています。

Q.燃料電池自動車に乗り換えるべきか

A.現時点での燃料電池自動車は、まだまだ高額な高級車と同額のラインですが、今後ガソリンエンジン車ゼロに向けて乗り換えを検討する機会はくるでしょう。乗り換え時には価格だけでなく、環境へ配慮が出来るクルマ選びを考えましょう。

ガソリン車から燃料電池自動車に乗り換えるべきか

今後、ハイブリッド車や多様化する燃料電池自動車への乗り換えは必須となってくるでしょう。それは、温室効果ガスを発生させることが地球環境に与える影響や、ガソリン自体が枯渇するエネルギー資源であることから社会のグリーン化は間違いなく進んでいくからです。乗り換えを考える場合、どうしてもハイブリッド車や電気自動車、燃料電池自動車は販売価格が高額になることがあります。現在お持ちの自動車を出来るだけ高く売却し、乗り換える際の購入資金に充てることが出来るように、売却時は見積もりをしっかりとることと、急がず余裕を持って業者選びが出来るようにすることをおすすめします。

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