あおり運転に、不慮の事故など、ドライブレコーダーの必要性が感じられてきてドライブレコーダーの普及は進んでいます。
そんなドライブレコーダーですが、夏の暑さで故障することもあるようです。高価なドライブレコーダーが壊れたらショックですよね。そんなことがないように、正しく対処してドライブレコーダーを守りましょう。
サンシェードは車内の温度上昇を防げるか?
真夏に屋外に駐車していた車に乗り込んだとき暑さに驚くことがあると思います。特にダッシュボードは危険なほどに熱く、乗り込んでも車内が冷えるまで待つ必要があるなど、困った経験もあるかもしれません。
フロントガラスに設置することで車内に太陽光を入れないようにするサンシェードを使用すると、車内の温度上昇はどれくらい防げるのでしょうか。
車内温度上昇の実験
真夏の車内の温度について、JAFが実験を行っています。外気温が35℃の晴天の日に、ミニバンを駐車した場合、僅か30分後には車内温度が40℃を超え、その後も上昇して4時間後には、車内平均温度は対策なしで47℃、サンシェードを装着した場合は45℃という結果になりました。車内の最高温度は対策なしで57℃、サンシェード装着で50℃という結果で、サンシェードを装着しても、車内の温度上昇は防ぎきれないことが分かります。ちなみに窓を3cm開けた場合は、平均温度が42℃で最高温度が45℃とサンシェードよりも効果がありそうだという結果になりました。
夏に外に車を止める場合、サンシェードの装着や窓の開放だけでは車内温度の上昇は避けられなさそうです。また、この実験の温度は白い車の記録のため、色の濃い自動車であればより太陽の熱を吸収するためさらに高温になることが予想されます。
ただし、ダッシュボードの最高温度は対策なしで74℃、窓開けで72℃なのに対し、サンシェードを装着した場合は52℃まで抑えることができているため、全く効果がないわけではありません。
車内、特にダッシュボードの上に高温によって変形するようなものを放置することがないように注意が必要です。また、iPhoneは -20° ~ 45℃ で保管することが推奨されています。夏の車内にiPhoneを置き忘れると、故障の恐れがあるので注意しましょう。
ドライブレコーダーの耐熱温度は70℃くらいまで
近年普及してきたドライブレコーダーは、温度上昇によって悪影響を受けるのでしょうか。
ドライブレコーダーの動作温度については、COMTEC、ユピテルの動作温度範囲が-10℃~60℃、パナソニックの推奨動作温度が- 20 ℃~ +65 ℃という表記になっています。ドライブレコーダーが正常に機能することが保証されているのは、70℃くらいまでのようです。
iPhoneの耐熱温度は45℃くらいまでなので、ドライブレコーダーは比較的熱に強く作られている電子機器であると言えるでしょう。フロントガラスに近い位置に設置して直射日光を浴びても動作するように、耐熱性能が高く作られているようです。
ドライブレコーダーの設置方法は種類によってさまざまであり、フロントガラスに貼り付ける型、ルームミラーに取り付ける型、ダッシュボードに取り付ける型などがあります。ダッシュボードに取り付けている場合、サンシェードを取り付けることでダッシュボードが高温になるのを防ぎ、ドライブレコーダーを熱から守ることができます。
しかし、ドライブレコーダーをフロントガラスに貼り付けている場合のサンシェードの使用には注意が必要です。
サンシェードで対策は逆効果?
わずかながら車の温度上昇を防いだサンシェードですが、ドライブレコーダーにとってはむしろ逆効果になってしまう使い方もあります。
サンシェードは太陽からの熱を反射して車内に取り込まないことで車内の温度上昇を防ぎます。そのため、サンシェードから反射した熱がフロントガラスに当たり、サンシェードとフロントガラスの間やフロントガラス自身は対策をしないときよりも高温になります。この位置にドライブレコーダーがあると、ドライブレコーダーに熱が悪影響を与える恐れがあります。
ドライブレコーダーをフロントガラスとサンシェードで挟むようにサンシェードを設置すると、サンシェードから反射した熱がドライブレコーダーに当たってしまい、反射熱でドライブレコーダーはよりあたためられてしまうのです。
ドライブレコーダーが熱に強く作られているとはいえ、サンシェードの照り返しで熱せられる状態では、想定外の温度まで上昇してしまうかもしれません。この場合、駐車中の記録などの動作に影響が出てしまったり、最悪の場合はドライブレコーダーが壊れてしまう恐れがあります。
ドライブレコーダーが干渉する場合のサンシェードの設置方法
では、ドライブレコーダーを搭載している場合はサンシェードをどのように設置すればよいのでしょうか。重要なことは、サンシェードの外側にドライブレコーダーが位置するような設置の仕方をしないことです。ドライブレコーダーは、必ずサンシェードの内側になるようにしましょう。
フロントガラスに貼り付けるタイプのドライブレコーダーとサンシェードが干渉する場合は、ドライブレコーダーが当たる位置に切り込みを入れてしまうとよいでしょう。そうすることで、反射熱を防ぎつつすっきりと設置することができます。あるいは、ドライブレコーダーに干渉しないようなサンシェードも販売されているため、購入を検討してもよいかもしれません。
サンシェードを設置した後、外側から見てドライブレコーダーが見えていなければ問題はありません。
しかし、このように設置すると停車中にドライブレコーダーを使うことはできません。
停車中の動体検知を行う場合は、ドライブレコーダーの周りのサンシェードを切り取ってしまうとよいでしょう。ドライブレコーダー自身は直射日光を浴びることになりますが、サンシェードの反射熱が当たらないように注意すれば、故障するほどの温度まで上昇することは防げます。
まとめ
暑い夏、車内の温度上昇を防ぐサンシェードですが、ドライブレコーダー搭載車で使うときは注意が必要です。サンシェードの反射熱がドライブレコーダーに当たって高温にならないように使用するサンシェードを選んだり、工夫したりして対策し、暑い夏を乗り切りましょう。