普通車に比べて軽自動車は、税金やメンテナンス費用が安く抑えられます。では、保険料はどうでしょうか。また、今以上に軽自動車の保険料を安く抑えることはできるのでしょうか。
ここでは、軽自動車の保険料について解説します。普通車との比較やより安く抑えるためのコツも紹介しているので、チェックしてみてください。
ポイントは車両保険!軽自動車の保険料が安い理由
軽自動車の保険料は、普通車に比べて安いです。その理由やさらに保険料を安くする方法を確認しましょう。
軽自動車と普通車の保険料相場の違い
軽自動車と普通車は、どれほど保険料が異なるのでしょうか。保険会社や車の種類によっても異なるので、今回は、以下の条件で比較をしました。
・車種:トヨタプリウス(普通車)、スズキワゴンR(軽自動車)
・保険会社とプラン:東京海上日動(フリープラン)、ソニー損保(標準プラン)
※本記事すべてにおいて上記の条件を使用。概算での見積もり結果のため、金額は異なることがあります。
東京海上日動 | ソニー損保 | |
普通自動車保険料 | 142,890円/年 | 44,000円/年 |
軽自動車保険料 | 78,430円/年 | 29,200円/年 |
このように、保険会社が異なっても任意保険料は軽自動車の方が安くなることがわかります。
軽自動車の保険料が安い理由
軽自動車の保険料が安い理由として最も大きいのは、軽自動車に型式別車両料率クラスが存在しないことです。型式別車両料率クラスとは、型式ごとの事故リスクを1〜9の数字で表したもの。過去の保険金支払額や事故率などの事故実績に基づき、型式ごとに保険料区分が決定されます。
この型式別車両料率クラスの対象となるのは、自家用普通乗用車と自家用小型乗用車のみです。軽自動車は対象外なので、任意保険料も車両保険料も普通車よりも安くなります。
車両保険を外す選択肢も有り
事故を起こした際に修理費用を負担してくれる、車両保険。付けるかどうかは悩むところです。軽自動車ユーザーであれば、場合によっては車両保険を外して月々の保険料を安く抑えてもよいでしょう。
車両保険があまりにも高く、収入に対しての比率が高いというのであれば、車両保険を外してしまうのも1つの選択肢です。事故時の修理費用などが補償されないのは難点ですが、家計を圧迫するほどの保険料を支払うのは大変なので、車両保険を外しても仕方ありません。
また、安い中古車でローンを完済しているのであれば、車両保険を外してよいケースもあります。車の年式が古い場合は、市場価値があまりありません。車両保険の補償金額は市場価値によって決定されますので、年式が古い中古車などは補償金額が少なくなってしまいます。市場価値が20万円の車に車両保険をつけても、20万円の補償しかつかないということです。
買い替え費用や修理費用には不十分なので、高い車両保険を払う意味がなくなってしまいます。このように、古い車に対しては車両保険をかけなくてもよい場合があると覚えておきましょう。
しかも、カーネクストであれば事故車であっても買取が可能ですので、万が一の場合でもお金に変える事が可能となります。
若いほど高い?年齢で大きく異なる軽自動車の保険料
自動車の保険料は、運転者の年齢が若ければ若いほど高くなります。これは、事故が起こる確率によるものです。免許を取得したばかりの18歳と、運転に慣れている30歳を比較し、どちらが事故のリスクが少なく安心できるかといわれると、後者といえるでしょう。
保険料は一般的に、21歳、26歳、30または35歳を区切りに金額が変わります。具体的な金額を確認してみましょう。
東京海上日動 | ソニー損保 | |
21歳 | 普通車:122,490円/年 軽自動車:73,830円/年 | 普通車:83,240円/年 軽自動車:54,580円/年 |
26歳 | 普通車:61,440円/年 軽自動車:38,230円/年 | 普通車:55,250円/年 軽自動車:36,310円/年 |
30または35歳 | 普通車:53,430円/年 | 普通車:44,000円/年 |
この表からも、21歳と30または35歳の間には大きな差があることがわかります。若ければ若いほど保険料が高くなるのは避けられませんので、覚えておいてください。
一方保険料は、年齢条件や運転者限定範囲を見直すことで安くなる可能性があります。年齢条件とは、運転者が限定されている場合運転者の年齢幅を絞ることです。例えば、26歳の契約者1人しかその車を運転しないと決まっている場合は、26歳以上補償に年齢条件を設定します。すると、全年齢対象時よりも保険料を安く抑えられるのです。
運転者の限定も同様で、運転者が1人と決まっているのであれば1人に限定した契約をすることで、保険料が安くなります。契約内容を確認し、安くできるポイントがないか確認しましょう。
若ければ若いほど保険料が高くなるのが一般的ですが、保険会社によっては特定の世代向けに安いプランを提供しているところもあります。例えば、事故リスクの少ない40代〜50代に最も安いプランを提供する保険会社もありますので、運転手の年齢に当てはまるプランを用意している保険会社を選ぶのもおすすめです。
家族に頼ろう!保険の等級と特約の活用について
自動車保険は、等級によって大きく保険料が異なります。等級とは、1〜20等級に区分されている事故歴に応じた保険料の割引や割増を適用するための制度です。通常は6等級からスタートし、1年間事故を起こさなければ、次年度は1つ等級が上がります。
等級が高ければ高いほど、長年事故を起こしていない優良ドライバーであることが証明されるので、保険料は割り引かれるのが特長です。保険を使うと1〜3等級ダウンし、次年度の保険料は上がってしまいます。
この等級制度を上手く使って、保険料を安く抑えることが可能です。その方法を確認しておきましょう。
家族の等級を引き継ぐ
同居している家族の等級は、引き継ぎが可能です。家族の等級が20であれば、新規で保険に加入する方はそれを引き継いで20等級からスタートできます。
配偶者以外はあくまで同居している家族限定なので、別居の場合は引継ぎ不可能です。そのため、子供が就職等で家を出る前に引き継ぎの手続きを終了させておく必要があります。
親が高齢になって車に乗らなくなった場合、子供がその等級を引き継げるのは大きなメリットといえるでしょう。その場合、子供が乗る新車と親が現在持っている車の車両入替を実施したり、保険名義を変更したりといった手続きが必要となります。
しかし等級引き継ぎの際に注意しなければならないのは、譲り渡した家族の等級についてです。譲り渡した家族はまた新規で保険に加入することになるため、6等級または7等級からスタートすることになります。
そこで等級引き継ぎをするかどうかは、保険会社に相談して金額を比較してから決めるのがおすすめです。親子間で等級を引き継ぐ場合は、20代子供の6等級よりも50代親の6等級の方が保険料は安くなります。自分たちのケースで保険料を安くできるのかを確認し、等級を引き継ぐかどうか決めましょう。
セカンドカー割引を利用する
1台目は普通車、2台目は軽自動車と2台以上の車を持っている方も多いでしょう。セカンドカーとして軽自動車を購入することは、保険料や税金の節約になってお得です。2台目以降の車を購入するのであれば、セカンドカー割引を利用しましょう。
セカンドカー割引とは、2台目以降の車を契約する際、通常は6等級からスタートするところを7等級から始められるサービスです。この2台目以降の車というのは、同居している家族の車でも問題ありません。
たった1等級と思われるかもしれませんが、1等級違うと割引率は大きく変わります。割引率が大きければ大きいほど支払う保険料は安く済みますので、2台目以降の車を購入する場合は迷わずセカンドカー割引を利用しましょう。
こんな節約方法もある!保険の見直し方
軽自動車の保険を見直す場合、以下の点に注目することで保険料を抑えられます。必要に応じて適切な節約方法を取り入れましょう。
保険会社を見直す
どの保険会社と契約を結ぶかによって、保険料は変わってきます。自動車保険は慎重に選ぶ必要があるのです。自動車保険には、大きく分けて2つの型があります。
まず、ディーラーや修理工場などと代理店契約を結ぶことで保険を販売してもらう、代理店型の自動車保険。これには、東京海上日動やJA共済などがあります。自社で販売するだけでなく、車を購入・修理した方へ即座に営業できるので契約してもらいやすいです。
代理店型自動車保険の大きなメリットは、手間がかからないこと。保険の違いがよくわからず比較するのも面倒なので、勧められたものをそのまま契約したいという方におすすめです。
一方、デメリットとして保険料が高いことが挙げられます。ディーラーや修理工場に保険の販売を依頼しているため、契約者が支払った保険料の15%は中間手数料となるのです。そのため中間手数料を差し引いても利益が出るよう、保険料は高めに設定されています。保険料をなるべく安く抑えたいと考えている方には、代理店型の自動車保険はおすすめできません。
もう1つの自動車保険は、ダイレクト型です。ダイレクト型自動車保険とは、ネットで申し込みや契約が完結するタイプの保険。代理店に支払う中間手数料や、契約案内に割く人件費を削減できるため、保険料が安いというメリットがあります。ダイレクト型自動車保険としては、ソニー損保やイーデザイン損保などが有名です。
ただし、ダイレクト型自動車保険は代理店型と違い、誰かが保険について説明し、案内してくれるわけではありません。そのため、自動車保険に関する最低限の知識が必要になります。保険のことはよくわからないから適当に選びたいという方には、ダイレクト型自動車保険は向いていません。情報収集や契約などの手間を削減したいという方にとっても、ダイレクト型自動車保険はおすすめできないといえます。
また、保険会社によっては保険料が安い代わりに、事故対応力が低いことも。保険料を下げるために人件費やサポートの充実費を削っているので、万が一のとき頼りにならない可能性も否定できません。ダイレクト型の自動車保険を選ぶのであれば、保険料の安さばかりを確認せず、事故対応力の高さも合わせてチェックする必要があります。
使用目的を変更する
契約の際に勘違いしやすい項目の代表例が、使用目的です。使用目的は何のために車を運転するのかを明らかにする項目で、「業務用」、「通勤・通学」、「日常・レジャー」という3つがあります。それぞれの定義を確認せずになんとなく選んでしまうと、保険料が高くなる可能性があるのです。一般的には、それぞれ以下のように定義されています。
業務用:年間を通じて月平均15日以上、業務に車を使用する
通勤・通学:年間を通じて月平均15日以上、通勤・通学に車を使用する
日常・レジャー:上2つに該当しない場合
つまり、休日にしか車を使用しない場合だけでなく、通勤や通学に車を利用するけれど、月平均15日に満たない日数しか運転しないという場合には、日常・レジャーに該当するということです。通勤や通学に使用しているからといって、必ずしも使用目的が通勤・通学になるとは限りません。
使用目的は、保険会社ごとに定義が異なることがあります。きちんと定義を確認しなければ、本来払わなくてよいはずの保険料を支払っている可能性もありますので、一度チェックしてみましょう。
しかし、日常・レジャーで契約していたにも関わらず、実際は通勤や通学のために月15日以上使用していたという場合は契約違反となります。その際は事故を起こした場合に保険料が支払われない可能性もありますので、嘘をついて保険料を安く抑えようとするのはやめましょう。
月額払いを一括払いに変更する
保険料の支払い方法は、月額払いよりも一括払いの方がお得です。一括払いにするだけで、5〜7%ほど保険料を安く抑えられます。もちろん、保険料が高ければ一括で支払うのが困難になるので、無理に一括払いにする必要はありません。しかし、一括払いも余裕を持ってできるというのであれば、一括払いに設定しましょう。
まとめ
軽自動車の保険料は普通車よりも安いですが、それだけで満足してはいけません。契約している保険を見直すことで、さらに安く抑えられることもあります。軽自動車の保険について正しい知識を持ち、必要な分だけを保険料として支払いましょう。