ユーザー車検の流れは?ユーザー車検に必要な書類と手順を解説

自動車の困り事

自動車の継続検査いわゆる車検を受けるには、ディーラーや整備工場、車検専門店に依頼して受けるほかに、車の所有者自身が受けるユーザー車検という方法があります。依頼を通さずに自身で車検を受けることで、時間や車検時期の融通が利きますし、なにより車検にかかる費用を抑えることができるのは、ユーザー車検のとても大きなメリットです。

こちらでは、ユーザー車検を受ける時に必要な書類や事前準備、ユーザー車検の当日の流れについて詳しく解説します。

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ユーザー車検を受ける前に

こちらではまず、ユーザー車検を受けるにあたり、前もって準備しておくことを解説します。

ユーザー車検とは

ユーザー車検とは、ディーラーや整備工場、車検専門店へ車検を依頼せずに、車の所有者が自身で運輸支局や軽自動車検査協会へ車両を持ち込み、継続車検を受ける方法のことです。

ユーザー車検に必要な書類

ユーザー車検を受けるために必要な書類について解説します。

当日検査を受ける時に持参する必要がありますので、運輸支局(検査協会)で取得できる書類の除き、前もって紛失していないかどうか確認しておきましょう。

使用者の印鑑個人の場合は認印、法人の場合は会社の印が必要です
自動車検査証自動車が保安基準に適合していることを証明する書類
自賠責保険(共済)証明書車検を受けるには自賠責保険に加入している状態でなければいけません。そのため自賠責保険(共済)証明書が必要になります。
車検有効期間より1日でも多く、自賠責保険に加入していなければ車検証の交付を受けることができません。継続車検前の旧自賠責と新自賠責の2枚を用意します。
車検を受ける当日までに自賠責保険の継続加入ができていない場合は、検査当日に運輸支局近くの行政書士事務所(代書屋)に自賠責保険の継続手続きを依頼します。
自動車税納税証明書
(軽自動車税納税証明書)
自動車税の納税が正しく行われているかを確認する為の証明書です。紛失した場合は自動車税事務所で再発行手続きができます。
平成27年4月以降普通自動車の自動車税納税確認については電子確認ができるようになったため、当日自動車税納税証明書を携帯されていなくても確認が取れるようになりました。しかし、自動車税を納付してから電子確認に反映されるまで2~3週間かかるため、納付後すぐに継続検査を受けたいと考える方であれば、紙の納税証明書を交付請求しなくてはいけません。
また、軽自動車税は電子確認ができないため軽自動車税納税証明書が必要です。
定期点検整備記録簿定期点検整備記録簿とは、24ヶ月点検や12カ月点検の法定点検を行った内容を記録するための用紙のことで、点検・整備の作業内容を記録簿のチェック番号に従って記載します。定期点検整備は、車検の前後どちらの時期に実施しても構わないため、検査後に行う場合は事前の準備は不要です。
自動車検査票
(軽自動車検査票)
車検の際に検査項目ごとの合否を記録する為の用紙です。車検の当日に運輸支局(軽自動車検査協会)窓口で用紙の配布を受けることができます
自動車重量税納付書自動車重量税を納める為の書類です。車検の当日に運輸支局(軽自動車検査協会)で用紙の配布を受けることができます。
継続検査申請書車検証の交付を申請する書類です。様式はOCR第3号様式になります。車検の当日に運輸支局(軽自動車検査協会)で用紙の配布を受けることができます。また、事前にダウンロードしておき、印刷することもできます。

ユーザー車検にかかる費用

ユーザー車検で受けるには、継続検査手数料を国と機構に納めなくてはいけません。

普通自動車の継続検査手数料は、検査登録印紙500円と自動車審査証紙1,800円の合計2,300円です。小型自動車の継続検査手数料は、検査登録印紙500円と自動車審査証紙1,700円の合計2,200円です。検査手数料は、手数料分の印紙・証紙を印紙・証紙販売窓口で購入します。購入した印紙・証紙は、自動車検査票に貼り付けて必要書類と合わせて提出します。

ほかに法定費用として、自賠責保険料と自動車重量税がかかります。自賠責保険は前もって保険会社等で加入しておくこともできますが、車検を受ける当日に行政書士等で加入する場合は、当日保険料が必要です。通常24ヶ月分の自賠責保険の加入を行いますが、自賠責保険料は保険期間ごとに金額が異なります。また、車検と同期間分の自動車重量税も納める必要があります。自動車重量税は車両の重量と経過年数に応じて課税される税金になります。

ユーザー車検の手順

次に、実際にユーザー車検はどのような流れで行うかを解説していきます。

こちらでは基本的なユーザー車検の手順をご紹介していますが、運輸支局・軽自動車検査協会によっては受付時間や手順が異なる場合があるので、事前に受験予定の支局や協会へご確認ください。

ユーザー車検の前日までにしておくこと

ユーザー車検を受ける前日までにしておくことを解説します。

運輸支局・軽自動車検査協会に予約を入れる

ユーザー車検を受けるには、普通自動車は運輸支局、軽自動車は軽自動車検査協会で予約をしなくてはいけません。ユーザー車検の予約は、検査を受ける日の2週間前から可能です。

24ヶ月点検整備を受ける

車検の前後どちらに実施しても構いませんが、24ヶ月点検整備を受けましょう。24ヶ月点検整備とは、法律で義務付けられている24ヶ月毎に行う定期点検のことです。車検を受ける前に事前に点検整備をしておくと、ユーザー車検の合格率も上がるため、後でも問題はありませんが、できれば事前に受けることをおすすめします。

24ヶ月点検整備をして、その時点で必要があれば調整・交換などの整備を行います。24ヶ月点検整備を受けたときは、受けた整備工場等で定期点検整備記録簿にチェックと記入をしてもらいます。

予備検査場(民間の検査場)で最終調整

運輸支局(軽自動車検査協会)の近辺には、車検項目と同じ内容の検査を本番前に行うことで確認ができる予備検査場(民間の検査場)があります。

民間の検査場になるため有料ではありますが、予備検査で下記内容や自動車の状態を確認してもらいます。

  • ライトの光軸検査・調整
  • サイドスリップ検査・調整
  • 各四輪のブレーキ検査
  • スピードメーター検査
  • 排気ガスの検査・調整

地域によって、予備検査場が近くになかったり、業者のみ利用で一般利用できない場合もありますので、インターネット等で予め確認してから行くようにしましょう。また、車検料金を安くするために事前には行わず、検査の不合格箇所だけ予備検査場で調整するといった方法もあります。

ユーザー車検の車検日当日の流れ

ユーザー車検の受検当日の運輸支局(軽自動車検査協会)に到着してからの流れを解説します。

用紙の購入・作成

普通自動車は運輸支局、軽自動車は軽自動車検査協会の用紙配布窓口で、ユーザー車検に必要な用紙を取得し記入します。(必要な申請書は以前は購入が必要でしたが、2017年以降無料配布となっています)

自動車重量税と検査手数料の支払い

印紙・証紙販売窓口で、自動車重量税額と検査手数料分の印紙・証紙を購入します。購入した自動車重量税印紙は自動車重量税納付書、検査手数料印紙・証紙は自動車検査票に貼り付けます。自賠責保険の継続加入手続きがまだの場合は、運輸支局(軽自動車検査協会)付近の行政書士事務所で依頼し加入しましょう。自賠責保険の継続手続きには、旧自賠責保険証と車検証を持参する必要があります。

自動車税の納税確認

継続車検を受検するには、本年度の自動車税の納税がされているかどうかの確認があります。普通自動車の場合、自動車税納税後2~3週間経過していれば、納付状況が電子確認できるため不要ですが、納税してすぐのタイミングで車検を受ける場合や、軽自動車の場合は電子確認ができないため自動車税納税証明書を持参し、納税確認窓口に提出して納税の確認印を押印してもらいます。

ユーザー車検の受付へ

ユーザー車検受付窓口に書類一式を提出し、予約を行った際に発行された番号(予約番号)を伝えます。書類に不備があった場合は、こちらで修正を行います。

検査コース

自動車に乗り検査コースで検査を受けます。検査コースでは案内表示がありますので、指示に従い進めます。

検査コースでの受検内容は下記の8つです。※ディーゼル車はディーゼル車専用の排気ガス検査を行います。

  1. 同一性の確認
  2. 外回り検査
  3. サイドスリップ検査
  4. ブレーキ検査
  5. スピードメータ検査
  6. ヘッドライト検査
  7. 排気ガス検査
  8. 下回り検査

検査結果の確認、車検証の交付

検査コースでの受検に合格することができたら、書類一式を継続検査受付窓口へ提出します。書類が受理されたら、有効期間が更新された新しい車検証とステッカー(検査標章)が交付されます。書類を受け取り後、古いステッカーを剥がして、交付されたステッカー(検査標章)をフロントガラス中央上部に貼り付けましょう。以上でユーザー車検は終了となります。

ユーザー車検で不合格になった場合

ユーザー車検で不合格になった場合は、不合格項目の箇所を予備検査場や整備工場で再度点検し、整備を行った後に再検査を受けます。

当日に再検査を受ける場合

ユーザー車検で不合格になった時の点検・整備後の当日再検査は、2回まで無料で受けることができます。また、当日再入場も初回を含めて3回までと決められています。3回以内に合格できなかった場合は、再度申請からになりますので、検査手数料をもう一度支払うことになります。

15日以内に指定整備工場等で整備・検査を受ける場合

不合格になったが当日整備が難しく、後日(15日以内)整備と検査を受ける場合について解説します。

ユーザー車検で不合格となり再検査が後日になる場合は、総合判定の検査官にその旨を伝えて、限定自動車検査証の発行を事務庁舎の窓口で依頼しましょう。

限定自動車検査証をもって、指定整備工場で点検・整備をしてもらうと「限定保安基準適合証」を発行してもらえます。受け取った限定保安基準適合証と限定自動車検査証を最寄りの運輸支局へもって行くと、合格となり新しい車検証を交付してもらえます。指定整備工場での検査手数料は普通車・小型車で1,600円です。整備費用は含まれません。

また、指定整備工場ではなく認証整備工場やディーラー、もしくは自分で整備する場合は、整備・点検後に再度、運輸支局(軽自動車検査協会)へ持ち込み再審査を受けます。この場合の検査手数料は普通車・小型車1,800円で、検査予約不要となります。

限定自動車検査証のみでは公道を走行することはできません。また限定自動車検査証の有効期間は最大15日間です。

15日を過ぎて再度受検する場合

初回ユーザー車検で不合格になり、発行してもらえる限定自動車検査証は、最大15日間が有効期限ですので、15日を過ぎると最初からすべて検査しなおしになります。

再度検査手数料として、普通車は2,300円、小型車は2,200円が必要です。不合格になったことで車検が切れて車検有効期間が変わると、自賠責保険の加入期間より車検有効期間が長くなることがあります。その場合は自賠責保険期間の修正手続きをするか、1ヵ月間のみ別途保険加入をしなくてはいけませんので、できればユーザー車検を受ける当日は時間に余裕をもち、もしも不合格になってしまった場合は当日再受検、もしくは15日以内に早めに受検できるようにしましょう。

まとめ

ユーザー車検について詳しく解説しました。ユーザー車検は、車検専門店や整備工場、ディーラーに依頼するよりも大幅に費用が抑えられますので、できるだけ出費を抑えたいという人は利用すると良いでしょう。

ただし、ずっとユーザー車検だけでは本当に必要なメンテナンスを見逃してしまう可能性がありますので、車検専門店やディーラー車検などを受けて、定期的なメンテナンスを受けることも車を長く乗り続けるコツになっています。

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