CVT車の特徴とメリットは?AT車から乗り換えるべき?

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AT車の登場によってクラッチペダルやシフトレバーの操作が不要になり、車の運転は飛躍的に簡単になりました。

近年ではAT車に代わって「CVT車」が主流になりつつあります。AT車とはどのような違いがあるのでしょうか。

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CVTってどんな車?AT車との違いは?

CVTとは「コンティニュアス・ヴァリアブル・トランスミッション」の略で、直訳すると「連続可変トランスミッション」または「無段変速機」という意味です。

CVT車とAT車の違いとは

自動で変速するのはAT車と同じですが、CVT車はその仕組みが異なります。AT車はトランスミッションの中にギア(歯車)があり、運転状況に応じてオートマティックに切り替えられるようになっていますが、CVT車は変速にギアを使いません。

CVT車の3つの種類

CVTには「ベルト式」「チェーン式」「トロイダル」の3種類があります。

ベルト式CVTとは

広く普及しているのはベルト式です。金属製のベルトと2つのプーリー(滑車)で変速します。

2つのプーリーはそれぞれ入力と出力の役割を果たし、入力側はエンジンと、出力側は車輪とつながっています。プーリーは円錐状になっており、ベルトの位置が変わると円周の長さが変わって、回転速度も変わる仕組みです。

入力側と出力側の回転速度の違いがMT車やAT車でいう「ギア比」となり、その組み合わせで加速したり減速したりできるようになります。ベルトの位置は油圧で変わるので、ギアを変えるときのようなタイムラグやショックが発生しません。

チェーン式CVTとは

チェーン式はベルトの代わりにチェーンを使います。チェーン式は、ギアで変速しません。

トロイダル式CVTとは

トロイダルは2つのプーリーの間に「パワーローラー」と呼ばれるコマを挟んで接地面の角度を調節しながら変速します。どちらもギアで変速しないのは同じです。

CVTは欧州で生まれた技術ですが、主に日本で普及し発達してきました。日本は信号や渋滞、坂道が多く、そのたびに加速と減速を繰り返すため、常に高速で走る機会が多い欧州よりもCVTのメリットを発揮しやすいのです。

最適な乗り方は?CVT車のメリットとデメリット

先述のとおりCVT車は変速にギアを使わず、油圧でベルトを動かすため、速度を変えてもタイムラグやショックを感じにくいのがメリットです。

さらにエンジンの回転を無駄なく車輪に伝えられるので燃費も良くなります。

CVT車にはデメリットもある

一方でベルトがプーリーの内側に来るほど回転が小さくなるため、滑りやすくなったり摩擦が大きくなったりする欠点があります。そのため、低速と高速の走行ではかえって燃費が悪くなるのがデメリットです。2,000㏄を超える排気量が大きい車に搭載するのも向いていません。

かつては発進時や上り坂での走行において、アクセルを踏んでいる割に速度が上がらないという症状もありました。これらはAT車のトルクコンバーターを応用したり、低速用のギアを別に搭載したりするなどして改良されつつあります。

街乗り中心で加速減速を繰り返す低排気量の車ならオススメ

街乗りが中心で加速と減速を繰り返す乗り方をするならCVTのほうが有利でしょう。逆に高速道路を走る機会が多いならAT車が有利です。車種でいえば軽自動車やコンパクトカーは、CVTによってATよりもパワフルに走れます。

DCTやAMTって何?CVTより優れているの?

最近ではCVTに代わってDCTやAMTを導入する車が増えています。

DCTは「デュアル・クラッチ・トランスミッション」の略で、名称から分かるように2つのクラッチを持つトランスミッションです。

一般的なMT車はクラッチが1つしかなく、変速するたびにギア同士を離して(切って)別のギアと噛ませる(つなげる)必要がありました。つまり変速に時間がかかっていたのです。

DCT車に変えるメリット・デメリットとは

DCTは1台に奇数段のクラッチと偶数段のクラッチを備えており、運転中はどちらかのギアを切るともう片方のギアがすぐつながる状態になっています。これにより素早く変速できるだけでなく、燃費も良くなるのがメリットです。クラッチペダルはなく、ギアの切り替えは車が自動的に行ってくれます。

例えば加速するときは最初に奇数段の1速とクラッチがつながっており、同時に偶数段は2速とつなげられるように準備しています。スピードが上がってクラッチが偶数段に切り替わると、今度は奇数段が3速に変わります。後はその繰り返しです。減速すると逆にクラッチを切られるたびにギアを1段下げて準備します。

DCTはCVTが苦手とする高速での走行に適しています。逆に加速と減速を繰り返すとクラッチの操作が頻繁になるため、運転がギクシャクしたり故障しやすくなったりします。また部品数が多いため価格も高くなりがちです。高速道路を走る機会が多く、MT車のシェアが大きい欧州では普及していますが、日本では伸び悩んでいます。

AMT車に変えるメリット・デメリットとは

一方、AMTは「オートメイテッド・マニュアル・トランスミッション」の略で、自動でクラッチ操作してくれるのが特徴です。メーカーによっては「AGS」と呼ばれる場合もあります。ATとの違いが分かりづらいかもしれませんが、トランスミッションはMT車と同じです。クラッチ操作を「アクチュエーター」という機器が代わりに行ってくれます。

AMTはDCTよりもシンプルで価格も安く、アクチュエーターを除けば構造がMT車と同じなので修理しやすいというメリットがあります。特にMT車が普及している発展途上国ではノウハウをそのまま活用できますから、取り入れやすいでしょう。もっとも日本で乗るには、最適な変速ができるまで(車が学習するまで)時間がかかるのがデメリットです。

DCT車もAMT車も厳密にいえばMT車の仲間ですが、クラッチペダルやシフトレバーの操作が不要なのでAT限定免許で運転できます。

CVTは故障しやすい?査定での評価は?

日本の地形や交通事情に合っているCVT車ですが、AT車に比べると故障しやすいといわれています。その前兆となるのが「異音」です。元々CVTはベルトとプーリーが摩擦しているので、作動中は小さな金属音が発生します。ところが走行距離が長くなって摩耗が進むほど、不快なくらいこの音が大きくなってしまうのです。

CVT車を選ぶ上での注意点

このまま修理しないで乗り続けると、エンジンの回転数は上がっているのに加速しなかったり、走行中にいきなり回転数が下がってエンジンブレーキがかかったりします。特に後者は追突される恐れがあり、とても危険です。

修理はCVTの交換になるため、車種にもよりますが費用は30~100万円ほどかかります。このような症状は走行距離が多い車で多く見られるため、5万kmを超えて異音が発生したり、不具合が出たりするようであれば、故障する前に手放すドライバーも多いです。

CVTの故障を防ぐために

CVTの故障を防ぐには、「CVTフルード」と呼ばれるオイルをこまめに交換するのが効果的です。CVTフルードは摩耗による金属粉が混入したり、走行中の熱で酸化したりするなどして劣化します。できれば毎年あるいは2万kmを目安に交換すると良いでしょう。

メーカーによってはドライバーによる交換を推奨していないため、ディーラーや整備工場に依頼したほうが無難です。CVTフルード代と工賃で1万円前後になります。

査定ではAT車と同じ基準で評価します。明らかな不良や作動のタイムラグがあったり、滑りがあったりすると、オーバーホールが必要とみなされ20万円以上のマイナスです。CVTに多い不具合は実際に走らせてみないと分からないので、評価は業者によって大きく分かれるでしょう。

CVT車の特徴とメリットについてよくあるご質問

CVT車の特徴やメリットについて、よくいただくご質問にお答えします!

Q.CVTってどんな車?AT車との違いは?

A.CVT車とは、コンティニュアス・ヴァリアブル・トランスミッションの略称です。CVTを直訳すると連続可変トランスミッション・無段変速機という意味です。自動で変速するAT車(オートマチックトランスミッション)はギア(歯車)を使って運転状況に合わせて変速を行いますが、CVT車は変速時にギア(歯車)を使いません。

Q.CVT車にすることでメリットはある?

A.CVT車にすることのメリットは、変速にギアを使わないため、油圧を使っており速度を変更してもタイムラグやショックを感じにくい作りになっています。また、エンジンの回転から車輪迄の伝達のラグがないことで燃費も向上します。

Q. CVT車にすることでデメリットはある?

A.CVT車にすることのデメリットは、ベルトが内側に来るため滑りやすかったり、摩擦による摩耗の影響が大きいため高出力の車両には向いていないことです。耐久性も低いため、コンパクトカーや軽自動車などの小型乗用車に搭載されている傾向が高くなっています。加速減速が多いところでの乗り回しでも燃費が良く、コンパクトカーに多く搭載されていることから、街乗り用の車であればデメリットを感じずに利用しやすいのではないでしょうか。

Q.DCTやAMTって何?CVTより優れているの?

A.DCT車はデュアルクラッチトランスミッションの略称で、AMT車はオートメイテッドマニュアルトランスミッションの略称です。DCT車の場合、奇数段のクラッチと偶数段のクラッチを備えています。DCT車は高速での走行に適していて、素早い変速が可能な上に自動的にギアの切り替えが行われます。ただし部品数の多さから高額で、故障もしやすいため国内ではあまり普及していません。AMT車は、クラッチの操作をアクチュエーターが代わりに行いますが、トランスミッション自体はMT車と同じになっています。アクチュエーターは走行を繰り返すことで学習し、最適解を覚えるため、最適な変速が出来るまでに時間がかかります。

Q.CVTは実は故障しやすいって本当?

A,CVT車は、日本の地形や加速減速が多い交通事情に合っている変速機構と言われていますが、実はAT車に比べてしまうと故障が多いといわれています。特に、摩擦や摩耗に弱いため劣化すると作動中に異音がなったり金属音が発生することもあります。異音の要因はいくつかありますが、まずはCVTフルードと言われるオイルの汚れや酸化による劣化が原因ではないかと言われます。定期的な交換を心がけましょう。

まとめ

CVT車は滑らかに変速するので、AT車よりもショックが少なく燃費も良いのがメリットです。高速道路を走行するなら他のトランスミッションが有利ですが、日本の地形や交通事情にはCVT車のほうが合っています。

そんなCVT車もAT車より故障しやすいのがデメリットです。走行距離が増えて異音や不具合が感じられたら、早めに手放すドライバーもいます。弊社カーネクストでもCVT車を廃車買取しております。故障して走行不能になってもレッカー代は無料です。

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