車を持っている人は、一定期間ごとに車検を受けて故障箇所や摩耗している部品がないかどうかをチェックしなければなりません。
修理や部品交換を済ませると車検に通ることができて、安全に使用できます。
しかし、車検を忘れてしまう人もいるでしょう。ここでは、もし車検を忘れていたのに気づいたらどうすればいいのか、忘れないための方法と併せて解説していきます。
車検満了日の確認方法
車検満了日までの期間は、車の種類と初回か2回目以降かどうかで決まります。通常の乗用車と軽自動車なら初回が3年で2回目以降は2年です。商用車の場合には乗用車よりも車検有効期間が短く、ほとんどの商用車は毎年車検を受ける必要があります。商用車は乗用車と比べて、使用頻度が高く部品が摩耗しやすいためです。
車検を忘れないためには、車検満了日の調べ方を知っておきましょう。車のフロントガラスを見てみることで、簡単に確認できます。フロントガラスの真ん中の上の方を見てみましょう。四角いステッカーが貼られているはずです。このステッカーは検査標章と呼ばれるもので、車検満了日が記載されています。
シールの表面に2つの数字が記載されているでしょう。上の方に大きく記載されている数字は車検満了日の年を示すものです。下の方に大きく記載されている数字は月を表しています。例えば、上に大きく30と書かれていて、下に小さく12と書かれていれば平成30年の12月で、車検が切れるということです。
記載されている年月の末日まで大丈夫だと誤解してしまう人もいるかもしれません。しかし、末日を意味しているわけではないため注意しましょう。具体的な日付は、それぞれの車によって異なります。
また、表面の記載だけでは車検満了日の具体的な日付までは分かりません。具体的な日付を確認したい場合には、検査標章の裏面を見てみましょう。車の外側から見える面が表面で内側から見える面が裏面です。裏面には車検満了日の具体的な日付が記載されています。例えば「30年12月20日」といった具合です。
この検査標章は車検時に新しいものに貼り替えます。ディーラーや中古車販売店などの業者に車検を依頼すると、貼り替えてもらえるので特に気にする必要はありません。但し、ユーザー車検の場合には自分で貼り替える必要があるため注意しましょう。
他に車検証を見ても車検満了日の日付を調べることができます。車検証の左下の部分を見てみましょう。検査標章の裏面と同様に、年月日まで記載されています。
また、フロントガラスの端の方に丸いシールも貼られていますが、これは定期点検の期日を表すものです。車検とは特に関係のないものであるため注意しましょう。
車検は前倒しでも受けられる?
車検満了日の確認方法はとても簡単で、調べようとすればいつでも調べられます。車の運転席に座っていれば立つこともなく調べられるでしょう。しかし、普段から車検満了日を小まめに確認している人はそう多くありません。簡単に調べられても、うっかり忘れてしまう人もいるでしょう。忘れないように覚えているうちに前倒しで受けておくことができれば便利です。
一方で、車検を受ける時期は、前に車検を受けてから2年後が一般的です。新車登録から3年後に最初の車検満了日が到来し、そこからさらに2年後に2回目といった具合で車検を受けます。この場合の2年や3年といった期間は、1日単位でカウントされる仕組みです。
そして、1ヶ月までなら前倒しで車検を受けることができます。どちらかと言えば、忘れる前に受けておくというよりも、車検のために予定を空けるという意味合いが強いでしょう。1ヶ月までの期間なら、前倒しで受けても、次の車検までに車に乗れる期間が短くなってしまうことはありません。
例えば、前の車検が平成28年12月20日だった車なら、平成30年11月20日以降に車検を受けるという具合です。1ヶ月間のうち、どの日に車検を受けても、次の車検満了日は2年後の12月20日から変更されることはありません。
ディーラーや中古車販売店では、車検満了日の1ヶ月前くらいの時期に、ハガキなどで車検の案内をしてくれるところが多いです。案内が来た時期に合わせて車検を受ければ、早すぎたり逆に過ぎてしまったりすることはほぼないでしょう。
また、事情があって車検満了日の1ヶ月前よりもさらに早い時期に車検を受けておきたいという人もいるかもしれません。そのような車検の受け方も実際可能です。基本的に車検はいつでも受けられます。
ただし、車検有効期間より1ヶ月を超えて前倒しして車検を受けた場合には、次の車検満了日が変わるため注意しましょう。車検を受けた日を基準に2年後ということになります。車検を忘れないために早めに受けておきたい人もいるかもしれませんが、あまりおすすめできる方法ではありません。
もし車検満了日を過ぎてしまったら
車検満了日を迎えた車は、公道を走行することができなくなります。中には、数日程度過ぎただけなら、少しくらい乗っても大丈夫なのではないかと思ってしまう人もいるかもしれません。
しかし、走行中に検問などで見つかる場合もあります。警察官がフロントガラスに貼られている検査標章の数字を見て、車検満了日を確認してくることも多いです。もし、車検満了日を過ぎた車に乗って公道を走った場合には、違反という扱いになってしまうため注意しましょう。
この場合、行政罰としての違反点数は6点です。前歴がない場合でも30日間の免停になります。
また、車検時に自賠責保険料も支払うでしょう。
そのため、車検満了日を過ぎている車は、自賠責保険も切れていることになります。自賠責保険が切れている車で公道を走行した場合の行政罰は別に定められており、こちらも違反点数は6点です。合計で12点分の違反点数になります。一発で90日間の免停になるかなり重い違反です。
車検切れと自賠責保険切れの車で公道を走った場合には、刑事罰も規定されています。車検切れに関しては、「6カ月以下の懲役または30万円以下の罰金」です。自賠責保険切れはもっと重く、「1年6ヶ月以下の懲役または50万円以下の罰金」と規定されています。
実際に刑事裁判になって刑事罰まで科せられるケースはかなり稀で、うっかり忘れくらいだと行政罰だけで済むケースがほとんどです。しかし、何度も繰り返していると刑事罰の可能性もあるという点は留意しておきましょう。
もし、車検切れの車で事故を起こしてしまった場合には、自賠責保険も切れているため一切保険は下りません。任意保険も補償対象外です。事故の相手に何千万円もの損害賠償金を支払うことになるかもしれません。
他に勤務先から、減給や停職、懲戒解雇などの懲戒処分を受ける可能性もあります。特に仕事で車を運転する機会がある場合には、免停期間中に通常通りの仕事に就けなくなるため注意しましょう。勤務先に迷惑をかけることになってしまいます。普段の買い物など、生活にも少なからず影響が出てくるでしょう。
自分の車が車検満了日を過ぎていることに気づいたら、車検を受ければ再び公道を走れるようになります。
ただし、自分で車を運転して業者のところに運べません。業者に取りに来てもらい、レッカー移動などの方法で運ぶ必要があります。
もし車検切れになったのをきっかけに車を買い替えるなら、廃車にしてしまうケースが多いでしょう。その場合には、カーネクストであれば車検が切れている車であっても買取を行う事が可能です。もちろん車の輸送にち使うレッカー移動も無料で行っているため、車検切れで公道を走れなくても問題ありません。
しかも、車検切れでついこの間まで乗っていた車なら、通常の廃車に比べて高価買取できる可能性が高いです。
まとめ
車検をディーラーや中古車販売店に依頼している人は、ハガキで案内が来るので忘れてしまうことはほぼありません。
しかし、毎回違う業者に頼んでいる人や、ユーザー車検などをやっている人は忘れないように注意しましょう。
また、車検切れの車で公道を走行した場合のペナルティは意外と重いため、1日でも過ぎたら公道を走行してはいけません。早めに業者に連絡して車検を受けるか、売却するかしましょう。