交通事故で車が壊れてしまったら、修理が終わるまでの期間や買い替えるまでの期間は車が使えません。
そのため多くの方は、代車を借りることになるでしょう。代車をレンタルするための費用は、自己負担と保険会社による補償のどちらになるのでしょうか。
ここでは、代車を借りる場合に費用を請求できるケースについて解説します。
保険会社に代車費用を請求できるケース
交通事故で車が壊れた場合、修理や買い替えにかかる費用は加入している自動車保険によって補償されます。では、修理や買い替えによって自身の車を使えるようになるまで代車を借りる場合、費用は補償されるのでしょうか。
保険会社が提携している修理工場から無料で貸し出している場合であれば費用は必要ありませんが、必ずしも無料で借りられるとは限りません。できれば代車を借りる際にかかる費用は、保険会社に負担してほしいものです。代車費用として請求できる可能性があるのは、車のレンタル代やレンタルする際に加入する必要がある保険の保険料です。ガソリン代は代車費用として請求できないため、注意しましょう。
保険会社に代車費用を請求できるかどうかは、ケースバイケースといわざるを得ません。車両保険に加入している場合、代車費用特約(レンタカー費用特約)を付帯していれば問題なく請求できることもあります。ただし、基本的には代車費用を負担することに消極的な保険会社が多いです。
代車費用の請求が認められるかどうかは、必要性、車種、期間という3つの要素から判断されます。それぞれの要素ごとに、請求が認められたケースと認められないケースを確認しましょう。
代車を使用する必要性があるか?
まず、代車を使用する必要性があるかどうかによって費用請求の可否が分かれます。基本的には、どうしても代車を借りる必要があったという明確な理由がなければ、費用の請求は認められません。
請求が認められるのは、通勤や業務などで使用する場合や、病院への通院など日常生活で具体的に使用する必要性があるとされる場合です。車をほぼコレクション目的で所有していた場合などは、代車を使用する必要性があると認められない可能性が高いといえます。
例えば、公共交通機関が動いていない早朝に出勤しなければならない仕事をしているケースでは、代車費用の請求が認められました。このように、代車を借りなければ業務に支障が出るということが明らかな場合には、請求が認められる可能性も高くなります。
一方、通勤で毎日車を使用していたとしても、代車を使う必要性がないと判断されれば費用請求は認められません。判例では、バスや電車などの公共交通機関やタクシーの利用では不十分であると認められず、代車費用の請求が認められなかったケースもあります。通勤の際に使える公共交通機関があるのなら、代車を使わなくてもそちらの使用で事足りるということです。
また、交通事故によって故障し修理している車のほかにも車を持っているケースは、代車を借りなくても代替できるとして費用の請求を認めていません。普通乗用車や原付自転車などを別途持っている場合は、代車費用の請求は認められないと考えた方がよいでしょう。同居している家族が車を所有していて、無償で借りられるケースについても同様です。
必要な代車の車種は?
使用する代車の車種(グレード)も、費用の請求が認められるかどうか判断する要素の1つです。代車の車種は、代車を使用する必要性や使用目的を考慮して代替できるグレードの車種に限るとされています。つまり、故障したのが高級車だからといって、同等の高級車を借りるべき相応の理由がなければ、グレードの低い車種分の代車費用しか請求できないということです。
業務に自身が所有していたメルセデスベンツを使用していた場合の判例があります。このときは、代車がなければ業務に支障をきたすとして代車の必要性自体は認められました。しかし、以前は業務のためにトヨタクラウンを使用していた事実があり、問題なく業務を行っていたことを考えると、メルセデスベンツを代車として使用する必要性までは認められなかったのです。そのため、請求できるのは高級外車を借りた場合の費用ではなく、国産高級車を借りた場合の費用のみとされました。
実際に代車費用として500万円近く支払ったにも関わらず、同じ車種で代替する必要性はないとして、請求できる代車費用として認められたのは100万円程度という判例もあります。代車費用請求が一部しか認められなかった場合は残りを自己負担しなければならないため、注意しましょう。自己負担を避けたいのであれば、代車を借りる前に保険会社と相談しておく必要があります。
代車の使用が必要な期間は?
代車費用を請求できる場合でも、代車の使用が認められる相当期間分のみと決められています。一般的に、車が全損して買い替える場合は買い替えに通常必要な期間、修理をする場合には修理に必要な相当期間というのが代車使用期間です。
基本的には必要最低限の日数分のみ認められますが、場合によってはもう少し長く認められることもあります。修理がすぐに開始される場合もあれば、見積もりの作成に時間がかかったり、修理が必要かどうかを交渉したりして時間がかかる場合もあるのが通常です。見積もりなどの交渉に必要な期間も含まれるとした判例もあります。そのため、交渉がいつ始まったかなど経緯についても記録を残しておき、必要に応じて交渉期間分の費用も請求できるようにしておきましょう。
車を修理に出す期間はその時々によって様々ですが、大きな事故などにあった時は修理の期間も長引くでしょう。その期間の間、代車が必要となれば長い期間であれば何か月も代車が必要になるケースもあるでしょう。
費用も業者によってさまざまですが、事故などの修理においての代車費用などは、保険会社が持ってくれる場合もあるので、一度相談してみましょう。
修理ではなく買い替えという選択肢も
車の修理中の代車問題ですが、そもそもの話、修理に出さずに車の買い替えを行うという選択肢もございます。
修理ではなく、新車への乗り換えであれば保険の車両保険も使うことはないので、保険料が値上ることなく、そのままの金額で加入し続ける事が可能です。
また、買い替えであれば基本的には修理待ちのように何週間も時間が空くことはなく、数日で新車への購入が可能となりますので、わざわざ代車を用意する必要も無くなるでしょう。
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なので、新車購入資金の足しにもなりますし、駐車スペースの確保もスムーズにできますので、利点も多いと言えるでしょう。
買い替えか修理かを検討される場合、車の修理の見積もりと売却したときの査定額の見積もりを取って比較することをお勧めします。カーネクストでは、お電話一本で無料見積もりが可能です。まずはお問い合わせください。